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医療従事者率トップ! 住みやすい都市は医療面でも充実! ~福岡市にみる〝選ばれる都市〟の理由~

ヒト、カネ、ビジネスが海を越え、国境に関係なく地球上を駆け巡るグルーバル経済時代において、これらの主な〝受け皿〟となるのは都市です。 昨今、都市間競争が激しさを増す中、〝選ばれる都市〟になり得る要素は、何なのでしょうか? 今回、コロナ禍でさらに関心が高まっている医療環境面を考えます。

福岡市は人口100万人超都市で医療従事者率トップ

福岡市のシンクタンクである公益財団法人福岡アジア都市研究所(理事長 安浦寛人・九州大学名誉教授)は、2022年5月に発行された『FUKUOKA GROWTH2022』において、福岡市の人口1,000人あたりの医療従事者数18.6人が人口100万人超都市で首位だったことを明らかにした。

今回の結果について、福岡アジア都市研究所の畠山尚久情報戦略室長は、「医療環境の満足度も高く、身近な診療所から大規模な総合病院まで、市内各所に医療機関が立地しており、市民が受診する際の利便性の高さが評価されていると考えられます」と解説する。

福岡アジア都市研究所調べでの出所である厚生労働省『医療施設調査』によると、2017年10月1日時点における福岡市の医師は常勤換算で6,158.4人だ。
歯科医師は同2,142.3人、薬剤師同840.9人、助産師同435.9人、看護師同1万6,647.8人、准看護師同2,859.1人を数える。
これらの医療施設従事者の総数は同2万9,084.4人にも及ぶ。


資料:大都市比較年表、各都市推計人口(2017) Source: Metropolis Comparison Chronology ,Each city  *医師・歯科医師・薬剤師・看護師・准看護師・助産師 Physician,Nurse,Midwife
出典)公益財団法人福岡アジア都市研究所『Fukuoka Growth2022』

充実した医療サービスは都市の魅力であり、〝選ばれる〟要素

「都市の魅力と国際競争力を高めて都市再生を実現していく」ことをうたって第2次安倍内閣で閣議決定された『都市再生基本方針』では、基本方針の一つとして「医療.福祉サービスの的確な提供等」を打ち出す。
国の方針としても的確な医療サービスの提供は、都市の魅力や国際競争力を高めていく上での重要ポイントとする。

一方、一般社団法人移住・交流推進機構は2018年3月、東京圏在住で地方移住に興味を持つ20代~30代の既婚男女500人を対象にした『「若者の移住」調査』結果を発表した。
同報告によると、《移住先の子育て環境について重視する条件》として「高度な医療機関がある」を選択した割合は11.8%を占め、「子どもが楽しめるイベントが多い」(10.8%)を上回っていた。
充実した医療環境は〝選ばれる都市〟としての重要な要素といえる。

福岡市の医療環境について、一般社団法人福岡市医師会の平田泰彦会長は、次のように語る。


一般社団法人福岡市医師会の平田泰彦会長

平田会長


住んで暮らしている人たちにとって福岡市は、大変便利な上に質の高い生活を実現できる街です。

食にも恵まれており、新鮮な魚や野菜などを味わえることができ、そのおいしさには定評があります。

また、医学部を持つ大学が2校ある福岡市は、基幹病院をはじめとする病院や診療所も多く、医療へアクセスしやすく、『〝医〟・食・住』に恵まれた都市です。
福岡市には、医師をはじめ医療スタッフらも数多く集まって来ており、市民が安心して暮らすことのできる点でも魅力的な都市といえます。

福岡市の医療を下支えする〝医療系高等教育機関〟の存在

福岡市が医療面で充実している点については、福岡市内をはじめ福岡県内における医療系の高等教育機関の存在が大きい。
医学部を持つ大学は、福岡市内に九州大学と福岡大学の2校がある。一方、福岡県内に目を転じてみると、県北の北九州市に産業医科大学、県南の久留米市に久留米大学があり、県内で4校を数える。

また、医学部以外にも看護学部や医療学部などの医療系人材を育成する大学も多く、15大学17学部が同じくキャンパスを構えている。


九州大学病院


福岡大学病院

世界の都市総合力ランキングでの日本の対象都市は東京、大阪、福岡

今日、日本三大都市という場合は、東京都区部、大阪市、名古屋市を指す。

一方、日本有数の都市計画系シンクタンクである一般財団法人森記念財団 都市戦略研究所(所長 竹中平蔵慶應義塾大学名誉教授)が毎年発表している『世界の都市総合力ランキング』にランクインした日本国内の都市は、東京都区部、大阪市、福岡市の3都市だ。
2012年に名古屋市も登場したものの、翌2013年以降は名古屋市を評価対象外になるという〝名古屋飛ばし〟が起きた。

その結果、『世界の都市総合力ランキング』における日本の対象都市は、東京都区部、大阪市、福岡市の3都市となっている。


出典)一般財団法人森記念財団 都市戦略研究所『世界の都市総合力ランキング』

〝日本三大拠点都市〟東京・大阪・福岡の医療環境をみる

『世界の都市総合力ランキング』の調査対象都市である東京都区部から西へ500キロ先に大阪市があり、さらに西へ500キロ先に福岡市がある。
東京~大阪~福岡は、いわば〝日本のセンターライン〟であり、〝日本三大拠点都市〟という見方もできる。

では、東京都区部、大阪市、福岡市の医療環境は、どうなっているのか。
厚生労働省『医療施設調査』によると、医療機関(総数)は、東京都区部1万9,066施設、大阪市5,861施設、福岡市2,716施設と、人口規模順番だ。

一方、人口あたりの医療施設でみてみると、大阪市が216.0施設/10万人で首位となり、東京都区部201.4同が続き、福岡市173.3同という順番で続く。
医療施設の中でも地域医療の中核を担う病院についての人口比では、福岡市7.3 病院/10万人となり、大阪市6.5同、東京都区部の4.5同の順番だ。
福岡市は人口あたりの病院率では、東京都区部の約5割増し、大阪市の約1割増しという高い割合を示す。
病院率に加えて入院できる病床率も高く、福岡市の1,497.5床/10万人は東京都区部872.6同の約7割増し、大阪市1,196.7 同の約3割増しだ。
このため、入院が必要な重篤な病気や重症となるけがを負った場合でも心強い存在となる。

【福岡市内の病院】病床数で全国第2位の九大病院、岡山以西で唯一のこども病院など多彩な医療機関群

福岡市内で最多の病床数をもつ九州大学病院(1,275床)は、藤田医科大学病院(1,435床)に次ぐ全国第2位。
東京大学医学部附属病院(1,226床)を上回る。

また、福岡市は病児・病後児保育に対する取り組みも積極的だ。

福岡市アイランドシティにある福岡市立こども病院は、子育て世代にとって心強い存在といえる。
岡山県以西の西日本で唯一の『こども病院』である福岡市立こども病院は、小児高度専門医療・小児救急医療・周産期医療に対応した26の診療科を持ち、ほぼすべての小児周産期疾患をカバーする。

このほか、福岡市内には、膝や股の疾患に対して国際水準の医療を提供する病院、がん治療に特化した専門病院などを多彩で特徴的な医療機関、さらに藩医を先祖に持って400年余り医業を営む一族による病院などの多彩な医療機関が存在する。

これらの医療インフラも地域資源の一つと考えた場合、今後どのような取り組みが求められているのだろうか?

この点について、平田会長は、次のように語る。


コロナ禍で家に閉じこもりがちになったお年寄りの心身の活力低下による認知症や要介護のリスクの高まり(フレイル)が懸念されています。

福岡市医師会は福岡市薬剤師会、福岡市と共にフレイルの症状を早期に発見して適切に対応していく『フレイル予防相談事業』を立ち上げました。

このような事業は、全国的にみても先駆けとなる取り組みの一つです。

独居老人も含めたお年寄りを地域としてフォローしていくシステムづくりができれば、さらに魅力的な都市になっていくのではないでしょうか。

医療環境の充実を磁力にヒト・カネ・ビジネスを呼び込む

グルーバル経済時代を迎えた今日、ヒト、カネ、ビジネスは国境を飛び超えて地球上を駆け巡っている。
そして、これらの高度人材をはじめ投資や企業などの〝受け皿〟は都市だ。

昨今、都市間競争が激しさを増す中、安心・安全面からも医療サービスの充実度合いは〝選ばれる都市〟にとって必要不可欠な要素であることは間違いない。

今後のポストコロナ時代を踏まえながら、充実した医療環境を魅力的な生活インフラにしながら、官民が一丸となって戦略的にヒト、カネ、ビジネスを呼び込んでいく取り組みが、大いに求められる。

【参照サイト】

福岡アジア都市研究所 情報戦略室『FUKUOKA Growth 2022』
『大都市比較統計年表/令和元年』
内閣府地方創生推進事務局『都市再生基本方針』
一般社団法人 移住.交流推進機構『若者の移住』調査【 結果レポート 】
旺文社『大学受験パスナビ』
BYOIN-MEIBO.COM『福岡県で一番大きい病院はどこ?』
森記念財団都市戦略研究所『世界の都市総合力ランキング2021』

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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