そもそも「福岡・天神」ってどんなところ?
福岡市を観光目線で語るときによく使われるフレーズがあります。「那珂川を境に、東側が中世以降、1300年余の歴史を持つ商人のまち『博多』、西側が武士のまち『福岡』で江戸時代から始まった」と。
深い歴史をもつ「博多」「博多旧市街」のみどころについては、前回まとめているので、ぜひ読んで歩いてみてください。
▼博多旧市街についてはこちら
https://fukuoka-leapup.jp/tour/202305.5100
いまや九州一の繁華街といわれる「天神」は、北から南にのびる「渡辺通り」、それにクロスする「明治通り」を中心として、東は中央区西中洲、西は西通りや大名エリアあたりまでを私はイメージします。
「渡辺通り」沿いには老舗の百貨店やファッションビルが建ち並び、まさにメインストリートの様相です。
実は、天神がこのように発展を始めたのは明治後期。博多の呉服商の三代目として生まれ、新しい道路の建設と博多電気軌道の開業など福岡の発展に尽力した渡邊與八郎(わたなべよはちろう)氏の功績を称えて、この通りが「渡辺通り」と名付けられています。
明治の世から時は流れ、今は100年に一度の再開発「天神ビッグバン」の真っ最中。ニョキニョキとクレーンが空にのびている風景も、今しかみられないので、ぜひこの眼で確かめてみましょう。
▼天神ビッグバンについてはこちら
https://fukuoka-leapup.jp/biz/202202.434
ビルの建て替えもすすみ、2023年4月末には「ミーナ天神」のリニューアルオープンが話題になりました。
▼ミーナ天神オープンで話題の天神ロフトについてはこちら
https://fukuoka-leapup.jp/city/202304.4504
天神のことがおおまかにわかったところで、天神観光、まち歩きに出発しましょう。
福岡・天神1時間〜3時間のモデルコースはこれだ!
福岡・天神観光はもちろん、天神で空き時間ができてしまった時にも最適のモデルコースをご紹介します。
【A】まずは、地下鉄天神駅から天神地下街へ
福岡市の地下鉄はシンプルで迷いにくいはずですが、天神には福岡空港線の天神駅、七隈線の天神南駅があります。
今までは、この2駅で福岡空港線と七隈線の乗り換えとなっていましたが、2023年3月27日に七隈線の延伸で博多駅が開業したため、博多駅での乗り換えとなりました。天神では、新規に乗車したというカウントになるのでご注意を。
福岡市地下鉄では、全駅でクレジットカードのタッチ決済による乗車ができるようになりました。外国人旅行者にとっても相当便利ですね。
【福岡市地下鉄】
■詳細はこちら
雨が降ったときでも天神地下街を通れば縦横無尽に福岡市役所や百貨店や商業施設、スポットを行き来できます。雨がふっても、暑くても寒くても、天候に左右されずに快適に移動できるのも嬉しいですね。
▼天神地下街の最新オープン情報はこちら
https://fukuoka-leapup.jp/gourmet/202302.1119
▼天神地下街のトピックはこちら
https://fukuoka-leapup.jp/tour/202211.920
【B】ヨーロッパの広場みたい!福岡市役所西側ふれあい広場〜市役所1Fへ
福岡市とフランスのワインの名産地・ボルドー市は姉妹都市。5月12日〜28日「福岡ボルドーワイン祭り〜2023〜」は賑わっていました!
ヨーロッパを旅すると、中心市街地に人々が集まる広場があります。お祭りが開催されたり、日常でもそこで人々が集まってくつろいだり。
福岡市役所西側ふれあい広場もコロナ禍を経て、いろんなイベントが開催されるようになりました。写真は5月28日まで開催されている「福岡ボルドーワイン祭り〜2023〜」の風景。
冬季の「クリスマスマーケット」もそうなのですが、渡辺通りの交差点からこの広場の鮮やかな風景が見えてくると「福岡っていいな」という高揚感がわいてきます。イベントがないときでも気持ちのいい空間です。
▼【2023最新】福岡クリスマスマーケット開催情報はこちらより
>>https://fukuoka-leapup.jp/tour/202310.16291
【福岡市役所西側ふれあい広場】
■住所: 福岡市中央区天神1-8-1 MAP
■イベント情報はこちら
広場で楽しんだあとは福岡市役所1Fロビーへ。
通行しているだけでは目にとまらないのですが、足元に福岡市の地図があります。博多湾をぐるりと囲むように広がる福岡市の各エリアの見どころをみなさん一人ひとりに紹介したいくらいです。
空港も近く、博多、天神は徒歩で行けないこともない。外国要人を迎えた鴻臚館や福岡城跡などコンパクトシティの魅力が地図からうかがい知ることができます。
博多織のディスプレイにも注目してください。福岡が誇る名産品は、1600年に黒田長政が筑前を治めるようになって以降、江戸幕府への献上品でした。上品で洗練された色合いと模様をここで体感することもできます。
福岡を楽しむ「福岡オープントップバス」のチケット売場とスタート地点も福岡市役所1Fからです。
▼オープントップバスに関するトピックはこちら
https://fukuoka-leapup.jp/tour/202302.1158
【福岡オープントップバス】
■詳細はこちら
【C】天神のセントラルパーク!県営天神中央公園
都心に緑あふれる公園があるのは東京のほうが敷地面積も規模も多いかもしれません。しかし福岡市一の繁華街・天神にある天神中央公園は、コンパクトシティの名にふさわしく、多様なイベントが開催され、なおかつゆったりピクニックなども楽しめるところです。
写真の芝生広場のイメージが強いですが、天神中央公園は、芝生広場だけでなくて、福博プロムナードから旧福岡県公会堂貴賓館前に連なる一帯を指します。もともと福岡県庁があった場所に1989年にできました。元々県庁で使われていた石造りの門や記念碑が何気なくあるので、改めてみると面白いですよ。
【天神中央公園】
■住所: 福岡市中央区天神1-1 MAP
■詳細はこちら
芝生広場に隣接するアクロス福岡にも注目です。本格的なシンフォニーホールやイベント、パスポートセンターやショップ、レストランなどがあるビルですが、通称「アクロス山」でちょい登山?が楽しめます。
▼アクロス福岡こちらの記事も参照
https://fukuoka-leapup.jp/tour/202108.314
約120樹種・5万本が茂っている「アクロス山(ステップガーデン)」は、天神に勤務している友人の中には昼休みに登る人もいるほど手軽な登山ができます。
森を縫うように階段をあがること片道15分。屋上展望台は、土日祝日(10:00〜16:00)のみ開園ですが、その下でも爽快な気分を味わうことができます。
【アクロス福岡 ステップガーデン】
■住所: 福岡市中央区天神1-1-1 MAP
■営業時間: 3~10月 9:00~18:00、11~2月 9:00~17:00/屋上展望台は、土日祝日(10:00〜16:00)
■入場料: 無料
■詳細はこちら
いつでも花いっぱいの「福博プロムナード」を渡って東側へ。ここからの桜の時期の眺めが最高なんです。
桜の時期だけでなく、四季折々に心和む表情をみせてくれます。
天神中央公園の一角にある旧福岡県公会堂貴賓館は1910年に建設された洋館で、現在は数少ない明治時代のフレンチ・ルネッサンスの木造公共建築物として、国の重要文化財に指定されています。
入館料が必要ですが、ぜひ中に入って当時の雰囲気を感じてみてください。地元アーティストの作品展などのイベントも開催されている時もあります。カフェもおすすめです。
【旧福岡県公会堂貴賓館】
■住所: 福岡市中央区西中洲6-29 MAP
■TEL: 092-751-4416
■開館時間: 9:00~18:00(最終入館17:30)
■休館日: 月曜日(祝日のときは翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
■入館料: 200円、児童100円、6歳未満65歳以上無料
■詳細はこちら
貴賓館前は、2019年にオープンした「ハレノガーデン」があり、人気のパン屋はじめ、飲食店が並んでいますので、チェックしてね。
こんなフォトスポットもあります
天神中央公園一帯はイベントもたくさん開催されています。貴賓館前での直近のイベントは、2023年5月27日(土)、28日(日)「タイフェスティバル&VISIT THAILAND YEAR 2023」。夜も楽しいですよ。
【D】リバークルーズで福岡の活気を水辺から眺める
ここで時間の余裕があるなら、ぜひリバークルーズをおすすめします。
30分の中洲クルーズは、当日席があれば15分前から受付可能。思い立ったときに福博であい橋たもとの乗場を訪ねてみてください。那珂川沿いに屋台やキャナルシティ博多、博多湾に出て博多ポートタワーなどの観光スポットを案内してくれます。
17時、19時出発のサンセット、夜景を楽しむ博多湾クルーズ(45分)も、ロマンチックでいいですよ。
こんな感じで博多ポートタワーもみれます
まずはこのチケット売場を訪ねて。オンラインから予約もできます
【博多・中洲・那珂川水上バス リバークルーズ】
■住所: 福岡市中央区西中洲6-3-1 MAP
■TEL: 080-5215-6555
■料金: 中洲クルーズ(30分)大人平日1,000円、土日祝1,500円、博多湾クルーズ(45分)大人1,500円、土日祝2,000円、チャーター可
■運航状況など詳細はこちら
【E】福岡の水辺の気持ちよさを体感する!水上公園SHIP’S GARDEN
このオブジェが目印
福岡の川から海と水辺の心地よさを体感できるのがここ。
1階にオーストラリア発の名店「bills 福岡」、2階に広東料理をベースにしたフュージョン料理が楽しめる「西中洲 星期菜」のレストランが楽しめ、屋上にはゆったり休憩もできるデッキガーデンが広がります。
このデッキでリラックスや写真撮影を
ここでは写真撮影したり、海を感じてくつろいでみて。
外からみると船のよう
【水上公園SHIP’S GARDEN】
■住所: 福岡市中央区西中洲13-1 MAP
■詳細はこちら
【F】あの建築家が設計!福岡市赤煉瓦文化館
水上公園から北上して昭和通りへ。見えてくるのが、どこかで観たことがあるような赤レンガの建物…。
東京駅を設計した明治期を代表する建築家・辰野金吾と片岡安の設計により、日本生命保険株式会社九州支店として1909年に竣工、その後歴史資料館などで利用されていましたが、1994年から「福岡市赤煉瓦文化館」としてオープン。
館内を無料で見学できるほか、1階はエンジニアが交流できる「エンジニアカフェ」やカフェ、2階は有料の会議室もあります。明治の時代にタイムスリップしたような感覚が味わえますよ。
1階のカフェスペース。この館の雰囲気も堪能できます
【福岡市赤煉瓦文化館】
■住所: 福岡市中央区天神1-15-30 MAP
■TEL: 092-722-4666
■開館時間: 9:00~22:00
■休館日: 毎月最終月曜(祝日のときは翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
■詳細はこちら
【G】天神の地名の由来となった神社 水鏡天満宮
福岡市赤煉瓦文化館の脇にある鳥居の奥には水鏡天満宮横丁があります。定食屋やカレーレストランなど美味しいお店が揃っています。
私は鯖を食べたいときは「食事と酒処 真(まこと)」に行きます。
▼食事と酒処 真(まこと)についてはこちら
https://fukuoka-leapup.jp/gourmet/202304.3399
菅原道真公を祀る水鏡天満宮が見えてきます。菅原道真公が京より大宰府に左遷される道中で博多に上陸した際、庄村にある四十川(現在の薬院新川)の水面に自分の姿を映し、水面に映る自身のやつれた姿をみて嘆き悲しんだとされています。
これにちなんで庄村(現在の中央区今泉)に社殿が建造され、水鏡天神(すいきょうてんじん)姿見天神(すがたみてんじん)と呼ばれました。
福岡城築城の際に、福岡藩初代藩主・黒田長政によって水鏡天満宮として福岡城の鬼門にあたる現在地に移されました。福岡市中央区天神の地名は、この天満宮に由来します。
ビルの谷間に佇むこの神社にお参りすると、心が落ち着いて、清らかになる気がします。
【水鏡天満宮】
■住所: 福岡市中央区天神1-15-4 MAP
散策MAP付!福岡・天神を楽しむモデルコース
【A】の天神地下街を始点に【G】の水鏡天満宮までが今回の天神街歩きモデルコースです。観光の方はもちろん、空き時間を使って楽しむのもおすすめです。
まだまだ深堀したい天神のまち歩き
天神のまちあるきコースいかがでしたか?
明治通りで終わりましたが、さらに西に進んで西通りや大名まで足を運んでみると、また違った風景が見えてきます。
明治通りを西へすすむと、西鉄グランドホテル前では、L字型のカーブを描いています。これは、福岡城の防衛上の理由からだといいます。
大名では各筋に古い旧町名の碑があって、福岡城の城下町として、どんな生業の人が住んでいたかといったことをうかがわせてくれます。
天神は、福岡城や天神さまをまつる菅原道真公などのトリビアがいっぱいで、「◯◯タモリ」が大好きな人は、興味がつきないと思います。ぜひガイドとともに歩いてみてください。
2023年6月に完成する「ザ・リッツ・カールトン福岡」とその界隈に象徴されるように、ビル群と温かみのある商店やまちが共存しているのが散策の醍醐味です。まずは、歩いて感じてみませんか。
【福岡市観光案内ボランティアの無料定時ツアー】
毎日10:30〜、14:00〜、福岡三越ライオン広場にある福岡市観光案内所(天神)から約1時間の「まち歩き」にご案内します(無料、休みの日もあり)。先着6名程度(団体不可)。予約不要。
詳細はこちら>>https://www.welcome-fukuoka.or.jp/kankouannai/cource06