Cafeバンカム

博多バスターミナルで46年。「Cafeバンカム」は古き良き時代の面影が残る珈琲専門店【福岡市博多区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、にわかに脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。そこで福岡にある「昭和レトロを感じられる喫茶店」をご紹介していきたいと思います。

「Cafeバンカム」の場所は、博多駅に隣接する「博多バスターミナル」の地下

 

今回ご紹介する「Cafeバンカム」は、JR博多駅に隣接する「博多バスターミナル」の地下1階にあります。

アクセスは福岡市地下鉄からが便利。改札を出てから博多駅地下街に入り、そのまま直進していくと…

 

 

博多バスターミナルビルにつながっているんです!

 

 

そして、さらにビルの中を進んでいくと、左手に「Cafeバンカム」が出現します。

 

 

昔懐かしいキーコーヒーの電飾看板が目印です。さて、早速入店してみましょう!

 

 

マスターの「好きなもの」に囲まれた店内空間

 

こちらが店内の全景。

ベージュとレンガ調の壁面と、赤いファブリック貼りの椅子でコーディネートされています。

壁に掛けられた様々な名画やアンティーク調の照明も相まって、クラシカルな雰囲気も漂っています。

 

 

赤いスツールがズラリと並ぶカウンター席。一見すると整然と見えますが、ピークタイムにはお客さんでぎっしり埋まるんだそう。

 

そして、ふとカウンターの上に目を向けてみると…

 

 

バイクや楽器など様々なオブジェがズラリ!

オブジェ集めはマスターのご趣味だそうで、店内の至るところに置かれています。

 

 

そして、もうひとつのご趣味がカメラ集め。

特に昔の金属製のカメラがお好きだそうで、店内の一角にはレトロなカメラが飾られていました。

 

しかも飾られているのはほんの一部。

店内に隠されたコレクションを見せていただきましたが、かなりの量がありました!

マスターがカメラ好きと知ったお客さんが持ち込んでくれることもあるそうです。

 

「Cafeバンカム」の歴史

こちらがマスターの榎原鐡二さん。ご年配ながら、お休みには大型バイクでツーリングに出かけるほどアクティブなのです!

 

「Cafeバンカム」を営むのは、榎原鐡二(えのきはらてつじ)さん。

大分県日田市のご出身で、高校卒業後は東京の法政大学へ進学。その後都内の商社に就職され、営業マンとして9年間勤務されました。

 

やがて九州に戻ることになり、実家の大分に近い福岡でコーヒー専門店の開業を決意。コーヒーのスキルを学ぶべく、そこで門を叩いたのが現在は土居町に本店を構える「珈琲のシャポー」でした。

 

その頃の珈琲のシャポーは複数の店舗を展開しており、天神コアや博多デイトスなどでの勤務を経て、シャポーの創業店だった福岡交通センターのお店を引き継ぎ、1978年(昭和53年)10月に「Cafeバンカム」をオープンされました。

 

こちらがかつての福岡交通センター。創業当時はこのような3階建てだったのです。

画像出典:著作者:Kitakyushuhamojiko, CC BY-SA 4.0 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%E5%8D%9A%E5%A4%9A%E9%A7%85%E4%BA%A4%E9%80%9A%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC.jpgによる

 

お店は元々、数十メートル離れた別の場所にあったそうですが、福岡交通センタービルの建て替えのため、2010年に現在の場所に移転。

福岡交通センターという名称も、建て替えを機に現在の「博多バスターミナル」へと改称されました。

 

ちなみに店名の由来ですが、コーヒーの起源とされるエチオピアでは、かつてコーヒーのことを「バンカム」と呼ばれていたことと、初心から出発したいという気持ちを込めて名付けたんだそうです。

 

 

人気の「モーニングサービス」と4種類の自家製ランチ

 

オープンから11:00までは毎日モーニングサービスを実施中。

モーニングは「モーニングセット」「スープモーニング」「パンモーニング」の3種類から選べます。

 

 

今回は「モーニングセット」(税込600円)をチョイスしてみました。

ハーフサイズのパン2枚にサラダ、ブレンドコーヒーが金属製のプレートで提供されます。

 

 

2枚のトーストですが、通常の食パンとライ麦トーストという食感が異なる2種類のパンを使用しているのがポイント。

コーヒーは「シャポー」と同じくネルドリップ式で抽出されています。

 

博多駅はオフィス街でもあるので、朝早いオフィスワーカーさんたちにも大好評なのはもちろんですが、最近は海外のSNSで「バンカムのモーニング」がなぜか話題になっているそうで、福岡にやってきた海外の観光客が、宿泊先のホテルで朝食を食べず、わざわざバンカムまでモーニングを食べにやってくるんだそうです!

 

 

そしてカフェタイムにおすすめなのが「濃厚プディング」

こちらはブレンドコーヒーかオレンジジュース付きで税込800円。

上にホイップクリームがトッピングされたレトロな雰囲気のプリンです。

 

 

濃厚と名付けられているように、もっちり・ねっとりとした食感が特徴。

見た目よりサイズも大きいので満足感も高く、ネルドリップコーヒーとも相性良しです。

 

 

11:00〜15:00までのランチタイムには、店内手作りの「シチューセット」「ポテトグラタンセット」「シーフードドリアセット」「カレードリアセット」の4種類のランチも楽しめます。

 

中でも「シチューセット」は看板メニュー。野菜・ウインナーソーセージ・ミートボールなど具材たっぷりのデミグラスシチューに、パンとブレンドコーヒーが付いて税込900円となっています。

 

 

博多駅界隈で数少ない喫煙可能店

 

Cafeバンカムは博多駅界隈のカフェや喫茶店では珍しい喫煙可能店。

そもそも博多駅界隈は喫煙所自体が少ないので、愛煙家の方にとってまさにオアシス的な存在になっているんです。

※そのため、20歳未満の方は入店できません。あらかじめご了承を。

 

この10年ほどの間に大変貌を遂げた博多駅。しかも近年は「博多コネクティッド」と名付けられた近隣の大規模開発も進んでおり、都市化がますます進む中、昔ながらの喫茶店はほとんど残っていません。

 

そんな中でも46年もの長きに渡り、形を変えながら営業を続ける「Cafeバンカム」は、博多駅界隈では数少ない、古き良き時代の雰囲気を感じられる場所と言えるでしょう。

 

アクセスもとても良いので、ぜひ尋ねてみてくださいね!

 

 

Cafeバンカム

住所:福岡市博多区博多駅中央街2-1 博多バスターミナルB1 バスチカ商店街内

電話番号:092-451-3390

営業時間:7:00〜20:00(土・日・祭日は9:00〜18:00)

定休日:なし

喫煙:喫煙OK

 

 



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ライター
久原茂保
2001年より福岡発のカフェ情報サイト「CAFE@TRIBE(カフェ・トライブ)」を開設。以来、20年以上に渡り福岡県を中心に数多くのカフェを訪れ、日々取材活動に励んでいる。近年はカフェアドバイザー業やカフェのリブランディング、カフェプロモーションなどカフェ業界の知見とネットワークを活かしたオンリーワンな事業を展開中。グラフィックデザインやWEBデザイン、広告コンサルも。

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