医療モール件数100件の福岡県は47都道府県で8番目に多い
医療モールにおける経営コンサルティングや戦略アドバイザリー事業を手掛ける株式会社マゼランメディカル(東京都品川区、杉本哲哉社長)は2025年7月9日、『国内医療モール市場統計レポート』(2025年5月版)を発表した。
同レポートによると、日本国内にある医療モールの件数は2,943件であり、福岡県は100件だった。
医療モールの定義について、同レポートでは、同一空間に3軒以上の診療所が集積していることとしている。
なお、同一空間とは、「住所が同一である」「ビル名が同一である」「共通の医療モール名またはヴィレッジ名が付されている」「一定の区画にまとまって配置されている」のいずれかを指す。
都道府県別の医療モール件数は、第1位:東京都812件、第2位:神奈川県 463件、第3位:大阪府427件だった。
上位3都府県の医療モール件数は1,702件となり、全体の過半数を占める。
医療モール件数で100件だった福岡県は、47都道府県の中で第8位となっている。
出所:マゼランメディカル『【無料DL】国内医療モール市場統計レポート(2025年5月版)を発表。日本における医療モールの実態が明らかに』
福岡県は各種医療指標で全国平均値を上回る
福岡県保健医療介護部医療保険課は2025年3月21日、『福岡県国保医療費及び後期高齢者医療費の現状(令和7年3月)』を発表した。
同報告によると、人口10万人あたりの医療施設数のうち、病院数では全国平均6.5カ所に対して、福岡県は8.9カ所だった。
同じく一般診療所数は全国平均84.4カ所に対して、福岡県は94.2カ所となっている。
さらに歯科診療所数は全国平均53.7カ所に対して、福岡県は59.6カ所だった。
続いて、病床について見てみると、福岡県における人口10万人あたりの病院の病床数は1,593.1床であり、全国平均の1119.1床を4割強も上回っている。
福岡県の一般診療所病床数である115.0床は、全国平均の60.9床を9割弱も上回っている状態だ。
また、福岡県の病院における病床の利用率も高い。
病院の病床の利用率79.9%は、全国平均の利用率75.6%を上回っている。
さらに人口10万人あたりの医療施設従事医師数においても福岡県は312.1人であり、全国平均の262.1人を2割近く上回っていた。
出典:福岡県保健医療介護部医療保険課『福岡県国保医療費及び後期高齢者医療費の現状 (令和7年3月) 』
福岡県の医療環境を下支えする医療系高等教育機関
なぜ、福岡県の医療環境は、全国平均を上回っているのか?
この点については、福岡県における医療系の高等教育機関の存在が大きい。
福岡県内において、医学部を持つ大学は、福岡市に九州大学と福岡大学、県北の北九州市に産業医科大学、県南の久留米市に久留米大学があり、計4大学を数える。
また、医学部以外にも看護学部や医療学部などの医療系人材を育成する大学・学部も多く、14大学16学部が存在している。
福岡県における医療環境が、全国平均を上回っている要因の一つとして、大学医学部をはじめ、医療系高等教育機関が充実している点も見逃せないと考える。
出所)旺文社『大学受験パスナビ』
参照サイト
株式会社マゼランメディカル『【無料DL】国内医療モール市場統計レポート(2025年5月版)を発表。日本における医療モールの実態が明らかに』
https://magellan-medical.com/report202505/
福岡県保健医療介護部医療保険課、『福岡県国保医療費及び後期高齢者医療費の現状(令和7年3月) 』
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/763988_62444437_misc.pdf
旺文社『大学受験パスナビ』
https://passnavi.obunsha.co.jp/