こんにちは、石原和幸です!
気づけば今年も年末がすぐそこまでやってきました。
冷たい風が吹き始めていますが、その寒さに負けないほどの“楽しさの芽”が、街のあちこちで顔を出しています。
福岡ではイベントが次々と花開き、人の笑顔と熱気が冬の空気までもあたためてくれているようです。
こたつで縮こまっているだけではなく、この季節にしか生まれないワクワクを一緒に全身で受け取っていきましょう!
大橋駅前の複合商業施設「OHASHI HILL」にイルミネーションが点灯!

そんな福岡の街の中で、この夏オープンした複合商業施設「OHASHI HILL」で11月14日にイルミネーション点灯式が行われました。
ここには、僕が植栽に携わらせていただいたスペースがあります。
昼は四季の植物がやわらかく彩り、夜は光と溶け合うように輝く、居場所感あふれる空間になっています!
僕自身、当日はスケジュールの都合で駆けつけることができなかったのですが、映像越しにもしっかりあの場所のあたたかさが伝わってきました。
むしろ客観的に見られたからこそ、光に照らされながら人が集まり、笑顔がこぼれている様子に胸がじんわり熱くなりました。
冬はどうしても気温が低く気持ちもぎゅっと縮こまってしまいがちですが、光と植物の力が、その心をふわっとほどいてくれる、そんな場所になることを願って植栽と装飾をつくりました。
このイルミネーションが、帰り道にふと足を止めたくなる光になったり、家に帰る途中の小さなご褒美になったり、誰かの一日をそっとねぎらう存在になれたら嬉しいです。

寒い季節だからこそ、温度のある花と光の空間は人の心を支えてくれます。
この冬、OHASHI HILLが訪れた皆さんにとってやさしい灯りとなり、あたたかい気持ちで過ごせるひとときを届けられますように!
「エンクレストガーデン福岡」にも心地よさを感じられるガーデンを作成
福岡市中央区小笹でまもなく竣工を迎える「エンクレストガーデン福岡」でも、そんな癒しと心の平和をもたらす空間ができあがりました。
私はこれまで、住まいに花や緑を取り入れることで暮らしを豊かにする空間づくりに携わってきました。
今回のマンションでも、ただ美しいだけでなく、住む人が自然を感じ、日常の中で心地よさを実感できるガーデンをつくりたいと考え、設計段階から携わりました。

こちらの記事で詳しくお話ししていますので、ぜひ読んでみてくださいね!
世界的な庭園デザイナー・石原和幸氏の’あの庭’が始動!エンクレストガーデン福岡に込めた想いとは?
https://fukuoka-leapup.jp/city/202510.65734
“花や緑が人の心を育てる力”を伝える高校での「緑の授業」開催

そして少し遡りますが、9月から既に“花や緑が人の心を育てる力”をさらに実感させてくれる出来事がありました。
夏のフラワーコンテストで受賞された学生さんのもとを訪れ、八女農業高等学校、北陵高校生徒さんたちとそれぞれ行った「緑の授業」です。
授業の前半は、僕がどんな環境で育ってきて、どうやって庭の世界に飛び込んだのか、生い立ちを交えながら話しました。
みんな目をキラキラさせながら聞いてくれて、ついつい熱が入りました!

そこから後半、八女農業高等学校ではいよいよ苔玉づくりに挑戦!
土の匂い、苔の感触、水分のにおい……植物にじかに触れると、教室の空気が一気にやわらかくなるのがわかります。
「難しい!」「でも面白い!」と、笑い声と真剣な表情が入り交じった最高の時間になりました。
普段は机に向かう学生さんたちが、夢中になって土をこねて、苔をまとわせて、小さな“自分だけの命”を形にしていく姿は本当にまぶしかったです。
そのあとに設けた質問タイムでは、たくさんの手が上がり、植物のことや仕事のことについてストレートな質問を次々投げかけてもらいました!
そしてその中で、北陵高校の生徒さんから忘れられない質問がありました。
「もしガザ地区にお庭をつくるなら、どんなお庭をつくりますか?」
生徒さんからのその問いは、とてもまっすぐで、重みのあるものでした。
どんな庭をつくるのかを考えながらあらためて思ったのは、
「庭は、人が生きるための優しさを支える場所であるべきだ」ということでした。
もしガザに庭をつくるのだとしたら、まずは「食べられるもの」と「きれいな花」の両方を植えたいと思います。
どちらかだけではなく、どちらも必要だからです。花は心を癒し、食べられる植物は命を守ってくれる。
心と身体の両方が満たされる庭が、ガザには必要です。
強い日差しから守れる影も欠かせません。
安心して呼吸できる場所があって初めて、人の心は落ち着きを取り戻せるからです。
たとえ支援物資が届いても、貧困や不安が大きい場所では、それを取り合って争いが生まれてしまうことがある。
だからこそ、奪い合うための庭ではなく、「みんなで協力して、育て、守り、分かち合う庭」であることに意味があると思います。
人は満たされると、やさしくなれる。
そして、やさしい気持ちが連鎖していけば、争いよりも支え合いのほうが自然と生まれていくはずです!
庭とは、本来そうした未来を静かに育てる場所なのだと、あらためて強く感じ、その感じたままを生徒の皆さんに共有しました。
話し終えたあと、教室が一瞬だけ静かになりました。
生徒さんたちがそれぞれ考えてくれている時間だったんだと思います。
そこで「どうですか?」と投げかけた瞬間、自然と拍手が起こりました!

その拍手を聞きながら、「奪い合うのではなく、協力してつくる庭」という考え方に、少しでも共感してくれたのではないかと感じました。
「皆で手を取り合って、皆のための庭をつくる」ということは、決して理想論ではなく、実現可能な未来なのかもしれない。そう思えたのが、今回の授業で一番大きな収穫でした。
街にイルミネーションが灯るこの季節、ひとりのクリスチャンとして、そして庭づくりに携わる者として、あらためて「平和」について想いを巡らせています。
花や緑には、人の心を癒し、やわらかくし、争いよりも寄り添う気持ちを生む力があると信じています。
まだ花を植えたことがない方は1輪でもいいです、1本でもいいです。ぜひ、植えてみてください!
どうか皆さんの心にも、やさしい光がともりますように。
そして来年も、平和と笑顔に満ちた一年になりますように。
石原和幸でした!







