福岡市と同規模の政令指定都市(札仙広福)と比較した賃料の伸び
札仙広福は、日本の地方中枢都市である北海道札幌市、宮城県仙台市、広島県広島市、福岡県福岡市の頭文字をとって組み合わせたもので、4市いずれも、政令指定都市となっています。
「LIFULL HOME’S」を運営する株式会社LIFULLが、賃料動向を調査した結果、特に福岡市のシングル向き賃貸物件・ファミリー向き賃貸物件の平均賃料が今年に入って大きく上昇しているというのです。
それでは、実際にデータを見ていくことにしましょう。
記事内の画像は全て https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000737.000033058.html から引用
こちらのグラフは、シングル向き賃貸物件の平均賃料の推移です。
グラフに出てくる掲載家賃とは、広告に掲載された実際の家賃のこと。また、反響家賃とは、お部屋探しをしていた方が物件を見つけて、実際に問い合わせるなどアクションを起こした物件の家賃のことです。
この記事では、掲載家賃について見ていきます。
水色の線が福岡市で、2024年4月から10月にかけて、緩やかに下降していた賃料ですが、2024年11月に入ると一転します。
以降、2025年8月までググっと、緩急はあるものの右肩上がりで推移し、66,759円まで高騰。次点の仙台市の賃料に1万円以上の差をつけています。
仙台市(緑)、広島市(オレンジ)は、ほぼ横ばいという結果に。
札幌市も2025年3月以降、緩やかに上昇の一途をたどっているようですが他都市と比べ、賃料は安くなっています。
シングル向きが高騰しているのであれば、福岡市のファミリー向き賃貸物件はどのようになっているのでしょうか。
こちらが札仙広福のファミリー向き賃貸物件の平均賃料の推移です。
ファミリー向き物件も2024年10月以降、下降している箇所もありますが、トータルで見るとやはり劇的な賃料上昇を果たしているのが分かります。
ファミリー向きに関しては、4市のなかで最安値をマークしていた札幌市の賃貸物件の賃料が2024年5月に広島市を抜いて3番手に。
2番手の仙台市も含めて3都市の平均賃料が拮抗している中、福岡市の賃料だけが大幅に上昇しているという結果に。
福岡市のファミリー向き賃貸物件の平均賃料は、131,837円となっています。
シングル・ファミリー向きともに高騰している福岡市の賃貸物件ですが、東京や大阪、愛知と比べると、どうなのでしょうか。
東京と大阪と愛知の賃料相場を比べてみると…福岡市は2番手に!
東京都(23区内)のシングル向き賃貸物件の平均賃料は、108,706~148,735円。大阪府は66,150円、名古屋市のある愛知県は57,521円となっています。
県と市の比較となりますので純粋な比較とはいえませんが、東京都には遠く及ばず、意外にも大阪府や愛知県を上回る結果となりました。
東京都(23区内)のファミリー向き賃貸物件の平均賃料は、212,375~326,530円。大阪府は92,975円、名古屋市のある愛知県は78,552円となっており、こちらも東京都には及びませんでしたが、大阪府や愛知県を大きく上回る結果となりました。
たしかに福岡市の物件賃料は高騰しているが…
ちなみに首都圏の平均賃料は、シングル向きが85,772円、ファミリー向きが141,033円となっています。
首都圏と比べると、福岡市の平均賃料が高騰しているとはいえ、まだまだ福岡市は住みやすい街といえそうです!
そもそもなんで?福岡市の賃料が上昇している理由とは?
福岡市の物件の賃料の値上がりについて、物価や地価の高騰も一因といえますが、長い年月をかけて福岡市各所が変化を遂げてきたことが、大きな理由ではないでしょうか。
例えば、かつての博多駅周辺ですが、博多口といえば郵便局とビジネス街、筑紫口といえば合同庁舎と歓楽街と言い表すことができ、大きなスーパーもなく決して暮らしやすいエリアとはいえませんでした。
しかし、2011年にJR博多シティが開業し、博多阪急がオープンしたあたりから潮目が変わり始めたといえます。
2016年には郵便局跡地にKITTE博多(博多マルイ)が開業し、かつてのビジネス街から脱却し、商業エリア色が強い街に変わったといえます。
そして現在、筑紫口側のヨドバシカメラ マルチメディア博多4階に大型スーパーであるロピアが入り、KITTE博多にはボンラパス Timbreが昨年秋にオープンしたばかり。
博多駅が通勤の際に素通りする駅から自宅最寄り駅や食料品を買う駅に変わった。
そのような方も少なくないのではないでしょうか。
また、7月にご紹介した住みたい街(駅)ランキングでは、博多駅は堂々の三連覇を達成!
1位に輝いたのは?「SUUMO 住みたい街(駅) ランキング2025 福岡県版」10位から1位までをご紹介!
https://fukuoka-leapup.jp/city/202507.59977
「博多駅近辺に住みたい」という、安定したニーズもあってのことだと思われるのですが、ここ5年ほどで博多エリアの賃料は約13%も上昇しています。
5年で約13%の賃料上昇!賃料上昇が示す博多エリアの未来:賢い資産形成への道筋
https://fukuoka-leapup.jp/money/202509.61551
また、九州最大の繁華街「天神」の存在も忘れてはなりません。
もともとデパートや商業施設が多く立ち並び、今も昔もオシャレをしてお買い物に行く場所と考える人たちと、若者を中心に庭のような場所と考える人たちが交差する街といえます。
その利便性の高さから、近辺の物件は単身世帯に人気といえ、天神ビッグバン効果も相まってか、2020年4月~2025年1月の約5年間で天神エリアのワンルーム物件は14.3%も値上がりしています。
福岡・天神の賃料動向と都市開発 ーデータで見る成長性と将来への視点ー
https://fukuoka-leapup.jp/money/202506.56624
そのほかの要因としては、福岡都市高速環状線全線開通に六本松エリアの再開発完了、福岡市地下鉄七隈線の博多延伸と枚挙にいとまがありません。
【福岡市】クイズに答えて商品をゲットしよう!福岡高速道路「20億台到達日予想クイズ」実施中
https://fukuoka-leapup.jp/city/202510.65076
再開発を終えた先には…
現在、進んでいる「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」などの進捗率が高まっていく過程で、福岡市の物件の賃料がどうなっていくのか、見守りたいところでもあります。
LIFULL HOME’Sとは
日本最大級といえる不動産・住宅情報サービスサイトです。賃貸物件を探したり、一戸建て・マンションの購入を検討できたりするほか、注文住宅、売却など不動産についての役立つ情報を入手できます。
■Instagram:@homes_official