10月1日、「博多のエルドラド」が誕生!新生ホテル イル・パラッツォの3つの挑戦

今年10月1日、福岡市中央区春吉にある「ホテル イル・パラッツオ/ワンファイブホテルズ株式会社(本社:福岡県福岡市中央区、代表取締役社長:北﨑堂献)」が大規模改修を経てグランドオープンする。1989年の誕生以来、唯一無二の存在感を放ってきた同ホテルが目指す未来、守りたい過去を、一足早く単独取材!

福岡市中央区春吉に位置する「ホテル イル・パラッツォ(通称:イルパラ)」が、待望のリニューアルを果たし、101日にグランドオープンします。

1989年の創業から続くその独自の存在感を更なる高みへと押し上げる、斬新な取り組みを、編集部が単独取材!

未来への飛躍と伝統の融合など、先取り情報をご紹介します。

(まだ工事中のため、その全貌は写真ではなくほぼパースでのご紹介となりますが、ぜひ妄想を膨らませてお楽しみください!)

 

 

 

「ホテル イル・パラッツォ」とは

 まずは「ホテル イル・パラッツォ(以下:イルパラ)」の歴史についておさらい。

 

 

20世紀を代表する世界的な建築家イタリア人のアルド・ロッシと、日本を代表するインテリアデザイナー・内田繁がタッグを組み、日本初のデザインホテルとして1989 年に開業しました。

アルド・ロッシが日本ではじめて手がけた建築には、内田繁の他にもエットーレ・ソットサス、ガエターノ・ペッシェ、倉俣史朗、三橋いく代、田中一光など、世界的なクリエイターが参画し話題になりました。1990 年には建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」福岡市都市景観賞を受賞。

 

アルド・ロッシ氏

 

内田繁氏

 

さらに1991 年にはアメリカ国外の建築物として史上初となるアメリカ建築家協会(AIA)名誉賞を受賞しました。

 

ワンファイブホテルズ(当時、博多ホテルズ。2023 5 月に社名変更)は、前運営者から事業譲渡を受け20195月末から同ホテルの運営を開始しつつ、バリューアップを検討し始めます。

そして、20221月、およそ2年におよぶ「Re-Design」プロジェクトが始動しました。

 

 

 

目指したのは、様々な「再定義」

同プロジェクトは内田繁の想いや理念を受け継ぐ「内田デザイン研究所」が担当。総工費18億円をかけ、建て替えたほうが早くて安いのではと誰もが口にするほど、こだわりがつまっています。

 

「今回のプロジェクトで、リブランディングをすると決め、スタッフ全員で過去を遡り、これからのことを真剣に考えました。そうすると、これまで見逃していたような価値やデザインの思考がどんどん見えてきまして。やはり、バイアスがかかっていたのだなと思います。

 

“リデザイン”とか“リニューアル”と言うと、誰しも外観をはじめとした見た目にわかりやすい変化を求めがちですが、今回のプロジェクトでは、創業時、いかに内田氏とロッシ氏が細部まで計算しつくし、思考をめぐらせてこの建物を造ったのかがよくわかりました。

 

だからこそ、“すでに完成された最適解をさらに最適化する”ことを目指しました。

 

そもそも外観を変えることは考えていませんでしたが、それでも十分に驚いていただけるグランドオープンになっていると思います。」

 

と答えてくれたのは、学生時代に当時イルパラのB1Fにあった「クロッシングホール」でのライブが忘れられず、足しげく通った挙句に同ホテルに就職したという総支配人・藤澤太郎さん。

 

 

藤澤さんは、「Re-Design」を「使い方と役割の再定義」、そして「多様性の再定義」と表現してくれました。その「再定義」こそが、新生イルパラの新たなる挑戦でもあります。

 

今回は、その挑戦を3つのポイントに絞ってご紹介します。

 

 

 

【挑戦①:都市に開く。春吉という街の再定義】

イルパラの当初計画がよくわかる、ロッシ氏のドローイング(ラフスケッチのようなもの)が残っているのですが、それによると、現在のパチンコ玉屋本店をも飲み込む、壮大なウォーターフロント構想であったことが発覚します。

 

 

イルパラの位置する春吉という街は、かつては色街として栄えた場所。時代とともにその名残は薄れていきつつも、人々の言語化されない記憶には、その印象が弱まりながらも受け継がれてきています。

 

ネオン街としての存在を残す春吉に、傑出したパワーを持ったイルパラが誕生したことで、街は輪郭を強く取り戻してきました。

 

中洲という街のすぐ南に位置し、陰翳を残しながらも新たなスポットとしてのプレゼンスを、イルパラが担っていたことは明白です。

 

そして今回のグランドオープンでも、現代ならではの新たな「春吉という街の再定義」を発信していきます。

 

 

 

【挑戦②:ホテルの再定義】

様々なバイアスに気づいたスタッフから出たアイデアやコンテンツは多種多様。それらに通ずるのは「ホテルの再定義」。まずはその一部をご紹介します。

 

1989年開業時のホテルロゴデザイン(無印良品やロフトのロゴで有名な田中一光氏のデザイン)を復活させました。

 

 

*アルド・ロッシ設計の外観デザインは、オリジナルを尊重し一部を復元。

*ディスコ、イベントホールなど、時代やニーズに合わせて独自のカルチャーを発信してきた地下空間は、130 席の大型ラウンジに生まれ変わります。

 

 

*階段を登る必要があったエントランスは、1 階から段差なく直接アプローチ可能に、1989 年のオリジナルの配色を踏襲したエントランスは「結界」をイメージ。

*客室はスーペリアクイーンとデラックスキングの2 タイプに加えて、バルコニー付の客室を新設。

 

このようにして、春吉というアドレスに存在するホテルに求められているのは何なのかを改めて問い直し、さらにホテルから発信・提案すべき価値は何なのかを考えた結果、タイトルにもある「エルドラド」という空間が誕生することになります。

 

 

 

【挑戦③:ハコとしての再定義】

今回の大規模改修で、2F以降が客室に変更となり、B1Fにレセプションが設けられることになりました。

 

エレベーターを降りると、左手にはバーカウンターのようなレセプションが(パース)

 

「え?じゃあB1Fではもう遊べないの?」

と思ってしまった博多の皆さん。そうですよね。

イルパラと言えば、B1Fがかつては「博多マハラジャ」「マリアクラブ」と並び「博多三大ディスコ」のひとつと言われた「バルナ・クロッシング」時代を懐かしむ方も多いことでしょう。

 

そしてディスコの終焉後、同会場は「クロッシングホール」として中規模のホールにコンバージョン。国内外を問わず、多くのアーティストが訪れたライブ会場でした。この時代に通った人も多くいると思います。

 

その後、貸しホールとして業態変更し、有名ブランドのプロモーションイベントやグルメ系パーティなど、華やかな催し物の多くはイルパラから発信されてきたのです。

 

通常、シティホテルは宿泊客が主役であり、地域住民はレストラン需要や結婚式、政治や経済系のパーティで足を運ぶことはあっても、その流れは全国的にほぼ画一的。そんな中、イルパラはバブル全盛期のうねりを背負い、いつの時代も博多の街の人々にとって「わくわくする場所」であり続けたのです。

この点において、イルパラは誕生当時から、多様性を追求してきたホテルだと言えます。

 

そんな新生イルパラのB1Fは、青いエントランスを潜り抜け、レセプションを経ると、目の前に新しい価値を提供してくれる予定です。

 

すでに異世界への入り口です(パース)

 

イルパラのテーマカラーでもあるグリーンとレッド、そして挿し色としての「ブルー」に、人々を誘う重要な役割を持たせました。

 

「一瞬どこに連れて行かれるのかわからない」

と困惑すら憶える動線の先には、ロッシがかつてのイルパラの両翼に配したバーのひとつ「エルドラド」のファサードを正面に設置。そしてその前には、内田繁の代表作のひとつ「ダンシングウォーター」が鎮座。

 

こちらも編集部撮影。パースかと思ってしまうほど完璧な仕上がりです!OPENが楽しみ!

 

まるで本殿と参道かのごとく、イルパラの産みの親二人の作品が、フロアのセンターで全員を見守ります。

 

この演出には、楽土の二人はもちろんのこと、開業当時からイルパラを知る人にも感動的な再会となることでしょう。

 

他にも内田繁がメンバーのモリスに贈った時計「Dear MORRIS」が各客室のエレベーターホールに配されていたり、計算されつくしたハイチェアが復刻されて客室に並んでいたりと、総工費18億の理由が頷けるほど、当時のデザインへの敬意を感じることができます。

 

単純にビビッドな配色を施すだけではこうはいかない…まさに、贅沢なまでにプロの知を結集した開業当時の礎があったからこそできる、本物にしかなせない決断と技の数々です。

 

さて、そんな細部も気になるところですが、そろそろ注目のB1Fについて詳細を。

 

グランドオープンに伴い、このB1Fはロッシが遺したファサード「エルドラド」を冠したフロアへと生まれ変わります。

 

その内容は、実に大胆!

朝7時から深夜3時まで、エグゼクティブラウンジを兼ねた一般開放フロアとなるんです!

(ここにも「ホテルの再定義=エグゼクティブラウンジを閉鎖的にしなくてもいいのでは?」という問いがあります)

 

 

クローズなしで営業されるので、朝食、ランチ、カフェ、ディナー、バー、どのタイミングも一般利用が可能となります。

 

ロッシ&内田作品の周辺のテーブルは、「ガラディナー」が提供されるダイニングスペース(12席限定)。

その他の席でもブッフェスタイルで21時まで飲食が可能です。

しかも、ランチ以降のブッフェはドリンク別料金ながら、なんと2,000円でお釣りがくる予定だそうで…驚愕の設定!

詳細は、
7:00~11:00 朝食 2,500円
11:30~16:00 ランチ 1,900円
16:00~21:00 ディナー 1,900円
とのこと!これは気になります!

 

そして、21時から深夜3時まではバータイム。これがまた嬉しい!中洲近辺で飲んだ帰り、すこーし落ち着きたいときに、国体道路を渡るだけで、気分がチルアウトできるとなると、多くのニーズが生まれるに違いありません。

 

 

* * *

 

 

今回、内覧会を待たずに取材させていただいたことで、イルパラが誕生当時から大切にしている独自のプレゼンスが、現代的な価値にバリューアップされていることがわかりました。

 

博多の人も全国の方々も、みなさん、どうぞ楽しみにお待ちください!

 

 

 

■ホテル概要

名称:HOTEL IL PALAZZO(ホテル イル・パラッツォ)

客室数:77

住所:〒810-0003 福岡県福岡市中央区春吉3-13-1

アクセス:福岡市地下鉄空港線・中洲川端駅から徒歩約7 分、七隈線天神南駅から徒歩6分、JR 博多駅からタクシーで約6

ホームページ:https://ilpalazzo.jp/

※公式サイトで予約受付を開始しています

 

 

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フクリパ編集部
フクリパ・デスク(中の人)です。飛躍する街・福岡の 過去を知り、現在を理解し、未来を想像する、様々な情報をいち早くお届けします。「こんな記事が読みたい!」というリクエストは、各種SNSのメッセージにて承ります!

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