買い物が楽しいまち福岡【商業施設特集】

「マリノアシティ福岡」九州最大級のアウトレットモールのショッピングだけじゃない3つの魅力【福岡市西区】

日本各地にあるアウトレットモールでは、ショッピングと観光をいっしょに味わえるところも多いですが、2000年に創業した福岡市西区の「マリノアシティ福岡」(以下マリノア)は、博多湾をのぞむ海沿いにあり、福岡らしいリゾート感を満喫できるスポット。近年続々とエンタメ施設も拡充されているマリノアのユニークなトライを振り返りながらおすすめの楽しみ方を紹介します。

【魅力❶】九州最大級のアウトレット!リゾート+ショッピング+エンタメ

九州最大級のアウトレットモール・マリノアシティ福岡は、福岡市の中心部・天神からバスで約30分で到着でき、ヨットハーバーである西福岡マリーナに隣接。
海をのぞむリゾート感満載のロケーションでもあることから、2000年創業時のキャッチコピーが「アーバンリゾートエンターテインメント施設」

2004年にアウトレットⅡ棟、2007年にⅢ棟と増床を重ね、今や約160の店舗・施設が並びます。
ボードウォークでのんびりとリラックスできる雰囲気を表現するなら、「海と風と空のアウトレット」というコンセプトがもっともしっくりきます。
天気がいい日にはショッピング以外でも行きたくなります。


右手に見えるのが西福岡マリーナ。奥には、博多湾をのぞみ、港のような雰囲気も漂います


緑も多く、風を感じながらショッピングできます

2019年には、国内最大級の屋内型スポーツ・アスレチック施設「ノボルト」が登場。
約4000㎡の広さの中で、九州初導入を含む、16種のアトラクションで思いっきり遊ぶことができます。


高さ20mを有する「ノボルト」。天気を気にせず、楽しむことができます


手前にみえるのが子ども大人も楽しめる「アスレチックメイズ」。奥が「ロープマウンテン」


「ロープマウンテン」は、室内としては国内初の4階層の高さ。ハーネスをつないで、空中で44種類ものアスレチックを楽しむことができます


余裕があるように見えますが、13mの高さから滑空する「バードグライダー」はスピードに加え、コーナーをまわるときは遠心力を体感!人気のアトラクションなので、到着して早目に予約を


公式のスポーツクライミングの大会も行われる規模の「スピードクライミング」。ルートは初級、中級と設定されています


サイバースポーツゾーンでは、デジタルとスポーツを融合させたさまざまなアトラクションが楽しめます

通常プラン(2,700円〜)より安い学生向けのスクールプラン(1,500円〜)があるので、高校生、大学生が多いとのこと。リピートするファンが多いのもよくわかる、時間があっという間に過ぎるエンタメ施設です。

【魅力❷】きめ細やかなターゲット別対応でリポーター&ファンを創出

現在来館者は年間550万人程度。
コロナ禍の前は、休日ともなると2300台の駐車場は満車となり、賑わいをみせていました
開業当時は、20代〜30代を中心に若者がショッピング+デートスポットとして楽しまれていたマリノア。

20年を経た現在では、創業当時のお客様が40代となり、家族で訪れるという構図で、このファミリーがメイン層
その他、地元住民の幅広い年代、福岡都市圏外の旅行者も集客しています。


小さな子どもがいても気兼ねなく楽しめるフードコート。子ども服やニトリなどファミリーで楽しめる専門店、観覧車やゲームセンターなども近くのエリアにあります


家族で楽しめるアウトドアライフスタイルを提案する「ロゴスショップ」。キャンプ用品からアパレルまでリーズナブルに揃うのが嬉しい


ジャパネットたかたの日本初唯一の体験型店舗「ジャパネットレクリエーション ラボ」。テレビショッピングの商品をお試しでき、その場で購入もできます

私がマリノアについて素晴らしいなと思うのは、常にターゲットの視点を大切に、マーケティングを行っている点です。

「商業施設として当たり前」と思われるかもしれませんが、来館者調査やヒアリングなどを綿密に行い、次に活かす動きが常にとられていると思うのです。

私の専門分野であるインバウンド(外国人旅行者)の集客、対応に関しても同様で、私が関わっただけでもかなりあります。

2014年当時から、店舗スタッフに対して外国人旅行者の傾向や各国別の独特の習慣をまとめたインバウンドニュースを作成してテナントスタッフに発行。

店舗スタッフを集めての研修を行い、「この時にはどのように対応すればいいのか、POPはどうすればいいのか」など、各国の在住外国人を集めて直接きいてもらい、現場接客につなげていきました。
 
2016年、2017年と続けて、外国人の来館者調査も行いました。公共交通機関では何を使っているのか、不満に思っている点は何か、どうやって認知したのかなど。その分析を次の施策に反映していきます。
 
外国人だけでなく、福岡による観光客がほとんど立ち寄る「キャナルシティ福岡」からマリノアを結ぶ無料シャトルバス(現在は運行していない)は、その一例です。


天神、博多駅などからアクセス便利なバス停。外国人にもわかりやすい乗り方への説明がなされています

アクセスやフロアガイドは、英語、韓国語、中国語(簡体字・繁體字)だけでなく、ほかではあまり見られなかったタイ語もいち早く導入。各国の嗜好性にあわせたPV動画やリーフレットなども手がけられていました。
 
時代の流れを捉えるマーケティングについて、池上英樹支配人と安部正晴副支配人におききしました。(肩書は2021年2月取材当時)


池上支配人

池上支配人

「ノボルト」開業によって、小中学生、高校生など若い層を集客できるようになりました。
この「ノボルト」をフックに、アウトレットでのショッピング、次の来場動機につなげたいと思っています。
これは数年前から始まった「未来マリノア」というプロジェクトの中から生まれたもの。

5年後、10年後を見据え、エンターテインメントの新しい何かを作りたいと海外に視察にも行っていたなかで、最終的に「相模湖リゾート プレジャーフォレスト」を屋内でできないかということで進んだものです。
これからももっとリゾートとして、非日常を味わえるような施設にしたいと考えています


安部副支配人

安部副支配人

マリノアシティ福岡、キャナルシティ博多、リバーウォーク北九州、木の葉モール橋本の4施設で使える『f-JOYアプリ』が2020年に誕生しました。
ポイントカード機能、クーポン機能やPUSH通知機能、4施設のWEBサイト閲覧機能を集約し、スマホ一つでショッピングやお食事が楽しめるようになりました。

リアルタイムにSNSでの発信などは行っていたのですが、このオウンドメディアでお客様にお伝えするチャネルを増やすことができました。

アウトレットなので、一定の在庫があるわけでなく、ここならではのオリジナルやユニークなイベントもあるのでお伝えできたらと。
また、4施設で総額1千万円相当の賞品が当たる抽選会も会員限定で行いました。時代の流れに沿った動きだと思います

【魅力❸】 実は“マルシェ”の先駆者!地域連携&アウトレットの原点にたち、ここにしかない楽しさを

人々の消費傾向が「モノからコトへシフト」と言われて久しいですが、ここマリノアはいち早く「コト」イベントを手がけていました
地域連携ですすめるノウハウも持ったマリノアは、リゾートとして、アウトレットとして今後ますます目が離せないスポットに。お二人にこれからのマリノアについて語っていただきました。

池上支配人

若者をはじめ、みなさんが来たくなるようなイベントも手がけていきたいですね。
思い返せば2004年にスタートした『九州のムラ市場』は、今の時代だったら大人気になるはず。

“九州の地産地消”をコンセプトに、九州一円からセレクトした生産者からの産直市場は、旬にあわせて生産者や商品も変わり、交流イベントもあって、今盛んに行われている「マルシェ」の原型でないかとも言われています。

JA筑紫、糸島の人気スポット「伊都菜彩」とも連携してマルシェも行っていましたので、野菜、食べ物だけでなく陶芸など拡大してやっていきたい
そのノウハウとネットワークは持っていますから


まるでハワイのファーマーズマーケット?のようなリゾート感あふれるマルシェ


日本全国各地から厳選した”絶品アイス”が集結するアイスクリーム万博。「あいぱく」を2019年に初開催

安部副支配人

2020年の11月からは福岡の西の拠点・西新からマリノアシティ福岡、小戸公園そばの『ヒナタの杜小戸の湯どころ』を結ぶ無料送迎バス『クルットバス』を運行しています。

西新は住宅地で学生も多いところで、車でなくてもショッピングやスポーツ温浴リラックスやグルメが楽しめるようになっています。近隣エリアで連携して、この地域に集客しようという目的です。

観光客の方にももちろん利用いただけます。今後は福岡市西のシーサイドリゾートとして、福岡タワーや能古島などとも連携して、『福岡に来たならここへ』足をのばすように様々な魅力発信を続けたいと考えています。


https://www.marinoacity.com/files/_pdf/cluttobus_timetable02.pdf

池上支配人

2020年は20周年だったけど、コロナでほとんど仕掛けられませんでした。
今後は楽しいイベントも仕掛けていきたいですね。

そもそも『ショッピング=エンターテインメント』。
アウトレットで販売しているのは一点物が多く、通販ではゲットできない掘り出しものもあり、差別化できると考えています。以前行っていた『アウトレットレジャー』(宝探しの数日間)というフェアも新たに仕掛けて、定着させていきたいですね。

わざわざここまで来てもらった方に、ショッピングで満足してもらい、買わなかった方も開放的な空間でリラックスして、『また来たい』と思ってもらえる施設にしていきたい。

取材を終えて

何を隠そう、私は福岡市西エリアに住んでおり、マリノアのファンなのです。

何もすることがない時にふらりと訪ねて、お茶をしたり、ボードウォークでのんびりしたり。この開放感がほんと福岡らしいのです。そして、予想もしなかった掘り出し物をゲットできたときの満足感がたまりません! 

オンラインでほぼいろんなことができる今の時代に、リアルなショッピングはまさにエンターテインメント体験だと実感します。福岡タワーがあるももち浜〜能古島〜マリノアシティ福岡〜小戸は、都心部に本当に近いシーサイドリゾート。クルットバスを組合せて公共交通機関でも楽しむことができるようになりました。

車を持っていない、旅行者でもバスや地下鉄、無料送迎バスなどさまざまな手段でアクセスできるので、ぜひ足を運んでリゾートしましょう!

■マリノアシティ福岡
福岡市西区小戸2-12-30
TEL: 092-892-8700
HP: https://www.marinoacity.com/

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編集者
帆足 千恵
福岡のタウン情報誌の編集者として1990年代から海外30カ国、60エリアを取材し、世界の旅行情報を発信。2001年より外国人旅行者向けの編集制作や企画、調査、マーケティング、プロモーションを行い、九州インバウンドのパイオニア的な存在。2020年4月 海外旅行情報サイトを公開予定。

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