たとえマニアではなくとも、「福岡といえばバス」と言われれば、ピンとこない方はいないように思います。まちを歩けばバスを見かけない日はなく、県外から来た人はその多さや路線の網羅性に驚くことしばしば。
フクリパでは、バスマニア沖浜さんによる連載『バス停から愛』を始めて1年が経ちました。そんな節目を記念して、今回なんと、福岡最大のバス会社 西日本鉄道さんからゲストをお招きし、それぞれの視点で福岡のバスの魅力を語っていただきました。オープントップバスの意外と知らない事実や、福岡のこれからの交通ネットワーク、バスを愛しすぎて〇〇を作ってしまった話まで、たっぷりとお届けします!
西日本鉄道株式会社 自動車事業本部 営業企画部 宮﨑泰さん(以下、宮﨑)
昨年開通した、福岡と山口・長門湯本温泉を繋ぐ高速バス路線「おとずれ号」や、市内を走る屋根のない2階建てバス「福岡オープントップバス」開業等に携わる。「にしてつバス(公式)」Twitterアカウントを立ち上げ、10年に渡って運営したという元・”中の人”の顔も。
バス路線探検家 沖浜貴彦さん (以下、沖浜)
フクリパの連載「バス停から愛」担当ライター。路線図に描かれた終点を想い、途中の狭い区間を苦心して走るバスに愛を注ぐ変態。ブログ「ほぼ西鉄バスの旅」を2008年に開設、日々愛を持ってバスを追いかけ続ける。本業はたまご屋さん。
聞き手 天野加奈
数年前に沖浜さんに導かれて以来、まちを歩けばバスが視界に入り目で追うようになってしまった。本連載を企画し嬉々として持ちかけた張本人。編集担当として、最初にバス愛原稿が読める悦びを毎度噛み締めている。
まずは知って欲しい。福岡のバス、西鉄バスの凄さ
※西鉄バスは1日に37.1万km、地球約10周分の距離を走行(2020年時)。保有車両台数はグループを合わせて約2,700台、年間利用客数は約2億7,000万人である
・参照:西鉄バスRECRUITING SITE【マンガでわかる!西鉄バス運転士】⑰
https://www.nishitetsubus-saiyo.jp/%E3%80%90%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%81%A7%E3%82%8F%E3%81%8B%E3%82%8B%EF%BC%81%E8%A5%BF%E9%89%84%E3%83%90%E3%82%B9%E9%81%8B%E8%BB%A2%E5%A3%AB%E3%80%91%E2%91%B0/
・参照:RECRUITING SITE2022 https://www.nishitetsu-recruit.jp/enterprise/jidosya
オープントップバスは市民をターゲットにしてつくられた
市内を走る「福岡オープントップバス」
市外にまで目を向けると、高速バスの佐世保線には思い入れがありますね。ふつう、高速バスは「他地域から福岡へ来るための足」としての需要が強いんです。以前佐世保線を担当していた時に、「福岡の人が他地域へ遊びに行くきっかけ」にもなればと考えて、佐世保のまちの方々と一緒にいろんな仕掛けを考えたんですよ。「佐世保に行こうキャンペーン」という企画を実施したんですが、佐世保バーガーが福岡に広まったのは、おそらくこのキャンペーンが最初のきっかけです。
おとずれ号特設サイトより。往復乗車券と、温泉街で使えるクーポン3枚がついたお得な「そぞろ歩きっぷ」は8,000円。車なしで、天神・博多から直行で行ける温泉地って貴重な気がします
今年注目すべくは”地下鉄七隈線延伸”?
今後さらに、福岡の交通ネットワークが変化していく
西鉄のお客さまの数はコロナ前の状態まで完全に戻っていないですし、以前から乗務員さんの不足も問題になっていて。「西鉄ができるだけネットワークを維持しよう」ということではなく、自分たちが本当にやらないといけないことが何なのかを考えて、他社とも役割分担しながらやっていく必要があると考えています。ですので、このタイミングでの七隈線延伸は、いろんなことを変えていく契機になると思いますね。
福岡市のバス停全部撮る
総勢20名以上の方が編纂委員として撮影等に携わり、完成間近の『福岡市バス停図録』。上り・下りのバス停もそれぞれカウントすると、福岡市内の西鉄バス停の数は1,000を優に超えたそう。218ページ フルカラーという、圧巻の一冊が出来上がろうとしています。
実は私もすこしだけ撮影をお手伝いしたのですが、「バス停名の”入口”の英語表記が”ENTRANCE”のところと、”IRIGUCHI”のところがあるぞ!?」など、身近なバス停の面白がり方を見つけられてとても新鮮でした。(完成次第、フクリパでもまたご紹介予定です!)
少しでもバスに興味が出てきたという方、ぜひ連載の過去記事も読んでみてください。いつもの福岡の景色が、ちょっと変わって見えてくるかもしれません。
* * *
今回のインタビューと撮影は、連載第1回の記事で触れた愛宕浜営業所にて行わせていただきました。所長さまをはじめとする皆さま、ご協力いただきありがとうございました。
バスの正面には、ニモカカードやSUNQパスなどの様々なシールが。貼られている場所の違い探しでも遊べます。バスを愛せば、福岡の何気ない景色の情報量と楽しさがグンと上がるのだ!
連載第1回で触れた○愛マーク。営業所の所属を表していますが、こうやって見るととってもラブリー
だんだんと寒さも和らいで、外出がしやすくなってきました。足元の市内はもちろん、長門や佐世保など遠方へのお出かけを楽しむのも、西鉄さんがきっとお手伝いしてくれますよ。
・福岡オープントップバス10周年特設サイト
https://fukuokaopentopbus.jp/10th-anniversary/
・長門湯本温泉への直行高速バス「おとずれ号」特設サイト
https://nishitetsu.yumotoonsen.com/
・高速バス情報
https://www.nishitetsu.jp/bus/highwaybus/
(撮影:ヤマモトハンナ)
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