福岡県が北海道を逆転、3年ぶりに全国トップに返り咲く
【 都道府県の路線価上昇率トップ5 】
◎第1位:福岡県5.8%増
◎第2位:沖縄県5.6%増
◎第3位:東京都5.3%増
◎第4位:北海道5.2%増
◎第5位:宮城県5.1%増
国税庁は2024年7月1日、相続税や贈与税の算定基準となる同年1月1日時点における路線価を発表した。
全国にある約31万5,000地点の標準宅地における路線価の全国平均変動率は、前年比で2.3%増だった。
都道府県別の路線価においても29の都道府県が、前年を上回っていた。
全国47都道府県における路線価の上昇率トップは、前年比5.8%増の福岡県だった。
昨年の路線価上昇率で第2位だった福岡県は、北海道を抜いて3年ぶりに全国首位となった。
福岡県では、福岡市の都心再開発促進策である『天神ビッグバン』『博多コネクティッド』などによって、中心市街地の土地価格が上昇している。
そして、旺盛なマンション需要は、割安感のある土地を求めていって福岡都市圏の地価も押し上げた。
福岡県に続く第2位は同5.6%増の沖縄県だった。
以下、同5.3%増の東京都、同5.2%増の北海道、同5.1%増の宮城県が連なる展開となっている。
国税庁では、コロナ禍からの回復でインバウンド需要が好調なことに加えて、全国的に再開発が進んでいることなども要因となって路線価を押し上げているとする。
なお、今回の路線価において、2024年1月1日に発生した能登半島地震の影響は反映されていない。
このため、国税庁では、能登半島地震の被災地において、路線価に『調整率』を適用することを発表した。
調整率とは、被害の大きさに応じて評価額を10~45%引き下げるものだ。
今回の適用は、阪神・淡路大震災や東日本大震災、熊本地震、西日本豪雨などに続いて7例目となる。
一方、東京電力福島第1原発事故によって、帰還困難区域に指定されている地点においては、前年に引き続いて算定困難として、価格をゼロとしている。
出所:国税庁『財産評価基準書路線価図・評価倍率表』
福岡市・渡辺通りは都道府県ごとの路線価の高い地点で全国第5位
出所:国税庁『財産評価基準書路線価図・評価倍率表』
全国の路線価における最高価格は、39年連続で東京都中央区銀座5丁目の文具店鳩居堂前にある『銀座中央通り』だった。
銀座中央通りの路線価は、1平方メートルあたりで前年比3.6%増の4424万円だった。
一方、福岡県内における最高路線価は44年連続で福岡市中央区天神2丁目の『渡辺通り』であった。
渡辺通りの1平方メートルあたり路線価は同4.4%増の944万円となっている。
そして、福岡市・渡辺通りは、都道府県ごとの路線価の高い地点として、全国のベスト5にランクインしている。
また、福岡県内にある18税務署管における最高路線価は、リーマンショック以降で最多となる13地点での上昇を記録した。
なお、不動産の相続税評価額については、タワーマンションなどの不動産購入による過度な節税に対する国税当局の追徴課税が最高裁判決で違法となった。
このため、2024年1月1日以降のマンション相続における評価額は、従来の4割程度から6割以上に引き上げられている。
出所:国税庁『財産評価基準書路線価図・評価倍率表』
参照サイト
国税庁『財産評価基準書路線価図・評価倍率表』
https://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm
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