第1位は”麦わらの一味像”効果で観光客増の熊本県、第2位に福岡県が続く
ナビタイムジャパン『漫画・アニメコンテンツによる訪日外国人観光客の誘客・周遊動態を分析』を基に作成
経路探索やナビゲーションサービスを提供する株式会社ナビタイムジャパン(東京都港区、大西啓介社長)のNAVITIMEデータ分析チームは、訪日外国人観光客向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況による訪日外国人旅行者の観光動態に関する分析結果を発表した。
本分析では、47都道府県を対象にし、2019年度と2023年度の比較で外国人旅行者の滞在増加率を調べた。
その分析結果によると、第1位は熊本県の2.14倍であり、続く第2位は福岡県の2.06倍、第3位は山形県の2.00倍だった。
訪日外国人旅行者の滞在増加率でトップだった熊本県についてNAVITIMEデータ分析チームは、次のように分析している。
「2016年4月に発生した熊本地震の復興プロジェクト『ONE PIECE 熊本復興プロジェクト』の一環で、2018年から2022年にかけてONE PIECE 麦わらの一味像が設置された市町村が上位となっており、滞在者数増加の一因であることがデータから示唆されました」
「日本の漫画・アニメコンテンツは外国人旅行者の高い関心を集めていることから、今回の分析では、ONE PIECE 麦わらの一味像が訪日外国人旅行者の誘客および周遊行動に与えた影響について分析いたしました」
一方、国土交通省九州運輸局が、2025年1月22日に発表した『九州への外国人入国者数の推移について』によると、2024年の外国人入国者数(速報値)は493万4,369人だった。
このうち、福岡空港での外国人入国者数は過去最高となる341万6,865人だったのに対し、熊本空港は18万1,921人となっている。
福岡空港は、九州における国際線のハブ空港としての機能を担っている。
このため、熊本県を訪ねた外国人旅行者のうち相当数は、福岡空港を利用して福岡県経由で入国したものと考えられる。
ONE PIECEの作者は熊本市出身、熊本地震の復興に尽力
ナビタイムジャパン『漫画・アニメコンテンツによる訪日外国人観光客の誘客・周遊動態を分析』を基に作成
熊本県内の市町村ごとの増加率を集計した結果、外国人旅行者の滞在者数が最も増えた自治体は、宇土市の7.33倍だった。
宇土市での具体的な滞在場所を確認すると、干潮時の絶景で有名な景勝地である御輿来海岸や宇土駅の周辺における滞在が見られた。
そして、2022年11月に設置された漫画『ONE PIECE』麦わらの一味像のジンベエ像が設置された住吉海岸公園での滞在が最も多いことがわかった。
また、熊本県内の市町村別の増加率ランキングと、『ONE PIECE』麦わらの一味像の設置場所との関係性について調べてみた。
すると、全10体の像が設置されている市町村で滞在者数の増加率が伸びていることが明らかになった。
これらの点を踏まえて、NAVITIMEデータ分析チームでは、「『ONE PIECE』麦わらの一味像が、訪日外国人旅行者が熊本県内の各地を訪れるきっかけの一つになっていることが示唆されます」とコメントしている。
「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定されている『ONE PIECE』の作者・尾田栄一郎氏は、熊本市出身だ。
2016年の熊本地震に際し、復興支援として『ONE PIECE』の主人公ルフィ名義で8億円を寄付したという。
2018年4月4日、熊本県民栄誉賞を受賞している。
2019年度から4年間をかけた『ONE PIECE 熊本復興プロェクト』〈麦わらの一味「ヒノ国」復興編〉では、熊本県内の9市町村に麦わらの一味の仲間の像を設置した。
出典:ナビタイムジャパン『漫画・アニメコンテンツによる訪日外国人観光客の誘客・周遊動態を分析』
参照サイト
株式会社ナビタイムジャパ『漫画・アニメコンテンツによる訪日外国人観光客の誘客・周遊動態を分析』
https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202411/19_5823.html
ONE PIECE 熊本復興プロジェクト
https://op-kumamoto.com/