今回は、きむ兄の福岡エリア別探訪記第2弾をお届けします。前回は福岡市中央区のオシャレタウン・薬院を人気テレビ番組のノリでランキング形式にして紹介していきましたが、今回は趣向を変えて街ブラ形式でお届けします。
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きむ兄、香椎に降臨!一緒に街ブラしましょう
今回、選んだ街は「香椎」です。福岡の人なら「あー、再開発した街ね」と即座に返答をもらえますが、東京の人なら「あー、俳優のオダギリジョーの奥さんね」と答えてしまいかねません。実はわたしも移住前はその類いです。移住してから香椎という街を知りました。
で、なぜ香椎を選んだのかというと、理由はシンプルイズベスト。「編集部のリクエスト」です。
編集部「きむ兄、香椎は行ったことある?なかったら、薬院の次は香椎でお願いしたいんよ。香椎に行って街ブラしてもらって、きむ兄の目線で香椎という街を切り取ってみてほしいんよ。そうすれば東京の人でも香椎の魅力は伝わるし、福岡の人も香椎という街の魅力を再発見できると思うんよね」
早速、訪問前に香椎のリサーチを始めました。すると、こんな特徴が分かりました。
・西鉄とJR、2つの路線が走っている
・再開発が進んでいる
・福岡市東区では栄えている街らしい
・香椎宮という歴史のある神社
・大学が2つある
・閉園した「かしいかえん」は香椎周辺にあるわけではない
・戦後、海岸部の埋め立てが進んで福岡市東部の副都心的な役割を担っている
そんな事前情報を持って、2022年12月11日、きむ兄は香椎にやってきました。
最初に降り立ったのは西鉄貝塚駅。自宅の最寄り駅である中洲川端駅から地下鉄箱崎線に乗って貝塚駅に行き、改札をくぐって西鉄貝塚駅から西鉄香椎駅にやって来ました。
所要時間は約30分ほどでした
駅周辺のロータリーなどを眺めていると、ずいぶんと綺麗な印象です。再開発でもあったのかなと思いながら駅周辺を歩いていると、こんな石碑がありました。
なるほど、2006年に線路が高架化されて駅舎が新しくなったんですね。石碑には、取り壊された旧駅舎がミステリー作家・松本清張の作品「点と線」の舞台になっていたことも書かれていました。
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駅の西側を歩いていると、こんな案内看板を見つけました。
看板にも九州産業大学と福岡女子大学がありました。「学生の街」としても有名な香椎を象徴していますね。訪問当日は日曜日だったので、学生さんの姿は少なかったですが、平日はもっと活気がある街だろうと想像がつきます。看板に書かれたお店ではなくなり、別のお店になっている場所もありましたが、香椎自体に歴史があることを示す看板ですね。
香椎には西鉄香椎駅のほかに、JR香椎駅があります。鹿児島本線を使えば約10分で博多駅に行ける利便性の高い駅で、香椎に住む人はJR香椎駅の利用率が高いそうです。2022年3月には地下鉄七隈線が博多駅まで延伸するので、繁華街・天神へのアクセスも格段に良くなりますね。
香椎のシンボル・香椎宮をモチーフにした屋根も
西鉄香椎駅とJR香椎駅は徒歩2〜3分で行き来できます。西鉄香椎駅とはまた違った雰囲気の周辺で、個人経営の飲食店のほか、チェーン店の飲食店やカラオケボックスもありました。建設中のマンションもあって、まだまだ発展しそうな感じがします。
せっかく香椎に来たので、香椎のお店でご飯をいただきました。訪れたのはこちら。
2022年10月にオープンしたばかりという「食堂 海トごはん」。福岡の玄界灘からあがる新鮮な魚などを使った定食屋さんです。これは声を大にして言えますが、福岡の飲食店はどれも美味しいんです。あくまで主観ですが、武蔵小杉よりおいしい店は多いと思っているきむ兄です。
食事を終えた後は香椎のシンボル「香椎宮(かしいぐう)」へ。
香椎宮はJR香椎駅からだと、歩いて15分ほど。本来の最寄り駅であるJR香椎神宮駅まで電車で行く選択肢もありますが、15分程度ならお散歩にちょうどいい距離です。
香椎宮は、全国でも歴史がある神社のひとつです。仲哀天皇九年(西暦200年)、神功皇后がこの地で亡くなった夫・仲哀天皇を祀る祠を建てたのが起源とされていて、その後、神功皇后、さらにその息子である応神天皇も祀られるようになり、のちに香椎宮と呼ばれるようになりました。(福岡市HPより引用)
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香椎周辺を東京のベッドタウンに例えてみる
2つの駅や周辺を歩いてみると、古き良き街並みを残しつつベンドタウンとしての役割を果たしている印象です。
ビジネス色の強い博多周辺を東京駅、繁華街の天神駅を新宿や池袋、渋谷に置き換えたとき、香椎という街は東京のどの街になるのか、思考を巡らせてみました。
きむ兄は埼玉県と千葉県に住んでいたことがあって、埼玉県ではさいたま市と朝霞市に、千葉県では松戸市に住んでいましたが、当時の駅周辺は香椎のようなイメージはありませんでした。
そんなとき、ふと思い出したのが神奈川県川崎市の「武蔵小杉」でした。住んだことはありませんが、何度か行ったことのある街です。武蔵小杉は再開発が進み、JR横須賀線が止まるようになったり、多くのタワーマンションが建って、街のイメージがガラリと変わりました。
香椎からちょっと足をのばせば「福岡アイランドシティ」と呼ばれるタワーマンションや大型商業施設がある地区がありますし、寺と神社の違いはあれど、川崎市には川崎大師があります。さらに川崎市には「川崎フロンターレ」というサッカーチームもあります。香椎周辺をぎゅっとつめこんだのが武蔵小杉、そんなイメージがまとまりました。
加えて香椎の歴史を調べてみると、以前の香椎は風情のある街並みだったそうです(※)。武蔵小杉も昭和の風情ある街並みから変貌し、時代の変化に対応した再開発を成し遂げています。これも2つの町の共通点と言えるでしょう。
※参考資料>>香椎駅周辺地区のまちづくり(香椎駅周辺土地区画整理事業)
まとめ
普段は福岡市博多区と中央区を生活圏としているきむ兄なので、東区に行く機会はあまりありません。でも、東区には多くのレジャー施設があります。陸続きで車でも渡れる海がキレイな小島「志賀島」、海に囲まれた自然豊かな「国営 海の中道海浜公園」、プロ野球選手も訪れる勝運の神様として知られる「筥崎宮」、国内で数頭しかいないラッコの一頭を見ることができる水族館「マリンワールド海の中道」など、福岡市民が楽しんでいるスポットがたくさんあります。
福岡市は「コンパクトな街」として知られていますが、ベッドタウン・香椎で生活を営む方々は市内中心部とはまた違った豊かな生活を送っているのだと思います。
福岡という街の新しい一面を見つけて、ますます福岡が好きになったきむ兄でした。