休刊になったフリーペーパー制作メンバーが集結し、クラウドファンディングに挑戦
鷲崎さんと吉川さんをはじめとする「Otonari」編集部員は現在6名。もともと同じ事務所でフリーペーパーを制作していたメンバーだったのですが、コロナの影響で休刊となり、事務所も閉鎖になったそうです。
それでも、紙のメディアに可能性を感じるメンバーが集結。クラウドファンディングで「Otonari」のプロジェクトを立ち上げました。
福岡をもっと元気に!地域活性を目指すフリーペーパーを立ち上げる!
ーウェブ媒体の台頭やコロナの影響で休刊になった冊子も多い中、どうして紙媒体、しかも無料のフリーペーパーというスタイルを選んだのですか?
鷲崎さん
フリーペーパーなら、掲載枠は確保されるし、読者にとっては意図していなかった情報が得られる面白みもあります。実際にお客様の中にも、 “紙文化”が無くなるのは寂しいとおっしゃる声が多いんですよ。「Otonari」としてフリーペーパーを制作すると決まった時にも、お客様からたくさんのエールをいただきました。
リターンの中には、編集部からのお礼の手紙も。Otonariへの意気込みや支援へのお礼をギュッと詰め込んだ
吉川さん
クラウドファンディングは100%を超える支持を得て、いよいよ「Otonari」が走り出しました。タイトルの前に掲げられたのは「地域に寄り添う情報誌」というキャッチコピー。それは支援してくれた人への感謝の気持ちでもあり、編集部の決意でもあるようです。
事業者と共に考える営業が、地域を盛り上げるカギに
クラウドファンディングの段階で、すでに地域還元を考えていたという「Otonari」編集部。コロナ禍でお土産需要が減少している地元企業の応援になればと、リターンには、「福太郎のめんべい」や「天ぷらのひらおの塩辛」など、福岡の特産品を採用。創刊後は、クラウドファンディングで集まった金額分を掲載額から割引するキャンペーンも始めました。地域に対する優しい目線は、フリーペーパーの営業にも大いに発揮されているようです。
人気の街歩きページ。足で稼ぐネタは地元の人々にも驚かれるほどディープ
ー実際に発行されてからの状況はいかがですか?
鷲崎さん
吉川さん
鷲崎さん
吉川さん
誌面作りは街を巡って、触れ合いながら
「Otonari」では、毎月の特集も読者のライフスタイルに沿ったテーマを提案、そこから出稿先を集めているそうです。出稿するお客様に合わせた内容ではなく、編集目線での誌面づくりも支持される理由の一つ。
ー特集のテーマやネタ集めはどのように動いていらっしゃるのでしょうか?
吉川さん
前回の宣言時は地域のお店を盛り上げるためにテイクアウト特集を企画しましたが、今も何かお手伝いができないか考えています。
年末の大掃除特集では細かいポイントまで写真付きで紹介
ー今では誌面では伝えきれなかった情報を届けるInstagramやYouTubeチャンネルなどもスタート。さらにイベントも企画中だそうですね。
鷲崎さん
たまにはこんな企画会議も。編集者=ハードワークというイメージを払拭するべく、定時退社や有給消化率100%など働き方にも気を配っている
これからの方向性は幅広い情報よりも“深さ”を意識した事業展開
ーそれは楽しみですね!編集部と読者のリアルな交流で、関係性がもっと深まる気がします。今後、「Otonari」はどんな方向に向かっていくのでしょうか?
鷲崎さん
編集者というよりも、“お隣さん”さながらの親しみがこもった表情で語ってくれた鷲崎さんと吉川さん。ウェブ広告が岐路を迎え、世の中的にもコロナ禍で暗いムードに包まれる今、求められているのは、ココロを動かすメディアなのかもしれません。「地域に寄り添う情報誌」をテーマにした「Otonari」のように。
地域に寄り添う情報誌『Otonari(おとなり)』媒体概要
クラウドファンディングサイト「CAMP FIRE」で募集開始。100%を超える反響で2020年9月28日からポスティング型フリーペーパーとして創刊。
現在は、東区・新宮の「ひがし版」、粕屋・志免・篠栗・宇美・須恵の「かすや版」、大野城・春日・那珂川の「おおのじょう版」、筑紫野・太宰府・小郡・筑前の「ちくしの版」の4地域で各35,000部、計140,000部、毎月最終金曜日に発行。
誌面だけではなく、ウェブサイトやInstagramにも展開中。
発行:毎月最終金曜日発行
配布期間:発行週の月~金曜日
体裁:A4版(297㎜×210㎜)中綴じ
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