東九州新幹線日豊本線ルートの経済波及効果を宮崎県が発表

出典『東九州新幹線等経済波及効果調査』調査結果の概要(画像提供:宮崎県)
博多(福岡市)~宮崎市経由~鹿児島市の『東九州新幹線』日豊本線ルート整備による宮崎県の経済波及効果は2兆4,441億円を見込む━━。
宮崎県は2025年9月18日、『東九州新幹線等経済波及効果調査』の結果を発表した。
同調査結果によると、3兆8,068億円とされる東九州新幹線日豊本線ルートの整備費のうち、宮崎県内で発生する最終需要は1兆2,773億円としている。
この直接効果によって、原材料などの生産増加額9,058億円が発生し、第1次波及効果は2兆1,831億円となる見込みだ。
さらに、雇用者の所得増加による消費拡大分である第2次(間接)波及効果は、2,610億円が見込まれている。
第1次波及効果と第2次波及効果を合算した経済波及効果の見込み額は、2兆4,441億円となる。
この数字について、経済波及効果を直接効果で割った経済波及効果倍率は、1.91倍だった。
整備費については、2015年価格を物価基準として算定する。
そして、建設資材物価指数を用いた参考値として、2024年8月時点での整備費および経済波及効果に換算している。
同調査結果では、新八代~宮崎市の新八代ルートについても検討している。
なお、新八代ルートは、新幹線の基本計画路線に該当せず、新規に検討した独自路線だ。

出典『東九州新幹線等経済波及効果調査』調査結果の概要(画像提供:宮崎県)

出典『東九州新幹線等経済波及効果調査』調査結果の概要(画像提供:宮崎県)
宮崎県は開業後、入込客128万人増、経済波及効果234億円を見込む
東九州新幹線は、1973年11月15日の『昭和48年運輸省告示第466号』によって、建設を開始すべき新幹線鉄道を定める基本計画に追加された路線だ。
基本計画では、東九州新幹線は「起点:福岡市」「終点:鹿児島市」として、「主要な経過地:大分市附近、宮崎市附近」と規定されている。
東九州新幹線日豊本線ルートのうち、福岡市~宮崎市の所要時間は、1時間38分を想定している。
博多駅~小倉駅を走行した新幹線車両は、新設する東九州新幹線日豊本線ルートを走る。
そして、日豊本線ルートが開業した場合、年間128万人(2018年度実績比で19%増)の入込客増加を見込む。
この入込客の純増数に対して、消費単価を掛けた最終需要(直接効果)の見込み額は155億円だ。
第1次波及効果と第2次波及効果を合わせた経済波及効果は、年間234億円を見込む。
日豊本線ルート開業による経済波及効果の見込み額は、直接効果の約1.5倍と試算する。
整備新幹線の開業に伴う経済波及効果として、2016年3月に開業した北海道新幹線の場合、北海道内においては年間136億円と推計された。
2022年9月に開業した西九州新幹線の長崎県内における経済波及効果の推計値は、年間193億円だった。
また、2024年3月に延伸開業した北陸新幹線の福井県内における経済波及効果は、年間309億円と推計される。
新幹線整備が地域経済にもたらす経済波及効果は、きわめて大きい。

出典『東九州新幹線等経済波及効果調査』調査結果の概要(画像提供:宮崎県)
参照サイト
宮崎県『東九州新幹線等経済波及効果調査の結果について』
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/sogokotsu/kurashi/kotsu/20250911101103.html
東九州新幹線等経済波及効果調査 調査結果の概要
https://www.pref.miyazaki.lg.jp/documents/102226/102226_20250912131009-1.pdf









