人がいなくても、ちゃんと温かい。福岡・薬院の元学生寮が生まれ変わったスマートホテル「YADO/Re 薬院」

フクリパ編集部

薬院の街に、新しいスマートホテル「YADO/Re 薬院」がオープンしました。運営するのは、当Webメディア「フクリパ」を運営する株式会社えんメディアネットです。2024年から展開している宿泊事業「ヤドリパ」の一つとして誕生した、全90室の都市滞在型ホテルです。「省人化ホテル」と聞いて、まず気になるのは「迷わず快適に過ごせるのか?」ということではないでしょうか。今回はヤドリパ事業部のディレクター・﨑元敬太さんの案内のもと、チェックインからチェックアウトまでの流れを時系列でたどりながら館内を見学し、これから宿泊を検討する方が気になるであろうポイントをレポートします。

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元学生寮を引き継ぎ、街とつながる滞在拠点へ

元学生寮を引き継ぎ、街とつながる滞在拠点へ

「SMART & GREEN」をコンセプトに、セルフチェックインやスマートロックといったテクノロジーによる快適さと、植栽やアートによる心地よい空間を融合した「YADO/Re 薬院」。

福岡・薬院を拠点とする企業やクリエイターによるプロダクトやアートを館内に取り入れながら、ホテルを拠点に街の日常を楽しむ「アーバンツーリズム」を提案しています。

 

「YADO/Re 薬院」がある建物は、20年以上にわたって予備校の学生寮として使われてきたという歴史を持ちます。その役割を終えた建物を引き継ぎ、リノベーションを行うことで、新たな滞在拠点としての価値を吹き込んでいます。

 

「元々はワンルームタイプの部屋がずらりと並ぶ学生寮でした」と﨑元さん。

この間取りをホテルへと転換するにあたり、2階から7階のスタンダードタイプの客室はその間取りをそのままのベースに構成し、8階から10階の上層階では2〜3部屋をつなげることで広さのある客室として再構成したそうです。

1階に併設されたカフェスペースも、元々は食堂だった場所。今では緑と光がふんだんに差し込む空間に生まれ変わっています。

 

館内の植栽計画を手がけたのは、世界的庭園デザイナー・石原和幸氏です。英国チェルシーフラワーショーで13個のゴールドメダルを獲得し、2025年には史上初の三冠を達成した人物です。

エントランスやカフェの中庭、客室のバルコニーなど、館内の随所にグリーンが配置されています。

元学生寮を引き継ぎ、街とつながる滞在拠点へ
「Cafe & Dining Reen(リーン)」の中庭や窓から見える景色にも鮮やかなグリーンが広がっています。

館内には、福岡・薬院を拠点とする企業やクリエイターのプロダクトやアートが息づいています。

カフェの一皿、客室のキッチンアイテム、共有部のアート、そして建物を包む植栽。そのひとつひとつが、この街で愛されてきた店や人との出会いの入口になっている。それが、「YADO/Re 薬院」が提案する「アーバンツーリズム」のかたちです。

 

「ホスピタリティは、どうしても良くも悪くも“人”に帰属してしまう」と﨑元さん。

例えば「近くの美味しいラーメン屋はどこですか」とスタッフに尋ねたとき、答えの質や熱量には、スタッフごとにどうしてもばらつきが出てしまうもの。

「YADO/Re 薬院」では、AIチャットシステムを活用し、あらかじめ質問と回答を登録しておくことで、どのゲストにも均一で質の高い案内を届けることを目指しているといいます。

元学生寮を引き継ぎ、街とつながる滞在拠点へ
ヤドリパ事業部のディレクター・﨑元敬太さん。「無機質な体験というよりは、技術を駆使しながらも、温かみのある接客をお客様に感じていただきたい」。その言葉を胸に、実際の滞在の流れを見学していきます。

それではさっそく館内に入ってみましょう!

 

STEP 1 エントランス到着。空気が変わる、最初の一歩

STEP 1 エントランス到着。空気が変わる、最初の一歩

ホテルに到着し、エントランスに足を踏み入れた瞬間、ふわりとアロマの香りに包まれます。街の喧騒から一歩切り離された館内に「ここから別の空間なんだ」と、体感する瞬間でした。

STEP 1 エントランス到着。空気が変わる、最初の一歩

エントランスや共有部には、大楠エリアにあるフラワー&グリーンショップ「Blumo」がコーディネートした、植物や花器によるパブリックスペースアートが配置されています。

自然物と人工物が調和したその佇まいが訪れる人を優しく迎えます。受付には柔らかな光を灯した象徴的な照明もあり、ロビー全体に落ち着いた雰囲気が漂っていました。

 

STEP 2 チェックイン。タブレット1台で完結する、シンプルさ

いよいよチェックインです。省人化ホテルと聞いて身構えていましたが、実際の手順は驚くほどシンプル。

 

予約が完了すると、登録したメールアドレスにチェックイン用のコードとQRコードが届きます。

当日はロビーに設置されたタブレット端末の画面で、まず「チェックイン」か「チェックアウト」かを選択します。

その後、届いたQRコードをカメラにかざすか、コードを直接入力するだけ。簡単な利用規約への同意を経て、あっという間に手続きが完了しました。

完了と同時に、登録したメールアドレスに部屋番号と鍵情報が届く仕組みです。

STEP 2 チェックイン。タブレット1台で完結する、シンプルさ
実際にチェックインをしてみると、最近のセルフレジやセルフオーダーに慣れた世代なら、スタッフが不在でも気にならない操作感でした。

機械の操作に不安がある方への配慮もされています。チェックインカウンターの横にはレセプションデスクが設けられており、チェックイン・チェックアウトのコアタイムにはスタッフが常駐しているそうです。

また荷物が多い場合は、1階に設置されたロッカーを利用可能。状況に応じてスタッフが対応してくれます。

 

もしものときは?省人化ホテルの気になる緊急時の対応

チェックインを終えて気になったのが、無人・省人運営における緊急時の対応です。

﨑元さんに伺うと、常時1〜3名のスタッフが館内に在籍しており、1階のカフェスタッフとの連携体制が整っているとのこと。さらに、連絡を受けてすぐに駆けつけられる距離に管理事務所があります。

「カフェスタッフとの連携や清掃会社との連携、近くの管理事務所があるため、有事にはしっかり対応できる」とのことでした。

またフロントにあるコールベルを押すとスタッフが対応してくれるので、何かあっても安心です。

 

STEP 3 客室へ。カードキーを持たない、身軽な扉の先

STEP 3 客室へ。カードキーを持たない、身軽な扉の先チェックインを終えたら、客室へ向かいます。ドアの解錠もスマートキー方式。チェックイン時に発番された番号やQRコードをかざすだけで解錠でき、カードキーを持ち歩く必要がないのは、想像以上に身軽な感覚でした。

 

客室は全90室、8タイプ。広さは約20〜63平米、定員は1〜6名までと幅広く、一人旅からグループ旅行まで対応できるラインナップになっています。

STEP 3 客室へ。カードキーを持たない、身軽な扉の先
8タイプの部屋が多様な旅のかたちに応えます。

今回案内していただいたのは、8階以上に用意されているデラックスツインタイプの客室。学生寮時代は1部屋あたり約20平米のワンルームだった部屋を2つつなげた、40平米ほどの広々とした空間です。

STEP 3 客室へ。カードキーを持たない、身軽な扉の先

扉を開けるとグリーンやブラウンを基調とした重厚感のある落ち着いた空間が広がります。

室内の角ばった部分にはあえて丸みのあるアール加工が施されており、無機質になりがちな元ワンルームの間取りに柔らかい印象を与えていました。近未来的でありながらどこか優しい雰囲気の、「YADO/Re 薬院」らしい空間に。

カーテンを開けてみると、光がたっぷりと差し込み、一気に印象が変わって驚きました。

STEP 3 客室へ。カードキーを持たない、身軽な扉の先

部屋のなかで目を引くのは、85インチの大画面テレビ。ベッドに寝転んでもソファに座ってもよく見え、映画を見たら没入感がありそうな迫力でした。

ソファも座り心地が良く、コーヒーブレイクにちょっと腰掛けるにも、テレビを見ながら過ごすにもちょうど良く居心地のいい空間でした。

STEP 3 客室へ。カードキーを持たない、身軽な扉の先

寝具の掛け布団には、羽毛を大切な資源と考え、再生利用可能な羽毛布団を回収・洗浄し、再び新しい製品に蘇らせた「ミライクルダウン」を採用。実際に触れてみると、ふわふわとした肌触りでした。

マットレスは全室シモンズ製を採用しています。

 

客室設備・アメニティ。「置かない」ことで見えてくる、選ぶ楽しさ

客室設備・アメニティ。「置かない」ことで見えてくる、選ぶ楽しさ

客室に備え付けられたシャンプー・コンディショナー・ボディソープは、ビーガン認証を取得したブランドを採用。ボトルのデザインも洗練されており、香りも印象的で、空間全体との調和が取れていました。

客室設備・アメニティ。「置かない」ことで見えてくる、選ぶ楽しさ

1階に設置されたアメニティコーナーで、ボディタオルやコットン、ゴムなど必要な分だけ選びます。

客室設備・アメニティ。「置かない」ことで見えてくる、選ぶ楽しさ 客室設備・アメニティ。「置かない」ことで見えてくる、選ぶ楽しさ

浄水機能付きの給水設備やバスタブは8階以上の客室のみに設置されており、他の階はシャワーのみとシンプルな浴室になっています。

8階以上は洗濯機も完備。長期滞在にも対応できる環境が整っています。

客室設備・アメニティ。「置かない」ことで見えてくる、選ぶ楽しさ 客室設備・アメニティ。「置かない」ことで見えてくる、選ぶ楽しさ

キッチン付きの「バンクルーム」(最大6名まで宿泊可能)には、薬院のライフスタイルショップ「B・B・B POTTERS」がセレクトしたキッチンアイテムを採用。全室共通のマグカップも同ブランドとのコラボレーションです。

 

客室の壁を飾るアートも見どころのひとつです。全90室すべてにそれぞれ異なるオリジナルアートワークを飾る「YADO/Re 薬院」独自のプロジェクト「Urban Green Archive」が採用されています。

客室設備・アメニティ。「置かない」ことで見えてくる、選ぶ楽しさ

この「Urban Green Archive」は、都市の中にひっそりと息づく野草を採取し、その場所の座標とともに記録するアートプロジェクトです。

コンクリートやガラスに囲まれた環境で自生する野草を、都市のもうひとつのレイヤーとして捉え、押し草標本として残すことで、都市の時間と生命の痕跡を静かに可視化。

福岡の街を歩き見つけた野草を採取地とともに記録することでひとつのアートワークに仕立てています。

客室設備・アメニティ。「置かない」ことで見えてくる、選ぶ楽しさ

今回見学した部屋では、福岡・中洲の風景をモチーフにした一枚に出会いました。観光名所だけではない、福岡のもうひとつの風景に誘ってくれる仕掛けだと感じました。

 

STEP 4 朝食。光の差し込む「Cafe & Dining Reen」で、もちもちのパンケーキを

STEP 4 朝食。光の差し込む「Cafe & Dining Reen」で、もちもちのパンケーキを

朝食は1階のカフェ「Cafe & Dining Reen(リーン)」へ。

福岡のクリエイター・りかごはん氏がメニュー監修を手がけるこのカフェは、「All Day Morning.〜朝の幸せを、いつでも。〜」がコンセプト。営業時間は朝7時から夜23時までと長く、朝食メニューを一日中楽しめるのが特徴です。

 

店名「Reen」は、「REGREEN(再生)」の「RE」と、自然や新鮮さを連想させる「LEAN」の響きを掛け合わせた造語。「自然に立ち返り、また前へ進む力を満たすカフェ」というブランドストーリーが込められています。

STEP 4 朝食。光の差し込む「Cafe & Dining Reen」で、もちもちのパンケーキを大きな窓から自然光がたっぷりと差し込み、緑も目に入る開放的な雰囲気。元々は学生寮の学食だったとは思えないほど、心地よく朝を迎えられる空間でした。

自然光の入り方が美しく、写真映えする点も、旅の思い出づくりには嬉しいポイントです。

STEP 4 朝食。光の差し込む「Cafe & Dining Reen」で、もちもちのパンケーキを朝食は「ベーコンエッグパンケーキ」と「Reenカレー」、「アイスクリームパンケーキ」の3種類から選べます。すべてのメニューにサラダとドリンクがついていて、どちらもおかわり自由です。

STEP 4 朝食。光の差し込む「Cafe & Dining Reen」で、もちもちのパンケーキを
「Cafe & Dining Reen(リーン)」のメニュー監修を手がけた、りかごはんさん

今回はりかごはんさんイチオシのベーコンエッグパンケーキとReenカレーをセレクト。

STEP 4 朝食。光の差し込む「Cafe & Dining Reen」で、もちもちのパンケーキをベーコンエッグパンケーキは、米粉と白玉粉を使い、もちもちとした食感に仕上げられています。

添えられたホイップは、甘くなりがちなパンケーキの印象とは裏腹に、あえてしょっぱめに仕立てられていて、塩気のアクセントがクセになるおいしさでした。

STEP 4 朝食。光の差し込む「Cafe & Dining Reen」で、もちもちのパンケーキを

スープには季節替わりのかぼちゃのポタージュが付き、トリュフオイルが香る大人な仕立てになっています。

STEP 4 朝食。光の差し込む「Cafe & Dining Reen」で、もちもちのパンケーキを

Reenカレーは、お子様でも食べられるほど優しい味わい。家庭的な洋風カレーに近い味付けで、朝のおなかにちょうど良い辛さでした。

仕上げにかけられた「カスリメティ」というスパイスが、ふわりと本格的な香りを添えています。

STEP 4 朝食。光の差し込む「Cafe & Dining Reen」で、もちもちのパンケーキを

カウンターに設置されたサラダバーには、旬の福岡県産の野菜がずらりと並びます。

連泊者やお子様向けにメニューが複数用意されている点も、長期滞在を意識した心遣いだと感じました。

 

>>【あわせて読む】薬院に朝ごはんを食べに行こう。米粉のもっちりパンケーキと朝カレーの「Cafe & Dining Reen(リーン)」

 

STEP 5 チェックアウト

客室での滞在を終えたら、最後はチェックアウトです。チェックインと同じく、ロビーのタブレット端末で「チェックアウト」を選択します。

QRコードなどで予約を検索し、表示された予約情報に間違いがなければ、あとはタブレットの案内に沿って進めるだけ。チェックインと同様、迷うことなく手続きを終えることができました。

 

ここで一点、注意しておきたいポイントがあります。

チェックアウトの際に必要になるのは、チェックイン時に使用した「チェックインコード」または「チェックインQRコード」です。チェックイン後に発行される「開錠コード」や「開錠QRコード」とは別物なので、間違えないように注意してください。

チェックイン時に届いたメールは、滞在中も手元に残しておくと安心です。

 

通常のチェックアウト時間は11:00です。アーリーチェックインとレイトチェックアウトのいずれにも対応していますが、清掃状況によっては受け入れができないこともあるそうなので、予定がある場合は事前に確認しておくことをおすすめします。

STEP 5 チェックアウト

 

無人ではなく、「必要なときに人がいる」ホテル

チェックインからここまでの流れを実際に体験して感じたのは、「省人化」という言葉から受ける無機質なイメージとは裏腹に、随所に人の手が入った温かみのある空間だったということです。

 

チェックインの手続きに不安を感じる場面はなく、機械操作に慣れている方であれば戸惑うことはないでしょう。かといって、困ったときにはレセプションデスクにスタッフがいる安心感もあります。

 

一人旅、カップル、ファミリー、友人同士のグループ旅行まで、様々な部屋タイプが用意されているのも懐が深いところ。薬院という立地の良さも相まって、ホテルの中だけでなく、街に出て過ごす時間も含めて滞在を楽しめそうです。

 

これから福岡への旅を検討している方にもぜひ「YADO/Re 薬院」で快適な1泊を過ごしてみてください。

 

 

Information
YADO/Re 薬院
住所
福岡市中央区白金1-1-28
アクセス
福岡市地下鉄七隈線/西鉄天神大牟田線薬院駅から徒歩4分
HP
https://yadoreyakuin.en-mn.jp/

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