謎解き!フクリパ

政令指定都市で唯一、ごみの夜間収集を実施している福岡市。その理由を聞いてみた。

福岡市民にとって当たり前の日常風景でも来訪客や引っ越して来た人たちにとって驚きとなる出来事があります。その一つが政令指定都市で唯一実施しているごみの夜間収集です。なぜ、福岡市はごみの夜間収集を始めて、どのようなメリットがあるのでしょうか? 今回、ごみの夜間収集の【謎解き】に迫ります。

政令市で唯一、福岡市のごみ夜間収集とは何か?


(画像提供:公益財団法人ふくおか環境財団)

「福岡の朝の街並みは、きれいだ」。
福岡市を訪れた来訪者らは朝、街角にごみ袋がなく、カラスをはじめとする鳥獣被害の少ない風景に驚く。

一方、福岡市へ引っ越して来た新住人の中には、「決められた日の日没から午前0時までにゴミを出す」というゴミ出しルールに戸惑う人もいる。

他都市においては、ごみを出す時間を午前8時半までという場合が多く、ごみ回収の時間帯を午前8時半~16時ごろになっている。
そうした中、福岡市は、市内全域においてごみの夜間収集を実施する全国唯一の政令指定都市だ。

福岡市のごみ夜間収集を巡る〝謎〟解明に迫る

福岡市のごみ夜間収集を巡る一連の〝謎〟について、公益財団法人ふくおか環境財団の足立泰尚さんは、次のように解説する。
なお、同氏は福岡市OBで2022年3月末までの福岡市職員時代のうち半分を環境行政に従事して収集管理課長を務めた後、現職に就いた。

【謎】なぜ、福岡市でごみの夜間収集が始まったのか?

足立さん

福岡市のごみ収集は1889年の市制施行前から民間の手で定期的に行われていました。

明治以前から昭和初期にかけて都市部で発生する生ごみや汚物は、農作物の肥料や家畜の飼料として利用されていたという経緯があります。これらの収集は、農家自身や他に職を持つ兼業者が手掛けていたため、農作業に取り掛かる前の早朝に作業をしていたそうです。
このような早朝収集が、現在の夜間収集の素地となりました。

福岡市は1891年に掃除定則を制定して民間へごみ収集の請負制度を正式に始めました
全国的には1900年の汚物掃除法の制定でごみの収集・処分は市町村の義務となり、その後制定された清掃法や廃棄物処理法に引き継がれています。このため、他都市では直営で収集していたところが多く、現在民間へ委託する都市が増えている状況です。

かつての福岡市では、かごや荷車を用いた人力によるごみ収集作業だったものの、その後馬車を用いるようになりました。
そして、福岡市が、家庭ごみ収集を週2回とした1957年頃には馬車から三輪車やトラックに代わって、夜間のごみ収集が可能となりました。

福岡市がごみの夜間収集を本格化させた1950年代半ば以降、自動車やバス・トラックが行き交う本格的なモータリゼーション(自動車化)時代を迎えました。
日中の交通渋滞が深刻化していく中、交通量の少ない深夜に行う夜間収集は、極めて効率的な収集作業です。
現在、民間業者16社・192台の清掃車が福岡市全域でごみの夜間収集作業に従事しています。

【謎】なぜ、福岡市は政令市で唯一、ごみの夜間収集を続けているのか?

政令指定都市の中で唯一、ごみの夜間収集を続ける福岡市は、どのようなメリット・デメリットがあるのだろうか?
この点について足立さんは次のように語る。

足立さん

ごみ夜間収集のメリットは、主に下記の4点が挙げられます。

◎都市美観への貢献する

昼間、街中にごみ袋が無いために都市景観上においてプラスになっています。

◎交通渋滞の回避する

ごみの収集時間帯が朝の場合、出勤時間と重なって交通渋滞を引き起こしがちなのに対して、夜間収集では渋滞と関係なく効率的な収集作業が可能です。

◎カラスからの被害を回避する

カラスは主に明け方から活動しており、夜間にごみを回収するとカラスに荒らされる被害も少なくなります。

◎防犯・防災につながる

夜間に収集することで防犯上や防災上の効果も期待できます。また、徘徊していた認知症患者を発見・通報した事例もあります。

一方、デメリットとしては、作業で発生する音をはじめ、作業員がごみの中身を確認しづらい点、人目の着かない夜間のために分別意識への懸念もあります。
なお、夜間作業による深夜手当などのコスト面については効率の高さを考慮してプラス・マイナスの両面で見ると、必ずしもデメリットと言えません。


出典)『FukuokaFacts』

 

【謎】なぜ、福岡市民からごみの夜間収集に対する満足度が高いのか?

2021年 11 月下旬~12 月上旬に福岡市民647人を対象に実施した『第6回市政アンケート調査』によると、ごみの夜間収集への「満足」「どちらかといえば満足」という回答が97.8%だった。
一方、「どちらかといえば不満」「不満」との回答は1.8%となっている。
福岡市民のごみ夜間収集への満足度は極めて高い点について、足立さんは次のように考える。

足立さん

暗くなってから午前0時までにごみを出せばいいので、夕食後の片付け後にごみを出せること、朝のバタバタしている時間にごみを出さなくてもいいこと、夜ごみを出したら朝にはなくなっていること、昼間にごみ袋が出ないので、カラスがごみを荒らすことが少ないことなどが大きな理由ではないでしょうか。

ごみの夜間収集の継続の是非については、「夜間収集を続けてほしい」「どちらでも続けてほしい」が94%で、令和元年度の調査結果93.8%より若干高くなっています。

一方、「どちらかといえば昼間収集に変更してほしい」「昼間収集に変更してほしい」は1.4%で、令和元年度の調査結果1.7%より低くなっており、福岡市が長年取り組んできたごみの夜間収集に対する市民の満足度は極めて高く、継続を希望する声も多い点を踏まえると、市民のニーズに合った行政サービスとして定着していると感じています。

夜間の作業音については、車両の後方に収音マイクを設けて車両の誘導の声が小さくても運転手に聞こえるようにしたり、バック時の音を鳴らないようにしたりするなどの対策をしています。

進学や転勤で人の出入りが激しい福岡市は、夜間収集による燃えるごみごみ、燃えないごみ、空き缶・空きびんなどの資源ごみ、昼間収集の粗大ごみの4分類とシンプルですが、回収後に処理センターで9分類に仕分けをしています。
 

【謎】なぜ、人口増の著しい福岡市は、ごみ処理量で横バイ状態なのか?

2011年4月1日時点で147万人だった福岡市の推計人口は2021年3月1日、161.4万人と10年間で1割も増えている。
一方、ごみ処理量は、2011年度の56.1万㌧(事業系ごみ処理量27.5万㌧:家庭ごみ処理量28.6万㌧)から2020年度の同52.8万㌧(同22.6万㌧:同30.2万㌧)と5.9%減少した。

たしかにコロナ禍による外出自粛やテイクアウト、通信販売の利用拡大で2020年年度の家庭ごみ処理量は増加したものの、2019年度までは横バイ状態だった。

同様に横バイ状態だった事業系ごみ処理量は2020年度、在宅勤務の普及や飲食店の営業自粛・時短営業によって17%減となった。
なぜ、人口増の著しい福岡市において、ごみ処理量は横バイないし減少傾向にあるのだろうか?

この点について、福岡市環境局の飯干智希計画課長は次のように解説する。


(出典:『ごみ減量施策の実施状況等について』2021年10⽉ 福岡市環境局)

飯干課長

人口が大幅に増えて、事業所数も伸びている福岡市においては、市民や各事業所の努力が相当大きかったと考えます。
福岡市の場合、リデュース・リユースの2Rに重点を置いた取組みを進めた結果、一人あたりの家庭ごみ処理量は着実に減少しています。

福岡市環境審議会循環型社会構築部会で報告されている市民意識調査の結果からも明らかなように、市民のリデュース・リユースへの意識は着実に向上しています。

また、事業所では、特に大規模事業所への分別徹底やペーパレス化、古紙回収への協力を依頼してきたこともあり、一事業所あたりのごみ排出量の大幅減少という成果も上げています。 
 

ごみ収集から福岡市の底力を考える


(画像提供:福岡市環境局)

自治都市・博多のDNAを受け継ぐ福岡市では明治以来、官民一体でまちづくりを進めてきたという経緯がある。
ごみの夜間収集においても19世紀以前から民間がごみ収集を手掛けており、福岡市が一早く民間委託を実施した点も大きかった。
民のチカラを用いたことでごみの夜間収集が可能になり、市民から大いに支持されて満足度の高い行政サービスになったと考える。

 

【 参照サイト 】

Fukuoka Facts「実は福岡だけ!?便利で効率的な家庭ごみの夜間収集」-ごみの夜間収集-
ごみ減量施策の実施状況等について(2021年10⽉ 福岡市環境局)
福岡市令和3年度 第6回市政アンケート調査

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政令市で唯一、ごみの夜間収集を行っている福岡市。

朝、街にごみがなく、カラスなどの鳥獣被害がないのはもちろん、清掃車が夜間に街を駆け巡ることで、防犯や防災にもひと役かってくれています。

実際、福岡県刑法犯市区町村別認知件数(令和5年1月〜12月分暫定値)によると、福岡市中央区の犯罪発生件数は2,734件。一方、人口が同じぐらいの大阪市中央区の犯罪発生件数は6,888件。

ごみの夜間収集だけが理由ではないと思いますが、福岡市中央区は、他の都心部に比べると犯罪件数も少なく、治安が良いといえます。

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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