長浜鮮魚市場の『食の新スポット』、旧東冷蔵庫棟活用へ事業者公募

近藤 益弘

長浜鮮魚市場として親しまれる福岡市中央卸売市場鮮魚市場では、旧東冷蔵庫棟を活用した『食の新スポット』の整備を計画しています。現在、施設の整備・運営を担う事業者の公募・選定手続きが進められています。

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鮮魚市場の旧東冷蔵庫棟と敷地の活用で『食の新スポット』を整備

長浜鮮魚市場の『食の新スポット』、旧東冷蔵庫棟活用へ事業者公募

出典:福岡市『【11月25日提案締切】鮮魚市場 旧東冷蔵庫棟活用事業の事業者公募について』

 

福岡市は、福岡市中央卸売市場鮮魚市場(福岡市中央区長浜)の旧東冷蔵庫棟の建物と敷地を活用した『食の新スポット』を整備・運営する事業者を募集している。
『食の新スポット』について、福岡市では、魚の消費拡大とともに鮮魚市場の認知度向上を図り、長浜ブランドを高めることを通じて、「魚のおいしいまち福岡」であり続けていくことを目指すとしている。

 

『食の新スポット』の具体的な内容については、民間企業の優れたアイデアや独自ノウハウを事業に反映させていく公募型プロポーザル方式により事業者を選定する。
提案された事業内容については、外部有識者も含めた提案評価委員会において評価する。
公募型プロポーザルへの参加受付期間は、10月5日~10月15日だ。資格審査後、11月6日~11月25日に提案書を受け付ける。
その後、プレゼンテーション審査を経て、優先交渉権者の決定は2027年1月中旬を予定している。

 

 

福岡市は、都心に近接する鮮魚市場に『食の新スポット』を創出し、市民や来福者、これまで魚に関心のなかった人が長浜を訪れるきっかけをつくる考えだ。福岡・九州の食の魅力を発信するとともに、『うおざ』や長浜屋台街などとも連携し、長浜のシンボルとなる施設を目指すとしている。

 

長浜鮮魚市場の『食の新スポット』、旧東冷蔵庫棟活用へ事業者公募

出典:福岡市『鮮魚市場旧東冷蔵庫棟活用事業 公募要綱』

 

 

建物・敷地の最低貸付料は2,768万円、市の工事負担額は上限6.5億円

長浜鮮魚市場の『食の新スポット』、旧東冷蔵庫棟活用へ事業者公募

出典:福岡市『鮮魚市場旧東冷蔵庫棟活用事業 公募要綱』

 

今回、『食の新スポット』として活用していく旧東冷蔵庫棟は、鮮魚市場の東側にある地上3階建てで、延べ床面積7,217平方メートルの建物だ。
敷地面積は1万2,335平方メートルとなっており、敷地は賃貸借エリア1万1,269平方メートルと使用許可エリア1,066平方メートルで構成されている。
福岡市は土地と建物を貸し付け、事業者は自らの負担で施設を整備して、独立採算で事業を運営していく。
賃貸借期間は、施設の開業から運営終了後の原状回復までを含め、20年以上30年未満の範囲で事業者が提案する。

 

 

福岡市が事業者に提示する賃貸借エリアの最低貸付料は、土地・建物を含めて年額2,768万4,000円(税抜き)であり、使用許可エリアの使用料は117万7,968円(税抜き)となっている。
一方、福岡市は、外壁改修や屋上防水などの老朽改修工事、内装材や設備機器、給排水設備などの解体・撤去工事について、6億5,471万円(税抜き)を上限に工事費を負担する。工事自体は事業者が実施する。

 

長浜鮮魚市場の『食の新スポット』、旧東冷蔵庫棟活用へ事業者公募

出典:福岡市『鮮魚市場旧東冷蔵庫棟活用事業 公募要綱』

 

 

魚食普及に向けて市民感謝デー開催や『うおざ』開設で推進

長浜鮮魚市場の『食の新スポット』、旧東冷蔵庫棟活用へ事業者公募

写真提供:福岡市

 

長浜鮮魚市場として福岡市民に親しまれている福岡市中央卸売市場鮮魚市場は、1955年に開場した西日本有数の水産物流通拠点だ。
博多漁港に位置し、産地機能に加えて、福岡都市圏の後背人口約260万人へ供給する消費地機能を併せ持つ市場でもある。

 

 

農林水産省の資料によると、ピーク時だった1984年に1,282万トンを誇った日本の漁獲量は以後、減少傾向となり、2022年には3分の1以下となる392万トンまで減少している。
同様に福岡市中央卸売市場鮮魚市場においても、ピーク時の1996年に約23万トンだった取扱量は減少傾向となり、2024年には約4分の1となる6万トン弱となっている。

 

 

鮮魚市場での取扱量が減少した要因の一つとして、食習慣の変化による魚の消費量の減少が挙げられる。
このため、鮮魚市場では、2008年から魚食普及の推進による水産物の消費拡大に向けた取り組みとして、市民感謝デーを開催している。
普段立ち入ることのできない鮮魚市場の仲卸売場棟の一部を開放し、鮮魚市場の魅力を体験できるよう、鮮魚の販売やマグロの解体ショー、さばき方体験などのイベントを実施して、鮮魚市場や魚の魅力を発信している。
また、鮮魚市場では、卸業者が主体となって整備・運営する魚食スポットとして、鮮魚市場の東端に『魚食普及推進施設うおざ』が2024年11月に開業した。

 

 

今回の事業対象となる旧東冷蔵庫棟と敷地は『うおざ』に隣接しており、福岡市では両施設を含む一帯を「活性化ゾーン」と位置付け、長浜のシンボルとなる新施設の整備を目指している。
「魚のおいしいまち」として高く評価されている福岡市の“台所”ともいえる福岡市中央卸売市場鮮魚市場において、今後どのような『食の新スポット』が誕生するのか。
「福岡の食の魅力発信」に向けた各民間事業者によるアイデアの提案や、にぎわい創出に向けた仕組みづくりが注目される。

 

長浜鮮魚市場の『食の新スポット』、旧東冷蔵庫棟活用へ事業者公募

出典:福岡市『鮮魚市場旧東冷蔵庫棟活用事業 公募要綱』

 

 

 

【参照サイト】

 

福岡市『【11月25日提案締切】鮮魚市場 旧東冷蔵庫棟活用事業の事業者公募について』
https://www.city.fukuoka.lg.jp/nosui/sijouseibi/business/sengyosijou_kasseika.html

 

 

福岡市『鮮魚市場旧東冷蔵庫棟活用事業 公募要綱』
https://www.city.fukuoka.lg.jp/nosui/sijouseibi/business/documents/00kouboyoukou_260715syuusei.pdf

 

 

農林水産省『aff(あふ)2024年11月号:漁獲量、消費量ともに減少している原因とは!?知りたい!魚の今』
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2411/spe1_02.html

 

 

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