「未利用魚」ってなに?
その名の通り、理由があり規格外として利用されない魚たちの事。
充分な水揚げ量が無かったり、形が悪かったり傷がついていたり等の理由で価値が付かず、流通される前段階で通常の流通に乗らなくなってしまったお魚の事を言い、総水揚げ量の約30~40%が実に未利用魚とされています。
「Fishlle!(フィシュル)」の運営会社「ベンナーズ」が、とある漁師さんにお聞きした話しでは、水揚げした魚のうち多い日ではなんと9割もの魚が食用に回せていないという声もあり、水産業にとって大きな問題である事が窺えます。
お魚のサブスクサービス「Fishlle!(フィシュル)」とは?
このように、味には全く関係のない理由で、流通の前段階で廃棄されてしまう魚たち。
これらの未利用魚に命を吹き込み、ミールキット(レシピと食材のセット)や加工品として商品を製造販売しようと、2021年3月にサービス開始されたのが、お魚のサブスクリプションサービス「Fishlle!(フィシュル)」です。
Fishlle!とは、季節を味わう「おさかな」の定期便。
春夏秋冬、それぞれの季節にはそれぞれ旬のお魚があります。その月に獲れたお魚を、それぞれの味を最大限引き出す味付けを施し、家まで届けてくれるうれしいサービスです。
解凍後すぐに食べることができる生食用と、湯煎で簡単に食べることができる加熱用が用意されています。着色料や保存料未使用なのも嬉しいポイントです。
〜Fishlle!の料金設定〜
【6パックおまかせ便(1〜2人分)】5,390円
【10パックおまかせ便(3〜4人分)】7,389円
【16パックおまかせ便(4人以上)】11,000円
※税込み金額での表示になります
※キーワードを入れると初回のみ30%になります
※その他、送料などの細かい設定はHPをご確認ください
フィシュル公式サイト:https://fishlle.com
ライフスタイルの変化などで多様化した、食に対する消費者ニーズに合ったお魚ミールキットを普及させることで、魚のフードロス削減と漁業者の収入の底上げを図り、「SDGs12条」「SDGs14条」への貢献を目指しているそうです。
※SDGs12条:つくる責任 つかう責任 持続可能な方法で生産し、責任を持って消費する
※SDGs14条:海の豊かさを守ろう 持続可能な社会のために、海と海の資源を守る 海と海の資源を持続可能な方法で利用する
1万人のファンを抱えるこのサービス、海鮮丼・漬け丼・西京漬け・カルパッチョなど、お魚の旨みを活かした多彩なメニューのミールキットを、手頃な価格で提供しているのが人気の一因でしょう。
調味料なども完全無添加にこだわり、また毎月新しいメニューを1つ出すことを目標とするなど、幅広い世代の方に受け入れられるよう企業努力をしているそう。
また、暑い時期に心配なアニサキス食中毒なども以下の2点の理由で解消されているそうです。
①獲れたてのお魚を、水揚げされたその日のうち全て手作業で、ミールパックまでの加工を施す。捌く段階ですぐに内臓は取り除くため、アニサキスがいる心配が無い。
②パック詰めと味付けをした後、アルコール凍結器を使用して-30度に冷凍。その後は-30度の冷凍庫で24時間以上保管し出荷するため、アニサキスが生きた状態でユーザーに届く事は無い。
社会の環境意識の高まりを背景に、更にこうした美味しくて安心・安全な商品を提供する点が受け入れられたためか、「Fishlle!(フィシュル)」は急成長を遂げていきました。
“日本の食と漁業を守る”をヴィジョンに掲げる「株式会社ベンナーズ」
ベンナーズ代表の井口剛志さん
株式会社ベンナーズは、「日本の食と漁業を守る」、そんなビジョンを掲げ2018年に設立されたスタートアップ企業。
代表の井口 剛志氏は、昨今の水産業界の複雑な流通構造や漁業者の減少・高齢化、日本人の魚離れなど、水産業界が抱える課題を解決したいと一念発起して、内定していた大手総合商社を断り起業されました。
起業2年目の2020年に、井口氏にインタビューを行ったフクリパ記事はこちら
https://fukuoka-leapup.jp/biz/202008.107
漁業者が減っていく水産業界、そして衰退の一途をたどる日本の魚食文化の再建を目指しながら様々な挑戦を行ってきた同社。
未利用魚活用の取り組みが注目され、現在は企業間のコラボや食育プロジェクトなど、新たな動きを見せています。
漁師のみぞ知る海の幸「天然魚・未利用魚」を福岡から全国へ。お魚サブスク運営のベンナーズ、ピエトロと包括連携協定を締結。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000058243.html
お魚のサブスク「フィシュル」運営のベンナーズ、青山学院初等部全校生徒760名分の給食に未利用魚を提供。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000058243.html
四季のいろ × ベンナーズ コラボ企画 「こども食堂」 を開催!1周年記念祭で未利用魚を活用した食事を提供
https://cowork.shikinoiro.com/1856/
日本の魚食文化がこれからもずっと持続可能であるために、水産業界がより活性化するために挑み続けるベンナーズの動きに、今後も期待が持てそうです。
会社概要
会社名:株式会社ベンナーズ
所在地:福岡県福岡市東区香椎浜ふ頭2-3-1 株式会社ベンナーズ5F
代表者:井口 剛志(いのくち つよし)
事業内容:お魚サブスク「フィシュル」、魚のフードロス削減のためのプラットフォーム事業、水産卸売事業
代表者電話番号:092-692-2033
メールアドレス:info@benners.co.jp
会社URL:https://www.benners.co.jp
フィシュル公式サイト:https://fishlle.com
参考サイト
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000058243.html
合わせて読みたい
〝福岡産サーモン〟が間もなく登場!? サーモン陸上養殖が続々スタート!
https://fukuoka-leapup.jp/biz/202306.9099
【事例つき!】日本の空き地がヤバい!誰も使わなくなった田んぼの土地を活用したさつまいもビジネス
https://fukuoka-leapup.jp/biz/202302.1111
日本の食料自給率は低くてヤバい?個人が自給率を上げるには?
https://fukuoka-leapup.jp/city/202306.6922