フリー乗車券
福岡市内を走る西鉄バスには、「マイルート」というアプリで買えるフリー乗車券が、2種類あります。
ひとつは24時間フリーで、もうひとつが6時間フリーです。どちらも決まった時間、エリアが乗り放題です。
乗り放題といわれると私は、「なるべくたくさん乗りたい」という感情を抱きます。本来バスは移動の手段であって、どこかに行く費用を節約できればそれでよさそうですが、バスマニアとしては「6時間で、どれだけたくさん乗車ができるのか?」興味が湧きます。
ということで、次回が連載50回目となるのを記念して、検証してみます。
遠いところまで乗る場合
まず思いつくのは、都心から遠いところまで行くという方法。
福岡市の中心である天神地区からバスに乗って北東に向かうと、直通でいちばん遠いのは「志賀島小学校」バス停です。運賃は600円、所要時間は60分あまり。6時間フリー乗車券は600円ですので、片道乗れば元は取れます。
しかし、志賀島方面に向かう途中にある和白までなら、天神から都市高速経由で30分以内なのに、運賃は530円です。もし、すぐに和白から天神に戻るバスに乗り継げれば、同じ60分で往復、530円×2で1,060円分の利用ができます。
都心から西のほうに向かうのであれば、伊都の九州大学エリアまでの路線があります。
こちらも都市高速を経由するので、所要時間のわりに運賃が高額になることが期待できます。普段ならば、バス運賃はなるべく安いに越したことはないのですが、今回の挑戦では、運賃の高い路線が貴重です。
天神から九大の手前である「産学連携センター」バス停までは、最速30分あまりで630円。
時間当たり運賃は和白と遜色ないのでしょうが、通学バスなので1時間に1~2本しか運行がなく、すぐに乗り継げるとは限りません。6時間バスに乗り続けるためには、本数の多い区間を選ぶことが求められます。
近場を攻める場合
ならば遠いところに行かず、敢えて本数の多い短距離区間を狙うことも検討できます。
都心部の初乗りは、天神と博多の近くならば150円、その周辺は190円です。前述した「和白まで30分で530円」を基準にすると、30分で3回190円区間に乗れば570円となり、運賃で上回ります。
そして190円区間で本数の多い場所を考えると、東部からやってきた都心向けのバスが、車庫のある西公園まで直通で走る法務局前~大濠公園が有力区間です。
この区間、隣のバス停まで乗っても190円です。移動という観点からは無駄な話ですが、各バス停で乗降して次のバスに乗り継ぐと、10分に1回以上の乗車は容易であるように見えます。
しかも、都心~郊外の往復では、折り返すために道の反対側のバス停に移動する必要がありますが、次のバスに乗るのであれば、そのままのバス停で待機することが可能です。この移動時間の節約も、6時間では大きな効果があるかもしれません。
1バス停区間での乗降を繰り返すと、運転士さんのお仕事を増やすのは間違いないのですが、連載50回記念としてご容赦いただくとして、次回実践記録をお送りします。
基本情報
バス停名:法務局前(ほうむきょくまえ)
・住所:〒810-0042 福岡県福岡市中央区赤坂1丁目14[map]
・天神からの行き方一例:
「天神三丁目(15:西向き) (大濠公園・西新方面)」から普通22番 大濠公園ゆき に乗車。約3分、150円