市役所北別館跡地と隣接地の一体開発で18階建てビルが2026年6月完成予定【福岡市中央区】

福岡市・天神において福岡地所株式会社を代表とするグループが整備する福岡市の『北別館跡地活用事業』は、隣接地で福岡地所が開発する『メディアモール天神(MMT)』跡地と一体的に開発していきます。北別館跡地を管理する福岡市は2022年12月22日、『北別館跡地活用事業 事業計画の変更等について』を発表しました。今後、どのような都心再開発になるのか、概要を紹介します。


(画像提供:福岡地所)

『天神ビジネスセンター』と並び立つビル

今回の一体開発で福岡市役所北別館跡地およびMMT跡地などとの合計4,085.08平方メートルの敷地に地上18階・地下2階建ての複合オフィスビルが誕生する。
高さ88メートルとなる新ビルの延べ床面積は6万3,206平方メートルだ。

新ビルの延べ床面積は、福岡地所が2021年9月に完成させた『天神ビジネスセンター(同6万1,100 平方メートル)』を上回る広さとなる。

計画する新ビルの地下2階~地上5階(9,150平方メートル)に吹き抜け空間や交流スペースをつくり、周囲の地下通路とも接続する。
また、災害時の帰宅困難者ステーションも設ける。

オフィス層のうち、6~7階(5,100平方メートル)は、内装付きオフィスフロアとなる。
8~18階(2万8,500 平方メートル)は、『ハッカブルオフィス』と呼ばれる、床・天井を未施工(=ハッカブル)で引渡す自由度の高いハーフスケルトンオフィス仕様だ。

2023年10月に着工し、2026年6月に完成。同年8月からの運営開始を目指す。

デザイン性の高いガラス張りである新ビルが完成すると、天神ビッグバンの規制緩和第1号である天神ビジネスセンターと共に並び立ち、天神ビッグバンを象徴するビルとなる。

北別館跡跡地活用事業の計画変更で隣接地と一体開発へ

従来、北別館跡地とMMT跡地は別々に開発する予定だった。

北別館跡地活用事業では当初、1976年に完成した地上9階・地下2階の福岡市役所北別館の跡地を対象としていた。

福岡市が関連事務所を再編した結果、北別館跡地の公共利用予定がなく、都心部の一等地に位置して高い資産価値を有するため、福岡市は民間への貸出による『北別館跡地活用事業』を公募した。
そして、福岡地所株式会社を代表とするグループによる地上19階・地下2階建てのオフィスビル建設案が選ばれた。

同グループは、代表企業の福岡地所を筆頭に九州電力株式会社、株式会社九電工、前田建設工業株式会社、株式会社俊設計、株式会社旭工務店、株式会社サン・ライフを構成企業とする。

一方、MMTビルは1979年、東急不動産グループの複合商業施設として開業した。
当初、地上9階・地下3階建ての建物の地階~地上4階に『天神東急プラザ』、5~9階に『天神東急ホテル』が入居していた。
その後、地場不動産会社が取得して商業施設『マルチマート天神(MMT)』となる。
一時期、ベスト電器が福岡本店建替工事中の仮店舗として使用した。

1997年から天神ビブレの別館『天神ビブレ2』となった。
2001年11月に低層階に大手書店『ジュンク堂書店(淳久堂書店)』、高層階に専門学校『ヒューマンアカデミー』などが入居する『メディアモール天神(MMT)』となる。
2016年に福岡地所が、土地・建物を取得していた。

北別館に隣接するMMT跡地との一体開発への事業計画の変更は、福岡地所から福岡市に提出して今回、計画変更が認められた。

一体開発については、『歩行者の安全性向上』や『地下通路接続の拡充』、『都市災害対応力の強化』など利便性やまちの魅力向上につながる点が評価された。
さらに土地貸付料も変更に伴って8%増となる年間2億1,751万円に増額されている。
今後、60年間の定期借地契約を結ぶ予定だ。

【 参照サイト 】
北別館跡地活用事業 事業計画の変更等について
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/80460/1/kitabekkan_keikakuhenkou.pdf?20221221175229

物件概要

所 在 地/福岡市中央区天神1丁目76-1
用    途/ハッカブルオフィス、内装付きオフィス、アクセラリウム -ナレッジ・ハブ -リフレッシュ・パーク-コミュニティ・ハブ
事業主体/福岡地所、九州電力、九電工、前田建設工業、俊設計、旭工務店、サン・ライフ
階    数/地下2階 ・地上18階
敷地面積/4,085.08 ㎡
延床面積/6万3,206 ㎡
着    工/2023年10月頃
完    成/2026年06月頃
備   考/福岡市役所北別館跡地とメディアモール天神(MMT)跡地、最高高さ88.20m

 

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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