今回お縄になったのは、北九州の路地裏にある格安物件。
福岡県北九州市80万円/古家付き/土地124㎡ のこちら。
え?80万?!
と、まずは値段に驚いてしまうのだが、この物件の真の魅力は他にあり。
さっそく外観を見てみよう。
ジャーン!
なんだ、この要塞のような風貌は。。。
道を歩いててこんな家が現れたら違和感しかないと思うけど、全体的に黒くすすけた壁とか、周りをコンクリートで固めた守りの堅そうな作りとか、戦時中にタイムスリップしたような場違い感あって、とても良き。
本当はこの家の内部に猛烈な興味があるんだけど、今回はあくまで「古家付きの土地物件」つまり「土地」として売られている物件なので、内部の写真はゼロ。
ということで、これからは、この場違い感の秘密にせまるべく空き家ポリス流の推理を始めてみたい。
もう一度、建物を見てみる。
通りに面した入り口がないから、お店だった訳でもなさそうだし、右上にちょっぴり瓦屋根が見えてるから、元はふつうの和風住宅だったんだと思われる。
上空から見ると、こう。
青で囲った場所が、表から見えるコンクリート部分なんだけど、黄色の和風住居を取り囲むように増築されているのだ。
なにか本体の家を守るべき理由が、このエリアにあるのか?
と思って前の通りを見たら、こんな感じだった。
え、、、なんかふつうに木造2階建が並んでる…。
もしやファサードをモルタルで固めて「火事に強い家」を目指したのかと思ったけど、格別、耐火建築が必要なエリアでも無さそう。うーむ…。
さらに横から見ると、こう。
黄色の矢印のところに注目してほしいんだけど、増築したコンクリの上へ、更に木造の2階をもう一度増築してる!なぜだ。。。
そして青の矢印部分には…3階の残骸???
家をぐるぐる見まわれば、要塞住宅の謎なんてすぐ解けると思ったんだけど、ここまでカオスだと、この形が意味するところなんてぜんぜん想像が付かない…。
こういう破天荒な増築を繰り返した建築といえば、香港の九龍城砦 がよく知られているけど、かの九龍城は解体されたあとこそ、存在価値を見出された感がある。
対して、路地裏にあるこの要塞住宅。
ここは、名も知れぬひとが作り上げた普通の民家かもしれないけど、実は、奔放な改築が黙認された「昭和というおおらかな時代」を映し出す鏡だと思うと胸が熱くなる。
ついでに言っておくとロケーションも魅力的で、こんな風に海のすぐそば。
埠頭からは、門司〜関東・関西方面をつなぐフェリーも出ていて、船オタの皆さまにもオススメの場所となっております。
▲こんな感じの路地裏でなかなかディープな場所。
ということで、のちのちこの要塞には、大阪の軍艦アパート みたく歴史遺産になってほしいので、我こそという廃墟クラスターの勇者は、ぜひこの土地を買って上物を残してほしい。
ちなみに、拙ポリスは初見で思わずポチりそうになったんだけど、売れてしまえばこのコーナーで紹介できなくなるのでまだ買ってません。
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