34年の時間を経て「Re-Design」。およそ2年をかけたリニューアルがついに完成
20世紀を代表する世界的な建築家イタリア人のアルド・ロッシと、日本を代表するインテリアデザイナー内田繁がタッグを組み、日本初のデザインホテルとして1989年に開業したHOTEL IL PALAZZO(ホテル イル・パラッツォ)。
アルド・ロッシが日本ではじめて手がけた建築には、内田繁の他にもエットーレ・ソットサス、ガエターノ・ペッシェ、倉俣史朗、三橋いく代、田中一光など、世界的なクリエイターが参画し話題になりました。
1990年には建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」と福岡市都市景観賞を受賞。さらに1991年にはアメリカ国外の建築物として史上初となるアメリカ建築家協会(AIA)名誉賞を受賞しました。
ワンファイブホテルズ(当時「博多ホテルズ」。2023年5月に社名変更)は、前運営者から事業譲渡を受け2019年5月末から同ホテルの運営を開始しつつ、バリューアップを検討し始めました。 そして、2022年1月、およそ2年におよぶ「Re-Design」プロジェクトが始動しました。
アルド・ロッシ Aldo Rossi(1931 – 1997)
建築と都市デザインの分野において大きな影響を与えたイタリアの建築家、理論家。ポストモダン時代の理論をリードする建築家のひとり。
代表作にモデナの墓地(イタリア)、カルロ・フェリーチェ劇場(イタリア)、ボネファンテン美術館(オランダ)などがある。その他にも数多くの大規模プロジェクトを手がけ、多くのコンペティションとアワードを受賞。
1990 年には、建築界のノーベル賞ともいわれるプリツカー賞を受賞。
内田繁 Shigeru Uchida (1943 – 2016)
日本を代表するデザイナーとして幅広く世界的評価を受けるなか、各国での講演やコンペティションの審査、展覧会、国際的デザイン企画のディレクションなど、つねにその活動が新しい時代の潮流を刺激し続けてきた。
代表作に、山本耀司のブティック、神戸ファッション美術館、茶室「受庵 想庵 行庵」、ザ・ゲートホテル雷門などホテルの総合的デザインも取り組む。メトロポリタン美術館、М+美術館等に永久コレクション多数。
「Re-Design」プロジェクトについて
改装工事期間:2022年1月~2023年9月
総工費:約18億円
ディレクションとデザインは内田デザイン研究所が担当。
「ホテル イル・パラッツォは、福岡市の春吉地区が持つそれまでのイメージを一変させ、都市における建築デザインの力を示したことでも評価されています。当社は、同ホテルのデザインだけでなく、その高い社会的資産に着目し、内田繁氏の逝去後も同氏の思いやデザインの理念を受け継ぐ「内田デザイン研究所」に依頼しました。」(ワンファイブホテルズ株式会社の担当者によるコメント)
内田デザイン研究所 https://www.uchida-design.jp/
~内田繁氏の発言より~
「目指したのは、時代とともに生き続ける地域に根づいた社会資産となるべきものをつくること。」 「私とアルド・ロッシとでお互いに決めたことは、建築の内部と外部は同一のイメージにしようといったことです。」
プロジェクトの主なポイント
・1989年開業時のホテルロゴデザインが復活
・アルド・ロッシ設計の外観デザインはオリジナルを尊重し一部復元
・ディスコ、イベントホールなど、時代やニーズに合わせて独自のカルチャーを発信してきた地下空間は、130席の大型ラウンジに生まれ変わり
・階段を登る必要があったエントランスは、1階から段差なく直接アプローチ可能に1989年のオリジナルの配色を踏襲したエントランスは「結界」をイメージ
・客室はスーペリアクイーンとデラックスキングの2タイプに加えて、バルコニー付の客室を新設
ホテル概要
名称:HOTEL IL PALAZZO(ホテル イル・パラッツォ)
客室数:77室
住所:〒810-0003 福岡県福岡市中央区春吉3-13-1
アクセス:福岡市営地下鉄空港線・中洲川端駅から徒歩約7分、JR博多駅からタクシーで約6分
※公式サイトで予約受付を開始しています
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