世界で活躍したサイクリスト山田大五朗がプロデュース!福岡を体感するサイクリング

福岡は「都市と自然が調和したコンパクトシティ」とよく評されます。都心から地下鉄で、車で20分行けば海が広がり、山があり。さらに足をのばせば、心癒やされる自然の絶景が広がります。そんな心地よさを自転車で体感できるコースが福岡にはたくさんあります。世界で活躍したサイクリストで、福岡を拠点に活躍する「Bike is life」の山田大五朗さんに、福岡とサイクルツーリズムの魅力を教えてもらいました。 

自転車で風をきって走る楽しさを伝えたい


1978年生まれの山田大五朗さん。後ろは九州一周したライドの写真が並ぶ

まずは、山田さんがなぜここまで自転車に夢中になったのかを紐解いていきましょう。

山田「僕は福岡市南区の出身で、17歳の時に、家の近くにあったサイクルショップに当時持っていたマウンテンバイクをパンク修理に出した時に運命が動き出します。

そこはプロショップで、貼ってあった自転車レースのポスターを眺めていたら、『参加してみないか』って誘われて。当時、所属していた高校の野球部が廃部になったこともあり、出てみると初レースで3位に入賞したんです。

すっかり才能があると勘違いして(笑)、自転車にはまり、『高校を卒業したらプロのマウンテンバイクライダーになる』と決めていました。

国内の『ジャパンシリーズ』に参戦して、2年かけて徐々に上にあがっていきましたが、プロになるためには本場フランスへ行かなければと決意しました。ものすごく働き、資金を貯め、21歳のときに、南フランスのAVCAに所属してロードレースに参戦しました。

2年間という目標だったので、2シーズンを終えて22歳で帰国。23歳から国内でレースに参加したのですが、2年間走って辞めようかなと思う時期がありました。

バイトとレースを繰り返す日々だったので、『高校生のときに思い描いていたのと違う。自転車では生活できない。自己満足にしかすぎない』と。

自転車をとりまく環境がまったく違うんですよ。フランスは2日に一回の頻度でレースがあるんですよ。練習しなくていいし、小さなレースにもスポンサーがついて、レースで賞金ももらえるし。

日本だと2週間に1回、1ヶ月に3回くらいで。遠征のための費用も必要で参加費も高い、コーチもいない、バイトをするしかない。そんなときに、運命的な出会いがありました。

愛媛県の家族から『応援していますという』ファンレターをもらい、もうちょっと踏みとどまろうと思ったときにスポンサーがついたのです。

そこから海外挑戦という目標を定めて、国内でも準備し、29歳のときに、フランスのマウンテンバイクのクロスカントリーマラソンで日本人初の完走&43位になりました。

その実績が認められて世界選手権の日本代表になり、以後3年連続で日本代表として世界選手権に出場しました。

32歳のときに、国内最長レースである『24時間耐久レース』に挑戦し、優勝しました。ものすごくやりきった感じで、達成感を感じて競技としては引退しました。

それからは、フランスの自転車文化が素晴らしくて、日本の自転車をとりまく環境の向上、普及に力を入れたいと思ったんです。」


野山の中を駆け抜ける

山田さんの想いのつまったBike is life 


福岡県筑前町にあるBike is lifeのクラブハウス

山田「日本は自転車文化の成り立ちがヨーロッパと違います。フランスは競技に特化した文化で、競技を引退した人が趣味として楽しんでいる。

日本は日常の安価な足として自転車・ママチャリが普及し、それは2kmを走行することを想定され、それ以外は車優先で道路が考えられています。

オランダは日本に近くて、日常の足が車に移行せずに、自転車がそのまま利用され、自転車がきれいに使える道路に整備されています。

日本はどっちつかずの状況なので、僕は“自転車を日常の足として使いながら、趣味としての自転車文化も育てていきたい”と思ったのです。そこから、競技面の充実にもつながっていくのではないかと。


「Bike is life」から歩いていける黄金色の道。道の両端に麦畑がひろがります

2017年に、あさくら観光協会の方から『自転車を基盤にしたまちづくり』をしたいと声をかけていただいて、一年間お手伝いしました。実際には、2017年は朝倉での水害が起こった年で、復興の活動が中心でしたが、そのときに地元の人とのネットワークができました。

拠点を探していたところ、この古民家を紹介してもらい、周囲の自然がものすごく気に入ったので、自転車ライフスタイルブランド『Bike is life』のクラブハウス兼カフェとして2019年3月にスタートしました。


オリジナル自転車、ウエアはオンラインで購入できます

つながりのあった台湾の企業と作った初心者でも乗りやすいオリジナル自転車、オリジナルウェアの販売とライドイベントの運営を事業の柱としてすすめています。東京でもはじめました。」

土日にオープンするクラブハウスBike is life では、月額3,000円のランチのサブスクリプションを始めるそう。地域の人が集まる拠点にもなりそうです。

福岡から行く絶景サイクリングコース

山田さんは、サイクリストとして、福岡県が推進している「サイクルツーリズム」のアドバイザーとして、基本ルートをひいて、市町村の意見をききながら、コースの開発や監修に携わっています。特に、おすすめのコースをきいてみました。

山田「福岡市内からアクセスが簡単で、美しい海沿いをいく定番コースといえば、福岡・糸島ルート(約78kim)。地元サイクリストでも人気のコースで、信号が少なく走りやすいです。福岡タワーや二見ヶ浦といった観光名所も通りますよ。


あさくら・太刀洗周遊コース

拠点がある『あさくら・太刀洗周遊コース』では、昔ながらの城下町の風情が残る『秋月』や、小石原焼で知られる東峰村など、日本の原風景を楽しむことができます。サイクル&トレイル 福岡

また、福岡市内で手軽だけど、しっかりと自転車ならではのルートを楽しめる『Fukuoka "Hakata" Ride』を始めました。これは福岡の歴史をたどる約3時間のガイド付きライドです。自転車だと街のスケールを感じるのにちょうどいいんですよね。Fukuoka "Hakata" Ride

日本最古の港であり、中世には商港として栄え、遣隋使や遣唐使の経由地でもあった『博多』と、黒田長政が父如水とともに博多の町の那珂川対岸に築城した福岡城とその城下町である『福岡』。

『商人のまち』と『武士のまち』の二面性を感じながら、どういうふうに街が広がっていったかをガイドしながら、福岡市の中心部にある舞鶴公園や大濠公園や、江戸時代の頃の海沿いを走ります。旅行者も地元の方も楽しんでいただけると思います。

この4月から東京でも、ライドのプログラムを始めました。江戸の経済圏を巡りながら当時の人々の暮らしや町のスケール感を体感できます。2時間コースと4時間コースがあり、どちらも初心者でも楽しんでいただけますよ。」Tokyo "EDO" Ride

★福岡の歴史をたどる『Fukuoka "Hakata" Ride』をもっと楽しむには、こちらの記事→時代の最先端が入ってくる都市に根付く“DNA”とは?もご一読ください


福岡城を自転車ならではの機動性の良さで楽しんでいきます


「福岡」と「博多」の間に関所があったスポットで

「ツール・ド・九州」を超えて

ご自身が企画するライドでは、「九州一周」をしたことがある山田さんですが、現在、九州を一周するレース「ツール・ド・九州」や九州一周、九州縦断のモデルコースを作成する計画にも携わっているそうです。

山田「福岡一周のコースの計画もあって、3日〜4日かけて一周するのですが、子どもたちの夏休みの体験になるといいなと思っています。」

着実に、そしてハードに自転車があるライフスタイルを推進している山田さんに、将来の夢をきいてみました。

山田「『ツール・ド・フランス』に日本を含めアジアのチームが出て活躍する姿を“テレビ”で見ることでしょうか。テレビでみるというのは、それだけ日本でも自転車が有名になり、競技をする選手も出てくるということを意味しています。」

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各地でサイクルツーリズムが盛んになるなか、山田さんのパワーで福岡から日本中に自転車の楽しさが伝播するのではないか。福岡・九州の自然をかけるライドはそんな期待を感じさせてくれます。(#202110)

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編集者
帆足 千恵
福岡のタウン情報誌の編集者として1990年代から海外30カ国、60エリアを取材し、世界の旅行情報を発信。2001年より外国人旅行者向けの編集制作や企画、調査、マーケティング、プロモーションを行い、九州インバウンドのパイオニア的な存在。2020年4月 海外旅行情報サイトを公開予定。

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