福岡市における観光客の現状について
写真提供:福岡県観光連盟
独自の食文化や歴史ある祭りなど、文化的魅力を持っている福岡県。
福岡空港は市街地に近く、利便性が高いほか、博多港は国際フェリーの発着地として機能しており、特にアジア諸国からのアクセスが非常に良いことで知られています。
そのため、九州地方で最も多くの外国人観光客が訪れています。
中でも福岡県の中心地・福岡市はコロナ禍以降、インバウンドを中心に、観光客の姿が再び目立つようになりました。
2023年に福岡市を訪れた外国人の人数は、279.5万人と、前年に比べて約7倍に。
これはコロナ禍前の水準に近づいていることを示しています。
特に韓国や中国からの観光客が多く、福岡の地理的な利便性がその要因とされています。
コロナ禍以降、福岡市は「観光立国」を目指す取り組みをさらに強化。
現在もその計画は進行中で、これにより、今後さらなる観光客の誘致が進むことが予想されています。
世界から見た観光都市「福岡」の現状
旅客数ランキング4位!過去最高の旅客数となった福岡空港
WHOが2020年3月、パンデミックと認識した新型コロナウイルス感染症は、感染者6億人以上、死者640万人超といわれており、世界の航空業界においても大きな傷跡を残していました。
国土交通省『航空輸送統計年報』によると、2020年度の国内定期航空輸送実績は、国内定期航空輸送の旅客数で対前年度比66.9%減の3,377万人だったとのこと。
一方、日本国内の航空運送事業者による国際航空輸送実績は、同96.2%減 の81万人まで落ち込んでいました。
その後、コロナ禍の減少と共に国内線・国際線における航空旅客需要は、コロナ禍前の水準までほぼ回復しています。
出所:未来へ羽ばたく神戸空港『【最新】2023年度・令和5年度 日本の空港旅客数ランキング!』
Webサイト『未来へ羽ばたく神戸空港』は2024年5月8日、東京航空局・大阪航空局『管内空港の利用概況集計表』に基づいての『【最新】2023年度・令和5年度 日本の空港旅客数ランキング』を発表。
国内線と国際線を合算した2023年度の旅客数での第1位は、8,086万人の東京国際(羽田)空港という結果に。
続く第2位は3,381万人の成田国際空港、第3位は2,580万人の関西国際空港、第4位は2,494万人の福岡空港でした。
今回、第4位にランクインした福岡空港の2023年度の国内線・国際線旅客数2,494万人は、コロナ禍前の2018年度の2,485万人を上回り、過去最高値を記録しています。
『2024年世界の観光都市ランキング』で福岡市は世界第64位の観光都市
出所:ユーロモニターインターナショナル『2024年トップ100都市デスティネーション・インデックス』(『Top 100 City Destinations Index 2024』)
こちらは、英国の市場調査会社・ユーロモニターインターナショナルによって2024年12月5日に発表された『2024年トップ100都市デスティネーション・インデックス』(『Top 100 City Destinations Index 2024』)の結果です。
日本からは、東京、大阪、京都、福岡、札幌がランクイン!
2024年ランキングで第64位にランクインした福岡は、前年よりも順位を4つ落としたものの、国内都市では札幌を抜き去って国内都市で4番目となる順位に浮上しています。
『海外旅行での都市目的地トップ100』に東京、大阪、京都、札幌、福岡がランクイン
出典:ユーロモニター・インターナショナルた年次報告書『Top 100 City Destinations Index 2023』
国際市場調査会社であるユーロモニター・インターナショナル(イギリス)が2023年12月13日に発表した年次報告書『Top 100 City Destinations Index 2023』。
日本国内からは5都市がランクイン。
今回初めてトップ10入りした東京については、「新型コロナウイルス感染症関連の規制緩和に加え、2022年以降継続する円安により、非常に低価格で消費者体験を楽しむために観光客が市内に集まり、ホテルの稼働率が増加した」とされています。
このような傾向は、福岡をはじめランクインした日本の都市において共通したものとなっています。
外国人観光客の状況は?
外国人宿泊者数でのトップ5は東京都、大阪府、京都府、北海道、福岡県【観光庁調べ2023年】
出所:観光庁『観光統計』宿泊旅行統計調査(2023年・年間値:速報値)
観光庁は2024年2月29日、『観光統計』宿泊旅行統計調査(2023年・年間値:速報値)を発表しました。
同統計によると、延べ宿泊者数(全体)は5億9,275万人泊で(2019年比-0.5%:前年比+31.6%)。
このうち、日本人延べ宿泊者数は4億7,842万人泊(2019年比-0.4%:前年比+10.2%)、外国人延べ宿泊者数は1億1,434万人泊(2019年比-1.1%:前年比+592.8%)となっています。
前年比で大幅増だった日本全国の外国人延べ宿泊者数は、2019年比で1.1%減となっており、コロナ禍前の水準までほぼ回復していることがわかります。
福岡県は『外国人観光客におすすめ人気都道府県ランキング』で全国第6位
地域観光や地方旅館のマーケティング支援を手掛けるWebメディア『Hinotori』(東京都渋谷区、大﨑庸平代表)は2024年10月10日、『外国人観光客におすすめ人気都道府県ランキング』を発表。
同ランキングによると、トップは東京都、第2位に京都府、第3位には大阪府が入り、トップ3はゴールデンルート上の1都2府となっています。
福岡県は、第4位の北海道、第5位の沖縄県に続く第6位にランクイン。
出所:Hinotori『外国人観光客におすすめ人気都道府県ランキング』
Hinotoriでは、福岡県について、「食文化が豊富でアクセスが良い」と紹介していました。
その上で「博多ラーメンやもつ鍋、明太子など、地元のグルメは多彩で、訪れる外国人観光客を魅了しています。
特に、博多の屋台文化は独特で、地元の人々と触れ合いながら食事を楽しむことができる貴重な体験です」とコメント。
国内旅行先では北海道と福岡が2強!
冬の国内旅行先検索、第1位は札幌、第2位は博多・福岡
出所:トラベルコ『人気国内旅行先ランキング』(2024年冬編)
国内外1,500余りの予約サイトが取り扱う旅行商品の比較サイト『トラベルコ』は2024年11月20日、『人気国内旅行先ランキング』(2024年冬編)を発表。
シーズン毎に検索の多かった旅行先を集計する人気国内旅行先ランキング(2024年冬編)において、第1位は『札幌』(北海道)、続く第2位は『博多・福岡』(福岡)という結果でした。
『札幌』(北海道)、『博多・福岡』(福岡)は国内旅行先検索で人気二強!?
出所:トラベルコ 『国内旅行先ランキング:冬編』
国内外1,500以上の予約サイトが取り扱う旅行商品の比較サイト『トラベルコ』がまとめた『人気国内旅行先ランキング(冬編)』によると、『博多・福岡』(福岡)は『札幌』(北海道)に次ぐ第2位という結果でした。
博多・福岡』(福岡)について、旅行比較サイト『トラベルコ』では、「博多ラーメンやもつ鍋、水炊きなど、寒い冬にぴったりなご当地グルメがめじろ押し」と評価。
中でも屋台に注目して、「昔ながらの屋台やB級グルメを取り扱う屋台など、バラエティ豊かなお店がそろっている」とコメントしています。
海の中道海浜公園、マリンワールドが九州・沖縄レジャー施設の入場者数で2位、3位にランクイン
経営情報誌や各種年鑑・経営資料集の出版などを手掛ける綜合ユニコム株式会社は、2024年11月1日に発刊した『月刊レジャー産業資料』2024年11月号で特集『主要レジャー・集客施設[エリア別]2023年度入込みデータ』を掲載。
出典:綜合ユニコム株式会社『月刊レジャー産業資料』
同特集で発表した【独自調査】全国主要レジャー・集客施設のエリア別入場者数データによると、九州・沖縄エリアでの第1位は、前年度比136.6%の295万6,092人だった沖縄美ら海水族館(沖縄県)。
続く第2位は同108.3%の119万1,028人の国営海の中道海浜公園。
さらに第3位は同122.7%となる109万6,060人のマリンワールド海の中道と、福岡市内の2施設がベスト5にランクインするという結果になりました。
このようにデータから見ても、観光地としての注目度が高まっていることがわかります。
現在、福岡市では、天神ビッグバンをはじめとする多くのプロジェクトが進行中で、都市の風景が日々変化しています。
新しいビルや商業施設が次々と建設されることも、福岡の魅力ひとつになっているのかもしれませんね。