福岡市について「経済と環境の魅力をさらに高めた」と評価
日本国内の136都市における『合計スコア』ランキング
引用:『日本の都市特性評価2023』(画像提供:森記念財団都市戦略研究所)
不動産開発大手・森ビル株式会社の関連である、森記念財団都市戦略研究所(竹中平蔵所長)は2023年7月13日、『日本の都市特性評価2023』を発表した。
同評価によると、東京23区を除く国内136都市において、前年3位だった福岡市は今回、1,138.3ポイントの名古屋市に次いで0.2ポイント差で第4位となった。
日本の都市を相対的かつ多角的に分析することで、各都市の都市特性(個性の力)を明らかにしていくとする『日本の都市特性評価』は2018年から始まり、今回で6回目となる。
同評価では、都市力を構成する要素として、6分野(「経済・ビジネス」「研究・開発」「文化・交流」「生活・居住」「環境」「交通・アクセス」)を設定する。そして、主要な要素である26指標グループの下、86指標をスコア化している。
「経済と環境の魅力をさらに高めた九州地方の中核都市」と評価する福岡市について、『日本の都市特性評価 2023』は、次のように解説する。
森記念財団都市戦略研究所
特に経済・ビジネスでは、「雇用・人材」や「人材の多様性」などでスコアを伸ばしたことで、同分野の順位を5位から2位まで高めた。
さらに今年は環境においても順位を上げており、「自然環境」における自然環境の満足度や、「快適性」における街路の清潔さで高いスコアを獲得している。
アジアのモデルとなる快適環境都市をビジョンに掲げる福岡市が、その環境の力をさらに伸ばしていくことに今後も期待がかかる。
福岡市はシングル・ファミリー・シニアの『人』視点評価でトップ
福岡市の都市特性に関するレーダーチャート分析
引用:『日本の都市特性評価2023』、(画像提供:森記念財団都市戦略研究所)
「各都市の都市政策立案に資することを目的に、日本の各都道府県における主要都市を対象に、都市の力を相対的かつ多角的に分析し、強みや魅力といった都市特性を明らかにした」とする『日本の都市特性評価』では、日本国内の136都市と東京23区を評価対象とする。
国内136都市については、政令指定都市、都道府県庁所在地(政令指定都市を除く)、人口17万人以上の都市が対象だった。そして、対象都市の強みや魅力を明確にするために各都市の特性をレーダーチャートやグラフを用いて可視化している。
各分野での指標評価に加えて、都市の特性を『人』の視点で評価するために「シングル」「ファミリー」「シニア」「観光客」「経営者」「従業者」という6つのアクターを設定してスコア化した。
『日本の都市特性評価2023』において福岡市は、シングル、ファミリー、シニアの3アクター別スコアでトップを獲得している。
また、『日本の都市特性評価2023』では、居住者や非居住者が抱いている「都市のイメージ」について、アンケート調査での単語や文章を基に多角的に分析していく『都市のイメージ調査』を特集研究として実施している。
福岡市における都市のイメージ調査では、「住みやすい」「都会」「自然」「美味しい」「便利」「食べ物」「コンパクト」「海」「山」「田舎」という用語が上位を占めた。
現在、新たな総合計画づくりに向けて動き出した福岡市において、今回の調査結果は、自らの都市特性を生かしていきながら、『磁力』や『発展性』を備えた都市戦略を作成していく上で〝羅針盤〟になり得る存在だといえそうだ。
参照サイト
『日本の都市特性評価2023』調査研究ページ
http://www.mori-m-foundation.or.jp/ius/jpc/index.shtml
『日本の都市特性評価2023』特集研究『都市のイメージ調査』
http://www.mori-m-foundation.or.jp/ius/cps-jpc/index.shtml
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