マイルス・デイヴィス「ROUND MIDNIGHT」
ちなみに、矢田氏がジャズで最もフェイバリトな一曲として挙げたのがマイルス・デイヴィスの「ROUND MIDNIGHT」。これは若き矢田少年が中学生の頃、毎週、齧り付くように聞き入っていたタモリがDJを務めるオールナイトニッポンで、真夜中の2時になると必ず流していたからとのことで、ある種、ジャズの洗礼を浴びせられた一曲であり、これを機にタモリに憧れて早大ジャズ研を目指したということですから、運命の一曲とも言えるでしょう。
「ROUND ABOUT MIDNIGHT」もちろんレコード盤もあります
マイルス・デイヴィスは、ジャズを聴く人で知らない者はない、誰しもが通る道といってもいいでしょう。「ジャズの帝王」という異名を取るトランペッターで、ジャズ界に二度目の革命をもたらします。ちなみに最初の革命はチャーリー・パーカーが始めたとされる「バップ(ビバップ)」革命」で、マイルスはそれをさらに発展させ「モード」の世界を切り開きます。
モード・ジャズを完成させたと言われる「KIND OF BLUE」は、ジャズ史全体からみても金字塔で、演奏するメンバーもテナー・サックスがジョン・コルトレーン、アルト・サックス奏者がキャノンボール・アダレイ、ピアノのビル・エヴァンス、ベースがポール・チェンバース、ドラムがジミー・コブと後の巨星たち。おそらく21世紀に生きる人々にとって「20世紀を代表するジャズは?」と質問すると、それはチャーリー・パーカーでもルイ・アームストロングでもなく、マイルス・デイヴィスのKIND OF BLUEである、と断言できるような時代が来るかもしれません。
ちなみに矢田氏のフェイバリト「ROUND MIDNIGHT」は第一幕で紹介したジャズの伝道師セロニアス・モンクの作曲ですが、この曲自体は、むしろマイルスのアレンジによって世に浸透していったと言っても良いかもしれません。
アルバムジャケットを見ると、その風貌はまさにタモリ。タモリさんがマイルス・デイヴィスの影響を受けて時代を駆け抜け、そして矢田さんがタモリの影響を受けていまON THE ROCKSに立っているという状況をアルコールと共に飲み込むと、何か胸に去来するものがあります。
【ON THE ROCKS】
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