今回の舞台は八女市
八女市役所が立派過ぎて、引き込まれるように見学してしまった。そんなドライブの途中。
いやいや、八女市役所は外から少し見ただけですが、長〜い廊下(と言うのか、外周の屋根の下)は厳かな雰囲気。天井も高いなぁ(見上げる)!広々としているので混雑している感じもなく、某区役所の殺伐とした感じ(めっちゃ利用者さんいらっしゃる、職員さんも忙しそう)が、対照的に感じました、、、笑

その近代的な建物とは対照的に、市役所の近くに、ひょっこりと、可愛らしく佇むお店。その姿はまさに、昭和。
年季の入った、軒先テント。年月は感じるけれど、汚れているのではない、時代に寄り添ってきた、この感じ。ああ、なんだか愛おしい、懐かしい。
プランタン、さん、、?と店名が読めるような読めないような、そんな所もキュンと来て、思わず入ってみたくなりました。

細い取っ手に手をかける、そのドアも扉のガラス部分、上部がアーチ型になっていて、、、お店の外側のライトもね、良い味を出してくれています。
「いらっしゃいませー」
と、声をかけてくれたお父さんは、ちょうど父世代でしょうか、穏やかな笑顔で迎え入れてくれました。レジの女性もご家族かしら、ちょうどお客様とお話し中、こちらにも笑顔を向けて下さった。

プラスチックのトングとトレーに手を伸ばし、まるでいつも来ているかのように、毎回の癖であるかのように、トングをカチカチと鳴らしてしまいました。
この質感と、配置と、雰囲気は、とても久しぶりのはずなのに。
最近は対面式で注文する方が多くなりましたね、こういうトングとトレー式のお店も、オシャレなもの、シルバーとか木製のものが配置されています。
勿論、それが悪いとかではないのですよ!ただ、プランタンさんの、この感じがあまりにも懐かしくて、嬉しくなってしまって、、、
気づけば、あら、いけない、いけない。つい店内の雰囲気や設に気を取られて、肝心のパンの方をまだ見ておりませんよ笑

上がり過ぎたテンションを落ち着かせるべく、ふぅ、と一呼吸。改めて店内をぐるりと見渡します。
柔らかそうなふわふわのパン
サンドイッチ、菓子パン、、、
おや、レジ横に、カップスープの素が、一袋何十円で売られている。きっと、ご近所さんや市役所の方々が、「お昼ごパン」を買いにこられて、セットで買えるようにしていらっしゃるのだなぁ。これから寒くなってくると特に、マグカップに注ぐだけで出来上がるスープは、お勤めの方には重宝されるでしょうね。湯気の立つスープとパンのランチの様子が、目に浮かぶようです(^^)
ピーナッツバターが単体で売られているなぁ、これはパンに挟んでいたものが、美味しくて人気を呼んで、販売するに至った、と推察できますよね?これはぜひ、ピーナッツバターパンも買わなきゃだ。
等々、頭の中で色々妄想しながらお買い物。
気さくに話して下さるお店の方とも、談笑させていただいたりしながら、おすすめのパンを買わせてもらいましたよ。
ああ楽しい、、、
もっとここに居たいな。
そう思いながらも、お店を出ました。「また(福岡から)出ておいで」という和やかな笑顔とお声を背に。
柔らかなパンを、潰さないように、小鳥が両掌に座っているかのように抱え、覗き込む。
ふふふ、、、思わず頬が緩みます。
1つ目はこの連載でお馴染みの、このパン
まずは、やはり、賢明な読者様ならお察しでしょうか、、、

買ってしまったクリームパン。(筆者は無類のクリームパンloverです)

「お店で炊いてるからね、美味しいよ」と教えていただいたカスタード。
トロっとしていて、綺麗な黄色のそれは、ああこれこれ!この味がクリームパンだよね、と同世代みんなが頷きそうなあの味で。形も、もちろん期待を裏切らないグローブ型ですよ。
気になっていたこちらも
続けて、ピーナッツクリームのパンも

堪らずひとくち、パクっ!と。
ふわふわの生地の周りは、クッキーぽい「そぼろ」が付いていて、ザクフワッとした食感も楽しめる。ピーナッツクリームはとても滑らか、甘さも控えめです。これはとても食べやすいオヤツパンだわー、、、
近年、次々と出来る新しい、おしゃれなお店たち。その新しいお店が出来るようになった、今日〈こんにち〉までの「パンブーム」を作り上げ、若い職人さんを育てるという役目も果たしてくれた、レジェンド的お店たち。
そして更に、今回伺った、プランタンさんのような、流行とか、関係なく、奇を衒うこともなく。ただただ、そこに当たり前のように居続けて下さっているお店の有難さ。
筆者もだいぶ齢を重ね、パンオタク歴も気づけは四半世紀(ひぇ〜)
いつの時代の、どのパン屋さんにも、感謝の気持ちでいっぱいです。美味しいパンのおかげで、お腹を満たしてもらうだけでなく、どれだけ幸せな気持ちにしてもらってきたことでしょう。
中でもこういう、プランタンさんのような、みんなの「生活の一部」になってくれている、「あの頃」を振り返った時に、景色としてそこにあるような存在は、「あの頃の未来」に居る自分たちにとって、少し切なくなるような懐かしささえも、時に伴って、更に先の人生を考える時の『何か』を教示してくれているように感じるのです。
当たり前であること、続けること、その難しさを感じられる大人になった自分たちだからこそ尚、こういうお店様の存在、心からありがたく感じます。
そんなノスタルジーに浸りながら頬張る、柔らかいパン。とても、美味しかったです。
店舗情報
BREAD HOUSE プランタン(ぶれっどはうすぷらんたん)
住所:〒834-0031 福岡県八女市本町東宮野町650 [map]
営業時間:9:00~17:30
定休日:日曜、祝日
駐車場:なし











