博多駅長の鐘ヶ江理恵さん
ホームにできた木製家具のスペースは、電源があり仕事にも便利
1つ目にご紹介いただくのは、福岡県産の木をふんだんに取り入れたくつろぎスペース。
ホームにあり、気軽に電源を使える場所とのこと。
入場券を購入したら改札を通り、3・4番のりばの北側へ
博多駅構内に入るために、まずは入場券を購入する。券売機があるのは、JR線のりば・中央改札と北改札近くの2か所。
券売機では、最初の画面の右下に「入場券150円」ボタンが出てくるので、分かりやすい。小児は70円。
入場券には「発売時刻から2時間以内1回限り有効」と書かれており、2時間を過ぎたら中央改札か北改札の有人改札で精算が必要(2時間ごとに+150円)だ。
博多駅を含む定期券を使えば、時間制限がなく入退場が可能だ。
鐘ヶ江さん
最初にご案内するのは、3か月半前にできたばかりの通称『くつろぎスペース』です。
在来線ホーム3・4番のりばの北側にあります。
JR線のりば・中央改札口から入ると、「3のりば・4のりば」と表示された階段が左右にあり、エスカレーターがない右手の階段をのぼる。
2階のホームに着いたら、そのまま直進。途中の「待合室」を通り過ぎ、しばらく歩くと「うどん・そば・お弁当」の店が見えてくる。
さらにその先、ホーム北側の端にあるガラスの建物が「くつろぎスペース」だ。
喫煙スペースをリニューアルした福岡県産の木を使った温もりのある空間
ここはもともと喫煙室だったスペースで、2022年12月24日にリニューアルして特別な空間に生まれ変わった。建物内に設置されているのは、屋台風テーブルの両側に3~4人掛けの長イスが2つ、カウンターデスクの前に丸太スツール3つ、さらにフリーの丸太スツールが3つ。ガラス張りの室内に入ると、木の温もりを感じられて居心地がいい。
これらは福岡県産のセンダンの木でできている。
センダンは通常の木と比較して成長が早く、CO2の吸収が約3倍にのぼるため、地球温暖化の抑制やSDGsに貢献するサステナブルな木材として注目されている。家具の名産地として有名な福岡県大川市では、一般社団法人大川スタンドバイツリーがセンダンを植樹・製材・加工して活用する「早生広葉樹センダン活用プロジェクト」に取り組んでおり、その一環として今回のスペースが誕生した。
鐘ヶ江さん
地域で資源と経済を循環させて、地球温暖化の抑制も期待できる素敵なプロジェクトです。私も植樹に参加したんですよ。
これからも駅でセンダンを活用した体験や展示などのイベントを展開する予定です。
充電あり!PCを広げて仕事ができる穴場スポット
カウンターデスクには電源が6つあり、携帯やパソコンを充電しながら仕事をしたり、おにぎりを食べたり、ドリンク片手におしゃべりする人たちの姿も。
さまざまな列車がすぐ近くを通り過ぎていくのが見えるのも楽しい。
鐘ヶ江さん
ホームの端っこにあるので、まだまだ知られていない穴場です。
ぜひご利用ください。
吹き抜けの大空間にソファ席とテーブル席、子どもシートもある休憩スペース
2つ目にご紹介いただくのは、開放感あふれる休憩スポット。
ソファやテーブルがあり、お子さんにも人気の場所とのこと。
ホームから上がりJR博多シティ3階側へ
「もう1つおススメの場所は、さらに上の3階にあります」と鐘ヶ江さんが指さした先にあったのは、ピンクのエスカレーターの入口。在来線3・4ホームの「JR博多シティゆきエスカレーター」に乗り、3階へとのぼっていく。1・2ホーム、5・6ホームにも同じエスカレーターがある。
エスカレーターが着いたのは、JR博多シティ3階の改札があるスペース。吹き抜けの広々とした空間が広がり、一面ガラスの先には線路と空が見えて、実に気持ちがいい。
ソファと電源のあるデスク、子ども用イスがズラリ
ガラスに向かって左手は、ソファが並ぶエリア。右の方の電源のあるデスクには、制服姿で勉強する学生やパソコンに向かうビジネスマンらしき人が座っていた。
前方には小さなイスと机が並び、子どもたちが電車を眺められる特等席だ。
テーブルとイス、子ども用チェアがゆったり並ぶ
一方の右手には、テーブルとイスがゆったりと配置されており、飲食したり、本を読んだりと思い思いに過ごすことができる。
こちらも前方の一部には子ども用のロッキングチェアが並んでいて、3歳くらいの男の子とおばあちゃんがホームに入ってくる列車を待ち構え、スマホで写真を撮って喜ぶ姿が微笑ましかった。
奥にはトイレがあり、多目的トイレにはベビーチェアとおむつ替えができるベッドが備わっているので、小さいお子さん連れも安心だ。
鐘ヶ江さん
ここはJR博多シティが開業した2011年から開放している休憩スペースです。
できてから12年経っていますが、普段、博多駅で列車をご利用になっていても、意外と知らない方もいらっしゃるんですよ。
列車の待ち時間はもちろん、ちょっとゆっくりしたいとき、お子さんと電車を眺めたいときなどに寄ってみてください。
壁や柱に使われているタイル画は、「博多駅アート計画」によって生まれたものだ。JR博多シティの開業にあたり、JR九州は一般の人から「花」「鳥」「魚」「葉」をモチーフにしたイラストを募集。日本画家・千住博さんと数々の列車をデザインしてきた水戸岡鋭治さんをアートディレクターに迎え、応募作品を有田焼のタイルにして、「アートの森」を創造した。よく見ると一つひとつのイラストに個性があり、温もりを感じる。タイル画アートは1階コンコースと9階ホールでも見られる。
なお、このフロアにある改札はICカード専用のため、入場券は使えない。入場券を使う場合は、1階の改札から入退場しよう。
鐘ヶ江さんが教えてくれた2つのスポットは、どちらも快適に過ごせる。ぜひ気軽に利用してみてほしい。
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