意外と多い?!福岡発のファッションブランド
街を歩けば、たくさんのお洒落な方たちとすれ違う福岡。
しかし、意外と知られていないのが、福岡にアパレルメーカーが幾つも存在することです。
平成28年経済センサスより
福岡市内には約450社の繊維・衣服卸売業の企業があり、全国の政令指定都市で第5位。
また、コロナ禍前には、福岡に春を告げるイベントとまでいわれていた、「ファッションの街・福岡」を街中で楽しむイベント『Fashion Week Fukuoka』が行われ、2018年には9日間で述べ540,000人を動員(Fukuoka Factsより)するなど、ファッションとの親和性が高いんです。
福岡アジアファッション拠点推進会議▶https://products-kyushu.com/works/160/
中には業界で一目置かれるほどの確かな技術で服作りをする老舗、新しい手法で企画・販売するユニークなカジュアルブランドなどあり、実にさまざまです。さらにはそんな福岡のファッションを福岡の人に着てほしいと、意欲的にセレクトするショップもあります。
さぁ、「Made in Fukuoka」のファッションを知って、着て、楽しんでみませんか。年齢も体型も関係ありません。福岡人の明るい地元愛で、軽やかにお試しあれ。
アフガンストールなどのリメイク小物からスタートしたブランド
大名の片隅にある小さなビルの2階。
壁にたくさんの色糸がアートのように並び、棚にはさまざまな種類の生地、そして中央の作業台には手を動かし続ける女性たち。
そこは「彼女のすべてについて」という意味が込められたブランド『RehersalL』(リハーズオール)を展開する、ワンダーカンマー社のアトリエ兼オフィス。
ブランド誕生は約15年前、当時トレンドだったアフガンストールなどのリメイク小物からスタートしたといいます。
「その頃からレースを挟んだりパッチワークしたり、紅茶染も行っていました。それから軍モノや古着のリメイク、オリジナルも作り、広がっていきました」と企画デザインを担当する屋久奈保(やひさなお)さん。
左からワンダーカンマーの野田さん、屋久さん、有村さん。専門学校で学び、縫製、販売、企画など経験
屋久さんと代表の福山さんは9年ほど前に当初のブランド運営会社から『RehersalL』(リハーズオール)を引き継ぎ、「ワンダーカンマー」を起業。
“驚異的な小部屋”というドイツ語で「中世のオタクな貴族が骨董品や珍奇なもの、例えばペガサスの羽根のような(笑)変わったものをコレクションした小部屋のことだそうです」と屋久さん。この空間にピッタリ!のネーミングです。
「人の手が入っている感じが好き」。ミリタリーなどの古着を大人可愛くリメイク
古いアイテムから“可愛い”を引き出して、今の時代に沿うようリメイクされた『RehersalL』(リハーズオール)の服。いわゆるアップサイクルで、そこに手作りの温かさとユニークなデザイン性、さらに彼女たちから湧き出る「楽しさ」も加わり独特の雰囲気があります。
素材となる古着には同じ状態のものはひとつもないので、どの服もほぼ一点であるのも魅力です。
現在メンバーは社員、パートの6人で全員が女性。ファッションが大好きでアパレル業界で経験を積んできた人たちばかりです。「古着から使えるものを探し出して、その可愛い部分をどんなふうに生かすか?を常に考えています。オリジナルも作りますがディテールに古着っぽさを出したり、洗いをかけて柔らかくしたり染めたり。全然新品らしくない(笑)。人の手が入っている感じが好きなのです」
何種類もの色柄の生地を合わせた今シーズンおすすめのパンツ
『RehersalL』(リハーズオール)の服作りは、個人の縫い子さんたちにも支えられています。最高齢は80代、以前は自分のブランドを持っていた方もおられるそう。
「皆さん生地の違いを読み取ってくれるキャリアある方たちです。その方たちと細かくやり取りをしながら、全体の完成度を揃えています」
起業した9年前、ブランドが先行していたため取引先はありました。
しかし、皆20代半ばで、服は作れるけれど売り上げを安定させるスキルがなく、難しいことが多かったそう。そこで営業を他社に委託して、ブランド作りに専念。でも、好きなものを作るだけでは、バランスがとれなかったといいます。
コロナ禍を機に体制を見直して、営業も自分たちで行うことに。「お客さまを直に知ろう」とオンラインショップ、SNSも開始しました。すると徐々に売上が安定して、取引先も広がりはじめたそう。海外からも問い合わせが入るようになり、現在は台湾、香港でも展示会を行っています。
大名の片隅で企画から染色まで手掛け、古いものに魔法をかけるような服作りをしている『RehersalL』(リハーズオール)。
「福岡の皆さんにこんな身近なところでお洋服を作っているのを知って、親しみを持ってもらえたらうれしいです。今年は蔵開きならぬ、“アトリエ開き”をやる予定です。インスタで告知しますのでチェックしてくださいね!」
『RehersalL』(リハーズオール)2023春のおすすめアイテム
小学生の頃から「デザイナーになる!」と言っていたという屋久さん。福岡の人のファッションについて尋ねると、
「福岡はこぎれいな人が多いと思います。古着を着ていてもまとめ方がきれい。子どもを保育園へ送り迎えするときに出会う“園ママ”たちも、とてもおしゃれです。そしてどの世代の方も、おしゃれの仕方が上手いなぁと感じますね」
そんな福岡の人におすすめしたい、『RehersalL』(リハーズオール)2023年春のアイテムをご紹介いただきました。オンラインでも取り扱いがあるので、ぜひチェックしてくださいね!
ミリタリードッキングシャツワンピース(33,000円/税込)
ミリタリーシャツのデッドストックとチェコ軍エプロンなどを色調を合わせてまとめたワンピース。エプロンの紐は前で軽く結んだり、ギャルソンエプロンのようにぐるりとひと巻きしたりもできます。
ボタニカルレースボレロ(23,100円/税込)
葉や幹のモチーフを使用したボタニカル柄の総レースのボレロです。肩のラッフルの端やリボンの端に金糸でステッチが施され、細かなディテールまで美しい1着です。
プリーツフリルタンク(22,000円/税込)、プリーツフリルパンツ(28,600円/税込)
古着のプリーツトップスをパッチワークして繋ぎ合わせてタンクトップとパンツです。1点1点柄の組合せが異なり、縫い目が表に出るデザイン。逆に裏側がスベスベで着心地、履き心地が気持ちよく感じます。パンツはウエストゴム、紐付き、サイドポケット付きです。
BDUフリルジャケット(26,400円/税込)
『RehersalL』(リハーズオール)で人気の、BDU(battle dress uni foam)ジャケットのリメイクアイテム。ミニタリーのハードな生地に、丸首やフリルなど女性らしいディテールとシルエットを取り込んだ甘辛mixジャケット。パンツにもスカートにも合います。
スニーカー(18,700円~22,000円/税込)
ナイロン素材のリボンスニーカー(18,700円/税込)と、エコレザーと古着のプリントシャツの端切れをリボンにしたレザーノットスニーカー(22,000円/税込)。リボンスニーカーはバックル付きでベルト調整可能です。
バッグ(14,300円/税込)
米軍M88フリッツヘルメットのカバーをリメイクしたバッグ。元の仕様を活かしつつバッグとしてカスタムされています。肩紐は米軍ジャケットのライナーの生地をベルト状に仕上げ、ボタンで3段階の長さ調整ができます。メッシュの内袋付き。
『RehersalL』(リハーズオール)の詳細情報
HP:https://rehersall.thebase.in
Instagram:@rehersall(https://www.instagram.com/rehersall/), @rehersall_online(https://www.instagram.com/rehersall_online/)
福岡市内の『RehersalL』(リハーズオール)取扱店
【カオスボヘミア】
住所:福岡市中央区大名1丁目1-20 nanpuビル1・2F
電話:092-738-7727
HP:https://www.chaosbohemia.com
【キートス】
住所:福岡市中央区今泉1丁目2-2 天神プレイス イースト棟
【エイプリル】
住所:福岡市中央区天神2丁目10-3 VIORO地下2階
電話:080-7981-5543
Instagram:@april.fuk
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