1バス停単位で福岡を切り取る「バス停から愛」 

苦しければ苦しいほど尊い。マニアの憧れ「四箇田団地入口」バス停

一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡市のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。 連載5回目は「バス停から愛」という初心にかえり、「四箇田団地入口」から出発します。

「バス停から愛」を謳っておきながら、2回も特定のバス停を紹介しなかったことを反省し、今回はいきなりバス停時刻表から始めます。

>>前回記事:推しを見つけよう!今日から西鉄バスの車番に注目です
>>前々回記事:にしてつバスナビアプリの「ついせき」を駆使せよ!バスストーカーのススメ

ご紹介するのは、発着本数が福岡市でいちばん少ないバス停「四箇田団地入口」です。

ご覧の通り、1本しかありません、しかもバス停は片側だけです。反対方向に走るバスすらない区間です。




1日1本の貴重な走行写真

だからといって、ものすごく僻地とか秘境とかではなく、普通の住宅街です。
バスがいても普通の風景に見えますが、これが始発で、かつ最終バスです。

このバス停を通るバスは1本ですが、すぐそばの交差点までは、頻繁にバスが来ています。


おっ、来た来た

と思えば手前で曲がって、四箇田団地方面に行くバス

もともとバスはこの道を直進し、南側にある金武地区へ行っていました。その当時は、たくさんのバスがこの「四箇田団地入口」バス停を経由していたのです。

しかし、東側にある四箇田団地のほうが乗降客を見込めるという判断で、いつからか全てのバスがそちらへ曲がるようになりました、1本だけを除いて

北側の交差点で四箇田団地方面へ曲がったバスは、南側の交差点から現れます。まるでこのバス停だけを避けたかのようです。

さっきのバスが南側の交差点から現れる。なんだか切ない

さて、バスマニアの楽しみの一つとして、「全ての路線に乗車する(通称:完乗かんじょう)」というものがあります。
完乗に挑戦する場合、こういう難易度の高い区間は、憧れの存在として注目され、優先的に乗車する人も多いです。

マニアというのは、自身の趣味に関する活動が「苦しければ苦しいほど尊い」と感じるのかもしれません(笑)。

そんなマニア好みのバス停、皆さまもいちどお越しください。

【基本情報】
・バス停名:四箇田団地入口(しかただんちいりぐち)
・住所:〒811-1103 福岡県福岡市早良区四箇2丁目2 map
・天神からの行き方例:
 「天神警固神社・三越前 (六本松方面)」から201番に乗車、約40分、470円
・博多からの行き方例:
 「博多バスターミナル1F (4のりば)」から201番に乗車、約53分、530円

***

>>新連載「バス停から愛」とライター沖浜さんの紹介記事はこちら

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バス路線探検家
沖浜貴彦
1972年生まれ・福岡在住。路線図に描かれた終点を想い、途中の狭い区間を苦心して走るバスに愛を注ぐ変態。ブログ「ほぼ西鉄バスの旅」を2008年に開設、日々愛を持ってバスを追いかけ続ける。毎月第二金曜・第四土曜日はバス趣味の現況を共有するサロン「バス路線探検家の会」を運営。

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