そもそも、ライターってどんな仕事?媒体や雇用形態についても解説
ライターとは、ひとことで説明すると「文章をかく」仕事です。しかし、ただ単に文章をかくだけではなく、依頼された内容に沿った文章を作成することがライターとしての条件。
主婦ライターとは、家事の合間に主に在宅で執筆業を行う主婦のことを指します。ちなみに、昨今よく耳にするママライター。こちらは、ママ向けメディアに寄稿する、自身も子育て中のライターことを指します。
・執筆する媒体について
雑誌やフリーペーパーなどの紙媒体、ニュースサイトや企業のオウンドメディアといったウェブメディアなど、多種多様です。近年ではブログの代筆やSNS更新など、簡易的な仕事も増えています。
・雇用形態などについて
出版社や編集プロダクション(編プロ)、ウェブメディアを運営する企業に所属するほかに、フリーランスとして様々な媒体で執筆するというやり方も。
なぜ主婦やママから注目されているの?メリットとデメリット
フリーランスとして活動する場合、自分自身で作業時間を調整しながら在宅で活動しやすいことが最大のメリット。そのほか、自身のライフスタイルやライフステージに合った媒体を選ぶことで、身のまわりの事象をそのまま記事に活かせるのもポイントです。
また、ここまでウェブが進化する前は紙媒体が中心だったので、ライターになるには、知識や技術が必要でしたが、昨今ではウェブ媒体が増えたことにより、簡易的な仕事でデビューすることが可能になりました。
〈メリット〉
■在宅ワークが可能
案件を選べば、完全在宅ワークにすることができます。さらに、家事や育児に忙しい時期は仕事をセーブし、そうでない時期にガッツリ稼ぐことも可能です。
■必要なのはパソコンとネット環境のみ
開業するハードルが低いのがライターの特徴です。「パソコンを持っている」「ネット環境が整っている」この2つの条件さえ満たしていれば、最低限の作業は可能。ですから「まず、やってみる」ということができるのがポイントです。
■未経験でもやり方次第で稼げる
資格や免許なども必要なく、思い立ったその日から仕事を受注することができます。継続的に仕事をいただけるようになれば、再就職の際のアピールポイントにもつながり、職種の幅が広がるはずです。
■主婦としての経験が活かせる
家事や育児に追われていると、なかなか外に出て積極的に学ぶ機会もなく、新しい経験は積みにくいもの。しかし主婦ライターの場合、育児や家事などの専門的なウェブメディアで執筆したりすることで、ご自身の経験をそのまま活かしたリアリティ溢れる記事を書くことができます。
〈デメリット〉
■確定申告などの手間が増える
フリーランス(個人事業主)の場合、一定の収入を超えると、自分で確定申告をする必要があります。青色申告と白色申告と2つの形式が存在します。青色申告の場合は事前申請が必要、かつ、細かい帳簿の作成やさまざまな書類が必要になります。
・確定申告とは?
確定申告は、自分が支払うべき所得税の額を計算して、その内訳を税務署に申告するものです。
・青色申告のメリット
最大65万円の特別控除を受けられる
青色申告をする場合、「簡易簿記」「複式簿記」どちらかの簿記方式を選択する必要があります。「簡易簿記」の場合、所得税の計算時に事業所得から、青色申告特別控除として10万円を控除することが可能です。さらに「複式簿記」で帳簿をつけ「損益計算書」と「貸借対照表」を作成すれば、青色申告特別控除55万円(電子申告等をすれば65万円)の適用を受けられます。
赤字の場合は最長3年繰り越せる
事業で赤字が出た場合、3年まで赤字を繰り越せます。翌年以後に発生した所得額(黒字の金額)と相殺し、税負担を抑えることができます。
自宅の家賃や電気代も経費になる
自宅の一部を仕事場として使用している場合、家賃や電気代の一部も経費扱いにすることができます。
・白色申告のメリット
記帳などの手間がかからない
青色申告に比べて、記帳や経費処理の仕方が簡単です。
■扶養について考えなければならない
「103万の壁」ということばを聞いたことはないでしょうか。パートやアルバイトの場合、扶養から外れる所得のラインが103万円だといわれています。個人事業主の場合は事業所得が48万円を下回れるかどうかが壁になります。
主婦フリーランスが配偶者控除を受けるためには、その年の12月31日時点で次の4つの要件をすべて満たしている必要があります。
◎納税者と生計を一にしていること
◎年間の合計所得金額が48万円以下であること
◎青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていない、または白色申告者の事業専従者でないこと
・扶養内で働くメリット
社会保険料を支払わなくてよい
夫が会社員の場合には、夫の会社の社会保険の扶養に入れるため、国民健康保険と国民年金の保険料は負担しなくてよい。
配偶者控除や配偶者特別控除を受けて税金が減る
妻が配偶者控除や配偶者特別控除の対象になる場合、夫が負担する税金の額が減ります。
・扶養内で働くデメリット
扶養に入った人の年金が少なくなる
扶養に入った配偶者は、自身の年金を支払わなくても国民年金を受けることができるようになりますが、受給を受けられる年金は国民年金だけとなるため、少なくなります。
※確定申告や扶養について、一部の細かい条件や金額を省略し、大枠のみ解説しております。詳しくは、専門のサイトを確認するか、税理士さんにご相談ください。
■主婦ライターは多く、差別化が難しい
注目されている職種ということは、それだけ競争相手が多いということ。その中で個性を発揮して働くのは至難の業。主婦になる前に、金融系や介護系など専門性の高い職に就いていたなど、強みになる経験があればいいですが、そうでない場合は、差別化が難しくなります。
■安く買い叩かれやすい
大人がなりたい職業ランキングで1位(※)を獲得したりと、やりたい人の母数が多いのがライターの特徴。だからこそ、実績がない場合は、相場よりはるかに安く買い叩かれることも。報酬が低いメディアは、管理体制もしっかりとしていないケースも多く注意が必要です。
※「大人のなりたい職業」に関するアンケート調査
■働く時間の調整が難しい場合も
家事や育児をこなしながらライター業をする場合、自然と自分の時間は削られます。しっかりと仕事の量を調整しなければ、睡眠時間を削ることになってしまったりすることも。また、基本固定の職場はなく在宅作業になるので、仕事を通しての友達はつくりにくく、悩みを相談したりするような外部のコミュニティと関わることが大切です。
ライターに必要なスキルとは?文章力以外の能力が必要だった!
・ワードなど、基本的なパソコンのスキル
在宅で仕事をする場合が多いので、ワードやエクセルなどはもちろん、Googleドキュメントなどのツールが使えるかどうかが重要です。また、クライアントとの連絡も、メール以外にChatWorkやSlackなどのチャットツールが使われることも多いので、そういった新しいツールにも対応できる最低限のパソコンスキルが必要になります。
・正確に伝える文章力
自分にどの程度の文章力が備わっているのかを理解するのはなかなか難しいかもしれませんが、ライターに必要なのは、物事を正確に伝えるスキル。個人的な感想や感情を述べるブログなどとは違い、状況や内容を客観的に伝えられるような力が必要になります。また、ポイントが簡潔で分かりやすいということも大切です。
・リサーチ力
依頼されたテーマについてはもちろん、知識を蓄えるのに日ごろから意識してリサーチをすることが大切です。記事の質を向上させるためにも、ひとつの事柄に関していかに深く調べられることが重要視されます。
・SEOライティング能力
ウェブ媒体を書く場合に重要になるスキルです。クライアントから依頼される場合、SEOワードが指定される場合も。SEO対策のスキルをアップさせることが、年収アップにもつながります。
SEOライティング…Googleの検索エンジンからの集客を意識して記事を作成すること
どのくらい稼げるの?ライターのお金の仕組みについて
編集者から記事を依頼されるケースがほとんどです。仕事を依頼されたら、企画内容に合った記事を執筆します。
・報酬の相場
報酬については、ずばりピンキリです!特にウェブ媒体の場合は、1記事100円〜30,000円以上とさまざま。また、報酬の提示の仕方についても、1文字単位のものから1記事単位のものまでさまざまです。
また、フリーランス協会が発表している2019年のデータによると、ライターを含む文筆系のフリーランスの人の年収は、
200万円未満 :32.0%
200~400万円:26.9%
400~600万円:21.5%
という結果になっています。
出典:フリーランス白書2019
少しでも家計の足しにしたい場合、月に10万円はほしいところですよね。そこで、報酬からみる記事の傾向についてご紹介したいと思います。
・1記事500円以下
漫画や書籍、音楽などのレビュー記事、アンケート記事など。
・1記事1,000円前後
ポータルサイトなどに掲載されている、美容や健康、暮らしなどのライフハックを紹介するコンテンツメディアなど。
・1記事3,000円前後
大手企業が運営するウェブメディアなど。いかにアクセス数を稼いでいくかを重視しているメディアが多いので、スピード感が大切です。
・1記事5,000円以上
企業のオウンドメディアなど。スピード感よりも記事の質が重視されることが多く、細かいフィードバックがもらえるようになります。
第二弾では、営業の仕方や、継続して仕事をもらうにはどうしたらいいのかなどをご紹介します。
営業の仕方とは?ライターのキャリアパスって?第二弾記事はこちら