BAKELUCKの「バケット」

パンオタクが選ぶ福岡パン

味も音も香りも、五感で楽しめるパン。BAKELUCKの「バケット」【福岡市早良区】

福岡で10年以上パンブログを続け、2020年には城南区別府にパン喫茶をオープンさせた「pantiki」さん。毎日をリープアップしてくれる福岡のパンを、「ひとぱん入魂」の気持ちで1つずつご紹介いただくこちらの連載。45回目の今回は、福岡市早良区にあるBAKELUCKの「バケット」です。

ハジメマシテのお店のパンは、朝、食べるようにしている。

 

何故ならば、味覚が1番鋭敏な時間帯だから(と、何かで読み齧って以来信じている)

 

生意気にも、パン屋さんが我が子のように育て上げたパンの感想を、ブログやこちらのコラムで書かせて頂くのである、

それ相応の努力(というか心構え)をもって、こちらも挑まねば失礼。

ですので、まずは公平な舌をもって味わうべく、食べる時間帯を同じにしています。

しかも、1番敏感に、パンの機微を受け取れるようなコンディションで。

 

夜、ワインと共に頂くパンも、とっても美味しいです。

しかし、悲しいかなアルコール類にそんなに強く無い拙者。

パンを余すところなく味わえているか、というとそこは疑問文、、、苦笑

夜パンは、馴染みのお店の、パンチの強い(酔っ払いでも、うみゃーい!とわかる)パンにすることが多いのです。

 

もちろん、旅行中や、パン屋さんを巡るツアー中は、例外。

輸送のストレスでパン自体が悪コンディションになるくらいなら、その場で食べるべし!

お腹空いたならサンドイッチその場で頬張るべし!ですもんね(^^)

その辺りは

『何が正しいかではなく、何が楽しいか』を優先して良いと思っています。

楽しいは、美味しい、ですから。

 

 

ですが、ですが。

 

 

そんな自らに課した禁を、

この日は犯してしまいました。

 

ハジメマシテのお店、BAKELUCKさん。

 

 

伺った日はあまりにも寒かった。

でも、こういう日は自分にとって『ピンチはチャンス』DAY

寒くてみんなが出歩かない。

イコール、パンが選び放題かもしれない!

 

身支度もそこそこに、お化粧は手抜きでも防寒だけはしっかりして。

電動式でもなんでも無い小さなチャリで、必死に向かい風と戦いながら、音に聞く美味しいパン屋さんを目指す。

ハジメマシテなので、もちろん道もわからない。時折り停車しては、凍える手で携帯の地図を確認しつつ、お店を探す。

 

極度の寒がりのくせに、こういう時は全く辛く無いのだ。

ヒトはその先に幸せが待っていると思うと、頑張れるんだね(しみじみ)

 

 

果たして辿り着いた小道の先には、

非現実的と言うと語弊があるだろうか、

映画の中のヒロインが、一度だけ伺い知ることが出来た森の精の棲家のように、

二度目に伺ったら違う景色になっているかもしれないと、夢を見たのかもしれないと。

そんなことさえ妄想してしまう、

素敵な、素敵なパン屋さんがありました。

 

 

 

そこで待っていてくれたおふたりも、

出来過ぎやーん、と羨ましいくらい微笑ましい、それこそ映画の中のパン屋さんみたいに可愛らしいご夫婦で。

まだ早い時間だったから、店内には次々と焼き上がるパンの良い香りが立ち込め。

パンのみならず、少し英国菓子を彷彿とさせる焼き菓子も並んでいた。

 

 

テンションマックス、とはまさにこのこと。

 

 

オススメのパンを伺い、まだほんのり温かいバケットを、映画のヒロインよろしくリュックにさして帰路に着く。

 

 

 

『早く食べたい』

行き道とはまた違うワクワクが、帰路にはある。

 

そんな映画のような気持ちを堪能し、帰宅して、このバケットを食べない手はなかろう。

まだまだ心は映画のヒロインなのだから♪

 

 

寒風吹き荒ぶ中でも、まだ『ぬくみ』を保っていてくれたバゲットは、表面カリパリッと香ばしく、これはまだ焼き戻さなくても美味しい『冷めたて』のベストな状態だとわかる。

 

弾けるように軽やかに砕けるクラスト(外皮)を噛み締める。

噛むたびに湧き上がる粉の甘味。

弾けた余韻がいつまでも鼻腔に上ってきて、

ああこれは、舌だけではなく、音も香りも何もかも、五感で楽しめるパンなのだと、目を閉じて味わいたい気持ちになった。

 

 

自家製の全粒粉サワー種を使ったというバゲットは、クラム(内生地)からは強めの酸味も感じます。

 

ですが、酸っぱい!と感じる不快な酸味ではなく、クラストの甘みや、絶妙な塩梅と相まって、おむすびで言うところの梅干し。

その他のディテイルを引き立てる、美味しい酸味になっているのです。

 

 

これは、バターに合うなぁ、、、

縦割りにしたバゲットの、素晴らしい蜂の巣気泡の穴に詰め込むがごとく、

お気に入りの、無塩の高千穂バターをたっぷりのせて、再度頬張る。

 

あな うまや、たふとや、、、

 

カリパリッ、からの

しっとり、ぷるん、としたクラム。

たっぷりのバターが、酸味をマイルドにし、甘味には、角の取れた丸みを持たせてくれた。

美味しさと一緒に、幸せを噛み締める。

 

先ほどまでの寒さと、室内の暖かさ、パンのぬくみ、全てが『美味しい』を感じる要素になってくれている。

 

これはやはり、

禁を犯してでも今食べるべきだった。

英断也、と自分を褒めてあげたい気持ち。

 

もちろん、夢のように可愛らしいお店と店主さんたちの笑顔も重要なスパイス。

 

 

 

 

夢のように、、、、?

 

 

いえいえ、

 

ちゃんと 

次の日もその次の日も、

今もずっと、

BAKELUCK さんはそこにあります。

そこだけは映画と違いますからね、皆様ご安心なさって(笑)

小径の奥にある、小さな可愛いお店を見つけに行ってください。

そこには素敵な店主さんご夫妻と、

バケット以外にも美味しいパンがたくさん並んで待ってくれています。

 

 

大人気というフォカッチャも、ローズマリーやガーリックの風味に『頼らない』。

素材そのものを感じ取れる逸品でした。

 

 

頭の中で、それぞれのテーマソングを流しながら、訪れたくなるパン屋さん。

ちなみに拙者の頭の中では、

backnumberの『ヒロイン』がぐるぐるぐる、と流れていました(浸り過ぎ 笑)

 

 

ちなみに、 自宅からのアクセス的に自転車を利用しておりますが、実は、地下鉄藤崎駅から徒歩圏内。 百道の閑静な住宅街のマダムたちもいらっしゃるのでは、、、?な好立地なのです♪

 

 

 

店舗情報

BAKELUCK

住所:〒814-0006 福岡県福岡市早良区百道1丁目5−1 エスペランサ百道 102 [map]

営業時間:100018:00(無くなり次第閉店)

定休日:日曜日、第24月曜日

Instagram:@ bakeluck.f

https://www.instagram.com/bakeluck.f?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA%3D%3D

 

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パンブロガー
pantiki
福岡在住。色々なパンを食べ歩き、「ひとパン入魂」を心に紹介するパンブログを10年以上運営。2020年には福岡市城南区別府に、ブログを三次元化させたパン喫茶「kissaten ぱんフレット。」をオープン。オリジナルのメニューの提供のほか、ロスになる前のパンにアレンジを加え、ストーリーと一緒に味わってもらう「パンのバトン活動」を続けている。

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