【画像】屋台

【経済・ビジネス短信@フクリパ】

〝福岡の観光資源〟屋台の福岡市内における経済波及効果は約105億円

全国初となる屋台基本条例を福岡市が制定して10周年となる今年・2023年、福岡市経済観光文化局は、「屋台の経済波及効果100億円を突破!」ということを発表しました。〝屋台の経済波及効果〟の中身について今回、解き明かしていきます。

福岡市の屋台での利用者は年間119万人、年間売上23億円

【画像】屋台

引用:福岡市発表資料(「屋台基本条例から10年 屋台の経済波及効果100億円を突破!」)

2023年11月現在の屋台数105軒(2011年時150軒)、11軒あたり利用者数45人(同30人)、年間の屋台利用者119万人(同116万人)、11回あたり屋台内消費額1,923円(同1,500円)、屋台全軒の年間売上高は22.9億円(同17.3億円)━━

 

今年・2023年は、全国初となる屋台基本条例を福岡市が制定して、10周年となる。202311月における屋台の軒数は、2011年調査時点から減って105軒となったものの、1軒1日平均の利用者数や屋台内での1人あたりの飲食費が伸びた。
その結果として、年間の屋台利用者数は前回を上回り、屋台全軒の年間売上高も前回比32.4%増の22.9億円、経済波及効果においても同97.2%増の104.9億円という大きな伸びを示している。

 

 

福岡市屋台基本条例には、「(屋台が)福岡のまちににぎわいや人々の交流の場を創出し、観光資源としての効用を有している」と記す。
屋台条例を制定してからの10年間における取り組みについて、定量的に検証する目的で福岡市経済観光文化局が実施した経済波及効果の推計によると、〝屋台の効能〟が明らかになった。

 

 

経済波及効果で粗付加価値額52.8億円、就業者誘発数551人

【画像】屋台

画像提供:福岡市

 

屋台内において飲食した人のうち、屋台を主な目的で福岡市を訪ねてきた人の割合は11.4%だった。
彼ら・彼女らは、福岡市に屋台がなかった場合、来福していない人たちとなる。
屋台が目的だった人々が、福岡市内で経済活動(宿泊、ショッピング、移動など)を行った総額は、63.7億円と試算する。
また、屋台以外の目的で福岡市を訪問した人たちは、市内交通費として3.6億円を支出していると推計される。屋台全軒の年間売上高22.9億円をはじめ、屋台を主な目標とした来訪者の経済活動額63.7億円、屋台以外の目的での訪問者の市内交通費3.6億円を加えた総計である福岡市内での最終需要額は、90.2億円だった。

 

福岡市産業連関表を使って、福岡市内における経済波及効果を計算したところ、104.9億円という数字がはじき出された。
104.9億円に上る経済波及効果によって福岡市内では、粗付加価値額52.8億円、就業者誘発数551人を創出している。

世界が屋台に注目。屋台公募制で経済波及効果1.6~2.3倍

画像引用:ニューヨークタイムズWebサイトより

画像引用:ニューヨークタイムズWebサイトより

 

屋台条例における改正の〝目玉〟は、公募制の導入だった。
202311月現在、総数で105軒の屋台が営業しているうち、公募屋台は41軒であり、残り64軒が既存屋台となっている。

 

公募制導入の効果として、公募制を導入しなかったケースを前提条件の幅が異なる2つの場合で試算比較した。
その結果、それぞれの経済波及効果が64.0億円、45.9億円であり、屋台の政策効果による経済波及効果は1.6ないし2.3倍の拡大効果だったものと考えられる。

 

 

また、屋台については、日本国内にとどまらず、海外においても福岡のプレゼンスを高める一因にもなっている。
アメリカの有力紙『ニューヨーク・タイムズ』紙は112日、特集「2023年に行くべき52カ所」を発表し、日本から福岡市と盛岡市を選んだ。
福岡市については、屋台に注目と関心を寄せて、屋台そのものを日本語読みに準じて「yatai」と表記している。
そして、福岡市については、「屋台(yatai)が並ぶ日本で数少ない場所」と紹介していた。

 

参照サイト

福岡市経済観光文化局「屋台基本条例から10年 屋台の経済波及効果100億円を突破!」
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/116008/1/kaiken2_yataikeizaihakyu.pdf?20231130090419

 

八尋和郎「福岡市における屋台の経済波及効果100億円を突破! 」
https://yokanavi.com/newyatai/column/vol04

 

共同通信47NEWS「盛岡、福岡は行くべき場所」 NYタイムズ、世界旅行特集で
https://www.47news.jp/8804213.html

 

ニューヨーク・タイムズ『2023年に行くべき52カ所』
https://www.nytimes.com/interactive/2023/travel/52-places-travel-2023.html

 

 

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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