福岡発!今だから国境を超えて「福岡と台湾」をつなぐ新しいオンライン交流ツアー

コロナ禍で海外旅行に行けない現在、オンラインツアーは全盛を迎えています。あるエリアをオンラインで訪ねていく、あるいは一方が情報発信するガイドツアーは多く見られるようになりましたが、9月20日に福岡で開催されたのは、福岡と台湾の参加者がお互いの最新情報を伝え合い、双方の交流を兼ね備えたオンライン交流ツアー。コロナが収束すれば福岡〜台湾のリアルなコミュニティを形作ることにつながる福岡発のトライをレポートします。

今流行のオンラインツアーとは


世界に向けて鹿児島の体験やガイド付ツアーを発信しているプラットフォーム・TABITTO。大島紬を着たガイドが人力車で鹿児島市内を英語で案内するバーチャルツアー「Explore the city of the Last Samurai」
https://tabitto.co.jp/top/vt001/

テレビ会議やオンライン飲み会が一般的になってきた現在「オンラインツアーに参加した」という人も徐々に増えてきています。3密を避けることができ、移動も必要なく、手軽に参加できるのがそのメリット。

その土地の名産品など自宅に品々が届くなど物販がつくか否かはありますが、一方通行か双方向かで大きく2つに類別できると思います。

【オンラインツアーの種類】
❶ ガイドが施設やエリアを案内する、日頃見られない内部などを案内(一方通行)
例)「東京スカイツリー®のひみつツアー」

❷ オンラインでそれぞれエリアから交流(双方向)
例)「世界農業遺産・高千穂郷でつやつや新米の朝ごはんツアー」
※チャットで質問できるくらい程度から参加者同士の懇親会まで、交流の定義には幅がある

取材や編集だけでなく、旅行の企画に深くかかわっている私にとっては、インバウンド(海外からの旅行者向け)も、アウトバウンド(海外旅行をしたい日本人向け)にもまったく何もできない今、オンラインツアーを研究し、実施することがビジネスの課題なのです。

そして、数々のオンラインツアーに参加してみると、とってもその地に行きたくなる、「次の旅行先はココにしよう」と行きたい候補がたくさん出てくる。

つまり、リアルに動くことができるようになったときのプロモーション効果も絶大だと確信しています。

アジアに近い福岡!でも行き来できない…今こそ!


福岡からは台北と高雄に直行便が就航している。写真は台北のパワースポット「月下老人」

実は、本題の「福岡×台湾オンライン交流ツアー」を企画したのは私自身です。

以前「フクリパ」で触れたように、「福岡からアジアは、東京からアジアに行くよりも約1時間フライト時間が短い」のです。
>>福岡は世界に近い!福岡空港の活況にみる福岡の可能性

そんな恵まれた福岡からの海外旅行を促進したいと2020年4月から「Fly from Fukuoka」という福岡発海外旅行サイトも運営しています。
Fly from Fukuoka>>https://flyfromfukuoka.jp/

さらにメインの業務であるインバウンド(海外からの旅行者向け)業務では、実際の行き来ができなくても、常に情報発信をすることが大切。リアルツアーの時のように海外の人と直接交流するべきと考えていました。

そこでこの際、どちらか一方を促進するのではなく、両方一緒にできるのがオンライン交流ツアー!を思い立ちました。

どの国にしようかと考えていたところ、一緒に仕事をしていたこともある福岡市在住の台湾人インフルエンサー、サイ・ペイキンさんが「台湾の人も福岡に行きたがっている!こんなに近いのに今は行けない…面白そう!」とのってくれたのをきっかけに「福岡×台湾」の交流ツアーの企画を進めたのです。


実際の福岡×台湾オンライン交流ツアーにて。(左) サイ・ペイキンさん (右) 筆者の私

言葉の壁を超えてグループセッションが醍醐味

今回の「福岡×台湾オンライン交流ツアー」は、台湾から6名、福岡から14名が参加して、1時間半にわたって開催しました。

”福岡都市圏の台湾ファン”と”台湾在住の福岡・日本ファン”が、お互いのエリアからお互いの『今』を発信する新しいオンライン交流するのが目的です。

さらに、福岡市内の方には、特製ルーロー飯とタピオカミルクティーを当日、自宅にデリバリー。参加者みんなで同じものを食べながら、台湾の現地にいるような空気を作り上げました。



デリバリーしたのは台湾料理専門店「Sinkosサイコウッス(福岡市博多区)」のルーロー飯(メニューにない揚げ豆腐・煮玉子入り)とタピオカミルクティー

台湾側は、一人ずつ自己紹介&最新情報を発信してもらいました。甘單(カンタン)さんと三小a(サンショーエイ)さんは、二人とも旅行ブロガー。日本語も交えながら最新情報を伝えてくれました


「苗林に行って、フルーツ狩してきたよ」と帰ってきたばかりの取材旅行の話をしてくれた甘單さん


台湾の絶景スポット 花蓮(ホアリエン)のに広がる公園から生中継してくれた三小aさん

その他、古都でグルメの街・台南からFigaro Japonでも取材された果樹園を経営して、そのフルーツを使った料理を出しているレストランのシェフや主婦、台中でオーガニック食材や人気の店舗をしている「農舞台」のみなさん、南部の屏東で養鶏をしながらレストランを経営している方、シェフで料理本を出している「糖果厨房」のオーナーと「食」に関する方が参加して、最新情報を出してくれました。

その後は、お互いの近況を動画で交換。福岡からは、屋台や福岡空港国内線のリニューアルの情報を。台湾側からは、桃園夜市(トウエンヨイチ)の開放的な雰囲気と美味しそうなグルメの数々を動画で体感しました

現地からの映像「桃園夜市の今を伝える」動画配信

この会のハイライトは、ZOOMのブレイクアウトルーム機能を使ったグループセッション。台湾、日本で言葉の壁を超えて、なんとか伝え合うことが目的

グループによって、リーダーが英語で伝え合ったり、中国語が話せる日本人がリードしたり、日本語が話せる台湾人が翻訳したり、筆談ありとさまざま。


グループセッションの模様、食べ物を見せたり、パンフレットを見せたりお互いに現地を様子を伝えます

お互いのおすすめのスポットや最新状況を話しあい、最後には、コロナ収束後にはお互いのエリアを訪ねるリアルなツアーを企画・実施しようと盛り上がりました

次回のオンライン、リアルツアーの企画を作っていきたいものです。

インバウンド・アウトバウンド、インタラクティブな交流が大事

「旅」にかかわった時から、「旅して地域に触れる、人と交流することが世界の平和につながる」=「観光業は平和産業」だと真剣に確信しています。

インバウンドの面では「自分たちのエリアに来て、来て」というラブコールが多くなりがちですが、「相手の地域のことも知る、旅をする」と相手を想う「両思い」でないと持続的に交流が続いていかないと感じています。

オンラインではこんなに世界が近くなった現在、福岡を拠点に、国境をこえてコミュニケーションをし、相手のことを思い合うコミュニティを作って現実の交流につなげていきたい、つなげなければという思いでいっぱいです。

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編集者
帆足 千恵
福岡のタウン情報誌の編集者として1990年代から海外30カ国、60エリアを取材し、世界の旅行情報を発信。2001年より外国人旅行者向けの編集制作や企画、調査、マーケティング、プロモーションを行い、九州インバウンドのパイオニア的な存在。2020年4月 海外旅行情報サイトを公開予定。

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