博多漁港は2015年に首位、7年連続で焼津漁港に次ぐ第2位
出所:八戸市『はちのへの水産-統計資料編(令和4年)-』
「西の博多漁港484億円、東の焼津漁港509億円」━━。
八戸市がまとめた『はちのへの水産-統計資料編(令和4年)-』によると、博多漁港の水揚げ金額は、静岡県にある焼津漁港と共に双璧をなし、全国の漁港の中でも第2位だった。
一方、博多漁港の水揚げ数量は、6万2,320トンで第11位となっている。
博多漁港が隣接する福岡市中央卸売市場鮮魚市場(長浜鮮魚市場)は産地市場だ。
その一方、福岡都市圏だけでなく関東や関西などにも魚介類を供給する西日本有数の消費地市場としての性格も兼ね備える。
このため、水揚げされた魚介類は、周辺の産地市場よりも高値で取引される傾向がみられる。
八戸市の水産統計資料では、主要漁港別水揚げ金額について2015年、前年に第2位だった博多漁港は、焼津漁港を抜いて第1位を獲得した。
その後2016年以降において、博多漁港は再び焼津漁港の後塵を拝し、7年連続の第2位となっている。
出所:八戸市『水産統計』
長浜鮮魚市場は年間、約300種類の豊富な魚種を取り扱う
福岡市中央卸売市場鮮魚市場(長浜鮮魚市場)の航空画像(画像提供:福岡市)
九州北部に位置する福岡県は、日本海側の『筑前海』(玄界灘)、瀬戸内海側の『豊前海』、さらに干潟が広がる『有明海』という特徴の異なる3つの〝福岡の海〟に囲まれた珍しい県だ。
3つある福岡の海のうち、玄界灘とも呼ばれる筑前海は、世界有数の漁場である。
玄界灘には、タイやイカ、アジ、サバ、ブリなどの回遊魚が集まり、スズキやカレイ、フグ、エビ、タコなどの多種多様な魚種も泳ぎ、定着性のあるアワビやサザエ、ウニなども豊富な海となっている。
豊富な栄養分を含む黒潮は、東シナ海から北上して鹿児島付近で太平洋側と日本海側へ分岐する。そして、日本海側へ進む黒潮は対馬海流となり、九州西方の五島灘を通過して、対馬海峡東水道も含めた玄界灘へ流れ込む。
一方、間宮海峡から南下する寒流のリマン海流は、玄海灘を含む北部九州の海域において、暖流の対馬海流とぶつかる。
玄界灘は大陸棚の発達した浅海であり、大部分は水深50~60メートル以内となっており、島や岩礁も多い。
特に対馬付近で発生する特有の対馬渦は、海水をかき混ぜる。さらに冬場に特に勢いを増す強風とも相まって、大量の酸素が海中へ溶け込んでいくのだ。
複雑な海域を特徴とする玄海灘には、大量の日光が降り注ぎ、海中のプランクトンは爆発的に発生する。
そして、豊富なプランクトンを追い求めて、暖流と寒流の魚が集まって来る玄界灘は、世界でも有数の漁場だ。
このように恵まれた漁場の玄界灘を擁する長浜鮮魚市場は年間、約300種類の豊富な魚種を取り扱う全国でも有数の鮮魚市場となっている。
参照サイト
八戸市『はちのへの水産-統計資料編(令和4年)-』
https://www.city.hachinohe.aomori.jp/material/files/group/31/hachinohenosuisanntoukeisiryouhennreiwa4nenn.pdf
農林水産省『令和5年度 水産白書』
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/R5/240611.html
福岡市『福岡市水産業総合計画(令和4年度~令和8年度)』
https://www.city.fukuoka.lg.jp/nosui/suisanshinko/life/suisangyoukeikaku_4-8.html
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