「このうまさは食べんとわからん、わからん」
「ん〜!まるさがぁ、ピシャッとついとう!」
福岡県民なら誰でも知っているこのCM。そう、福さ屋です。「マイク! 時間たい!」という焦るおばあちゃん店員の声とともに、9時の時報が始まるバージョンも有名ですよね。
疑問に思ったぼくはTwitterで尋ねてみました。
https://twitter.com/ZuleTakuma/status/1500410543932264455
CMを見たことがある人は98%もいるのに、食べたことがない人は過半数。この事態を福さ屋はどう思っているのか。
気になったぼくは、博多駅そばにある、福さ屋の本社へ向かいました。

福さ屋の佐々木副社長に、インタビューさせていただきました。
大塚
福さ屋さんって、かなり大手のイメージがあるんですが……。

佐々木副社長
いえいえ、そんなことはありません。福岡県内のメーカーの認知度でいうと、福岡県内でもっとも高いんです。ただし、シェアだとそうでもないのが実情でして……。
大塚
やはり知名度の高い要因はCMですよね。

佐々木副社長
CMは大きいでしょうね……。CMは基本的に、「ピシャッとまるさがついとう!」という通常CMと「3、2、1 ピシャッ!」の21時時報の2種類ですね。

大塚
これ、ぼくが子どもの頃から変わっていないような気がするんですけど、相当古いですよね。

佐々木副社長
そうですね。もう30年以上流していると思います。もう、福岡県民の間でもイメージが根付いているので、変えられないなと思いますし、変えるつもりもありません。
大塚
福さ屋で新商品が出た時に、新たなCMを流すということも、これまではなかったんですか。

佐々木副社長
これまではないですね。おばあちゃんとマイクのCM一本です。本当はやった方がいいのかもしれませんが……。宣伝上手な会社ではないもので。
大塚
でも結構看板も見かけますし、むしろ「宣伝上手」な印象でした。
▲福岡空港前のネオン看板
佐々木副社長
宣伝や広告に関しては、基本的なことをしっかり続ける、という感じですかね。あまり細やかなプロモーション戦略があるわけではないんですよ。

大塚
あのCMを作ったのはどなたなんですか?

佐々木副社長
制作したのは地元の広告代理店と、創業者である現会長の佐々木吉夫と当時の専務ですね。
大塚
代理店任せにCMを作ったのではなく、佐々木会長や当時の専務もけっこう意見を言って作ったということですか。

佐々木副社長
それは間違いないですね。会長は広告宣伝や商品、企業イメージに人一倍気を遣う人ですし、非常にアイデアマンです。弊社の「辛子めんたい」というロゴや、パッケージもけっこう特徴的だと思うんですが、会長が作りました。
▲ロゴやパッケージデザインは会長考案
大塚
味づくりと同じように、他のことにも真剣に向き合っていたんですね。

佐々木副社長
会長はCM撮影の現場にも立ち会い、演技指導もしたと聞いています。これが当時のネガです。

大塚
うおー。すごい。貴重じゃないですか。でもこれ、今のCMの風景と若干違いますよね?

佐々木副社長
そうですね。このポジは初代CMの撮影現場で、博多駅の売り場で撮ったものです。外国人役はトーマス・ハッチさんという英語教師の方。今放送されている分は、マイケル・ロドリゲスさんという佐世保米軍基地で勤務されていた方なんです。
大塚
今のCMは二代目なんですね。おばあちゃんは何者ですか?

佐々木副社長
若尾のぶ子さんという、当時とある劇団の座長を務めていた方です。会長と親しいお付き合いのある方で、おそらく会長から推薦があったんじゃないでしょうか。
大塚
あのロケ地は現本社下の直売所ですか?

佐々木副社長
いえ、このビルは建って14年くらいで……。その前は、博多駅南に本社がありました。
大塚
そうなんですね。ここだと思い込んでいました。
▲ロケ地は本社下のここではない
佐々木副社長
正直なところ、あまりCMに関して、はっきりした記録が残っていなので、会長や元専務からの聞きかじりです。
>>次ページ: 福さ屋の認知度はなぜ購買に結びつかない?!
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