福岡が世界38位にランクイン!森記念財団、初の『スタートアップ分野別ランキング』を公開

近藤 益弘

福岡市のスタートアップ都市としての評価は、どのようなものでしょうか。『世界の都市総合力ランキング2025-スタートアップ・エコシステム』をみていきましょう。

スタートアップ分野別ランキングで東京9位、大阪35位、福岡38位

【スタートアップ分野別ランキング】
第1位:シリコンバレー(世界都市総合力ランキング第20位/サンフランシスコ)、第2位:ニューヨーク(同第3位)、第3位:ロンドン(同第1位)、第4位:ボストン(同第27位)、第5位:パリ(同第4位)……、第9位:東京(同第2位)……、第35位:大阪(同第18位)……、第38位:福岡(同第40位)……。
ディベロッパー大手・森ビル系のシンクタンクである一般財団法人森記念財団都市戦略研究所(竹中平蔵所長)は2025年12月17日、『スタートアップ分野別ランキング』を発表した。
同日に発表された『世界の都市総合力ランキング』とあわせて公開された『スタートアップ分野別ランキング』は、森記念財団都市戦略研究所にとって、スタートアップ分野に特化した初のランキング調査となる。

 

スタートアップ分野別ランキング

出所:森記念財団都市戦略研究所『世界の都市総合力ランキング2025-スタートアップ・エコシステム』

 

『スタートアップ分野別ランキング』のトップは、対象都市を例外的に定義変更して、サンフランシスコに周辺のサンマテオ郡、サンタクララ郡、アラメダ郡の3郡を加えた広域な都市圏“シリコンバレー”だった。
なお、従来の評価対象である単体都市としてのサンフランシスコの場合でも第2位のニューヨークを僅差でかわしての第1位となっている。

 

『スタートアップ分野別ランキング』において日本国内の都市は、第9位に東京(スタートアップ分野別スコア149.5)、第35位に大阪(同89.9)、第38位に福岡(同78.7)がランクインした。

 

 

『スタートアップ分野別ランキング』においては、スタートアップ分野の力を評価する要素として、下記の5指標グループ21指標を採用している。

 

◎起業人材・教育環境(4指標)
スタートアップへの就職市場
トップ大学の起業家輩出数
世界トップ大学
社会の自由度・平等さ

 

 

◎起業促進環境(5指標)
アクセラレーター・インキュベーター数
賃金水準の高さ
ワークプレイス充実度
物価水準の低さ
ICT環境の充実度

 

 

◎起業ダイナミズム(3指標)
アーリーステージの調達規模
シード・アーリーステージの投資主体数
スタートアップ数

 

 

◎スケールアップ環境(5指標)
スケールアップ人材の転職市場
スタートアップイベント数
技術・知識の多層性
経済自由度
世界トップ500企業

 

 

◎スケールアップ・ダイナミズム(4指標)
ミドル&レイターステージの調達規模
ミドル&レイターステージの投資主体数
イグジットの規模
ユニコーン輩出数

 

初のスタートアップ分野別ランキングで福岡は世界38位にランクイン

出典:森記念財団都市戦略研究所『世界の都市総合力ランキング2025-スタートアップ・エコシステム』

 

 

福岡は起業促進環境、スケールアップ環境で比較的秀でる

森記念財団都市戦略研究所が発表した『世界の都市総合力ランキング』は、6分野(経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセス)で都市の総合力を評価してランキング化している。
『世界の都市総合力ランキング』においては、東京は第2位(スコア1,535.1)、大阪は第18位(同1,103.1)、福岡は第40位(同913.7)だった。

 

 

一方、スタートアップ分野では、起業人材・教育環境、起業促進環境、起業ダイナミズム、スケールアップ環境、スケールアップ・ダイナミズムの5指標グループで評価し、ランキング化している。
スタートアップ分野の5指標グループにおける東京、大阪、福岡の日本国内3都市の順位およびスコアは、下記の通りだ。

 

 

◎起業人材・教育環境
第27位:東京(スコア24.2)
第31位:大阪(同21.1)
第38位:福岡(同14.8)

 

 

◎起業促進環境
第21位:東京(同41.9)
第34位:大阪(同35.0)
第35位:福岡(同34.0)

 

 

◎起業ダイナミズム
第4位:東京(同27.7)
第42位:大阪(同0.9)
第48位:福岡(同0.6)

 

 

◎スケールアップ環境
第10位:東京(同40.1)
第25位:大阪(同32.3)
第30位:福岡(同29.2)

 

 

◎スケールアップ・ダイナミズム
第6位:東京(同15.7)
第43位:大阪(同0.6)
第48位:福岡(同0.1)

 

 

スタートアップ分野全体で第38位だった福岡は、起業促進環境で第35位、スケールアップ環境で第30位と比較的秀でていたものの、起業人材・教育環境については同じく第38位だった。一方、起業ダイナミズム、スケールアップ・ダイナミズムにおいては、最下位の第48位に沈んだ。
森記念財団都市戦略研究所では、『スタートアップ分野別ランキング』について、「国際的な都市間競争が激化する中、スタートアップの創出およびグローバル市場に向けた展開が重要性を増しており、都市には、それを支援する様々な人材・情報・資金等が相互作用する『スタートアップ・エコシステム』の形成が必要不可欠である」とする。

 

初のスタートアップ分野別ランキングで福岡は世界38位にランクイン

出典:森記念財団都市戦略研究所『世界の都市総合力ランキング2025-スタートアップ・エコシステム』

 

福岡市は2012年、他都市に先駆けて『スタートアップ都市ふくおか』を宣言した。
そして2014年、起業相談の一元窓口として『スタートアップカフェ』を開設。
同年には、国家戦略特区『グローバル創業・雇用創出特区』にも指定された。

 

2017年、官民共働型のスタートアップ支援拠点として、『Fukuoka Growth Next(FGN)』を設立。
さらに2020年、内閣府『世界と伍するスタートアップ・エコシステム拠点都市形成戦略』において、福岡市の産学官民組織である『福岡スタートアップ・コンソーシアム』が選ばれ、2024年には『グローバル拠点都市』に選定されている。

 

福岡市におけるスタートアップの取り組みは、今後も引き続き注目を集めていくものと考えられる。

 

 

参照サイト

森記念財団都市戦略研究所『世界の都市総合力ランキング2025-スタートアップ・エコシステム』
https://www.mori-m-foundation.or.jp/ius/gpci-startup/index.shtml

 

 

『世界の都市総合力ランキング–スタートアップ・エコシステム2025年12月』
https://www.mori-m-foundation.or.jp/pdf/GPCI2025_Startup_Ecosystems_summary.pdf

 

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