「協働・共創の促進」「脱炭素ビルへの挑戦」「地域との共生」をコンセプトに打ち出す
画像提供:『(仮称)渡辺通二丁目プロジェクト』
福岡都心に緑地広場を望む、CO2排出量実質ゼロのオフィスビルが誕生━━。
九州電力株式会社、株式会社電気ビル、株式会社十八親和銀行(株式会社ふくおかフィナンシャルグループ傘下)、福岡商事株式会社の5社は、『(仮称)渡辺通二丁目プロジェクト』として、新オフィスビルを共同で建設する。
建設予定地は、九州電力株式会社が本店を構える渡辺通2丁目地区、電気ビル共創館の西側エリア。2025年度中の着工を目指して現在、詳細を検討している。
同プロジェクトは、「協働・共創の促進」「脱炭素ビルへの挑戦」「地域との共生」をコンセプトとして、新しい働き方への対応や再生可能エネルギーなどの利用によるCO2排出量実質ゼロを目指したオフィスビルを建設していくとする。
オフィスビルの建設に際しては、沿道の魅力づくりをはじめ、天然芝の緑地広場やカフェ棟を拠点として、地域の賑わいや交流促進などにも取り組んでいく。
そして、社会課題や環境課題の解決、さらに地域の活性化に貢献していくことで持続可能な社会の実現を目指すとする。
(仮称)渡辺通二丁目プロジェクトの発表資料では、次のように記す。
「エネルギー・金融を軸に幅広いソリューションの提供で地域のサステナビリティ経営の実践・浸透を進め、九州の発展を支援促進する両グループが、それぞれが有する経営リソースを活かすことで、地域に開かれた福岡都心のまちづくりを、関係者や地域のみなさまとともに進めてまいります」
なお、『建設通信新聞』公式ブログ(2023年9月27日)によると、「2012年2月完成の電気ビル共創館(S・SRC造地下2階地上14階建て延べ3万7792㎡)と同規模を想定している」「地区全体の面積は約3.6ha。容積率の最高限度は700%となっている」とのことだ。
渡辺通エリアは『福岡都心再生戦略』の〝戦略的行動エリア
渡辺通四つ角付近
福岡都市圏の成長を目指す産学官民の連携組織である『福岡地域戦略推進協議会』(FDC)が取りまとめた『福岡都心再生戦略』において、渡辺通を中心とするエリアは、〝戦略的行動エリア〟として位置付けられている。
FDCでは、渡辺通エリアのポテンシャルについて、学識者や会員企業らで議論を重ねて2022年6月、渡辺通ワーキンググループ(WGリーダー:九州電力)を設置した。
FDCの渡辺通WGでは2023年6月19日〜30日、実証実験『わたなベース ~スーツで行ける秘密基地~』を初開催した。
同実験では、渡辺通エリアのコンセプト案である「街をみんなのキャンパスに!」を体現する空間としてエリア内に〝働く・学ぶ環境〟を整備して、その効果と可能性について検証した。
天神四つ角から南へ約1キロの地点に渡辺通四つ角がある。福岡市中央区の行政地名の一つである渡辺通は、渡辺通1丁目から同5丁目で構成されている。
渡辺通地区の面積は、総務省統計局『令和2年国勢調査』境界データを用いて福岡市が独自に集計した公称町別面積によると、34.80ヘクタール。
また、福岡市の住民基本台帳(日本人)男女別人口によると、同地区内に2023年9月末時点で3,953人が居住する。
参照サイト
九電グループ、ふくおかフィナンシャルグループによる「(仮称)渡辺通二丁目プロジェクト」が始動します
-福岡都心に緑地広場を望むオフィスビルが誕生-
https://www.kyuden.co.jp/press_h230926-1.html
建設通信新聞 公式ブログ「【福岡市、渡辺通二丁目プロジェクト】3.7万平米規模のオフィス計画/九電ら」
https://www.kensetsunews.com/web-kan/877546
福岡地域戦略推進協議会「渡辺通エリアにみんなのワークスペースが出現!初めての実証実験を開催 渡辺通 WG 実証実験 vol.1 『わたなベース –スーツで行ける秘密基地–』の開催について」
https://www.fukuoka-dc.jpn.com/manager/wp-content/uploads/2023/06/20230606_watanabase_fn.pdf