福岡市が人口を伸ばし続ける 都市なのはなぜ?

謎解き!フクリパ

福岡市の人口が2040年に170万人を突破と推計!福岡市が人口を伸ばし続ける都市なのはなぜ?

「福岡市の人口、170万人まで増加へ ピークも2040年に後ろ倒し」「福岡市の人口2040年に170万人…九州各県から流入、2012年推計よりピーク遅く」……。2023年12月、福岡市の人口が170万人になるという報道が相次ぎました。今回、「なぜ、福岡市の人口は2040年に170万人まで増加するのか?!」という〝謎解き〟に挑みます。

福岡市総人口は2040年にピークを迎えて170万人に!

福岡市における総人口のピークは、2040年頃で約170万人に達する━━。
福岡市は11年ぶりに将来人口推計を見直し、福岡市議会総務財政委員会に報告した。

同報告によると、福岡市の人口は、ピークである2040年に約1702,000人に達し、前回(2012)の推計でピークだった2035年から、さらに5年ほど人口増加が続く見込みだ。
なお、国立社会保障・人口問題研究所が20231222日に公表した『日本の地域別将来推計人口(2023年推計)』によると、2040年における福岡市の推計人口は1664,570人となっている。

 

 

福岡市は、第1回国勢調査が実施された1920年以降、毎回、人口を伸ばし続けているまれな都市だ。

今後も2040年頃までは、人口増加が続く見込みとなっている。
一方、日本全体について、5年に1度実施される国勢調査でのピークは、2010年の1億2,8057,352人だった。
なお、国勢調査人口を基準に毎年公表している人口推計によると、2008年の12,8084,000人がピークだった。

 

【画像】170万都市@フクリパ

出典:福岡市総務企画局『令和5年12月議会総務財政委員会報告資料』

 

 

【謎】なぜ福岡市の人口は増え続けて170万人を突破するのか?

首記の〝謎〟について、今回の将来人口推計を担当した福岡市総務企画局企画調整部の倉光洋規企画課長は、次のようにコメントする。

 

 

倉光洋規企画課長

 倉光洋規企画課長

人口は、主に『自然増減』と『社会増減』という2つの要素で変動します。
まず、出生数と死亡数の差である『自然増減』については、福岡市では2020年まで、出生数が死亡数を上回る『自然増』が続いていましたが、2021年以降、『自然減』に転じています。

 

一方、転入数と転出数の差である『社会増減』については、主に進学や就職を契機とした若者世代の転入などにより、『社会増』が続いており、今後も同様の傾向が続くことが見込まれます。
全国的に人口減少社会を迎える中、福岡市では、『社会増』が『自然減』を上回る2040年頃までは、人口の増加が続き、ピークは約170万人に達すると推計しています。

 

福岡市では、将来人口の推計方法として、国連も採用しているコーホート要因法を用いています。
コーホート要因法とは、人口変動要因である自然増減(出生・死亡)および社会増減(転出・転入)について、過去の実績をもとに将来値を仮定して推計する方法であり、一般的で有用性が高いとされています。

福岡市の人口が増加している要因として、市民意識調査において11年連続で95%以上の方が「住みやすい」と回答されているように、都市と自然が調和したコンパクトで住みやすいまちであることです。
また、スタートアップや企業の立地が進み、雇用が増加していること、さらに、市内には大学・短大・専門学校が100校ほど立地し、学生をはじめ若い世代の転入が多いことなど、『住みやすさ』『働きやすさ』『学びやすさ』の3つが揃っていることが大きな要因であると考えています。

 

【画像】170万人都市@フクリパ

福岡市総務企画局企画調整部の倉光洋規企画課長

 

福岡市の人口移動について、全国的な人口動態でみてみよう。
すると、東京都をはじめとする対関東圏に対しては転出超過となっているものの、それ以外の各地域に対しては転入過多という状況だ。
つまり、福岡市に対しては、九州一円をはじめ全国各地からヒトが集まって来ている

 

 

もともと福岡市は、進学や就職などで10歳代後半~20歳代前半の若者層が移り住むという社会増の傾向はみられていた。
昨今では、働き盛り世代や子育て世代などの流入も増えてきている。
このような要因としては、〝元気で活気ある都市〟〝コンパクトで便利な都市〟〝食のおいしい都市〟としての福岡市への評価の高まりがある。
加えて、天神ビッグバンや博多コネクティッドによる都心再開発事業をはじめ、スタートアップ支援策や子育て支援策などの取り組みが奏功したことは大きいといえる。
この結果、福岡市の人口は、2040年まで増え続けていくのだ。

 

【画像】170万都市@フクリパ

出典:福岡市『グラフで見る福岡市』

 

 

福岡市の推計世帯数は2050年まで増え続けて119万世帯へ

福岡市の世帯数は、今後も増え続けて2050年には、2020年比で42.3%増の1186,000世帯になると推計されている。
福岡市の推計人口は、2040年にピークを迎える一方、世帯数については依然として増加していく。

 

 

今後も増え続ける推計世帯数の内訳を一人暮らしの『単独世帯』と、夫婦や親子など複数人で暮らす『複数世帯』に分けて、みてみよう。
すると、複数世帯数は今後、40万世帯前後で推移していく。
その一方で増え続けるのは、単独世帯だ。
2020年の国勢調査における単独世帯の割合は全国平均で38.1%だった。このため、単独世帯率51.9%の福岡市は、全国的にみても単独世帯の割合の高い都市である。
福岡市では今後、ますます単独世帯の割合を増していき、2050年には3世帯のうち2世帯は単独世帯になるという推計だ。

 

福岡市『グラフで見る福岡市』

 

 

【謎】なぜ福岡市の世帯数は増え続けて2050年に119万世帯弱になるのか?

福岡市の世帯数は、今後も増え続けて、2050年に1186,000世帯まで増加するという推計になっている。

この点について、倉光課長は次のような見解を示す。

 

倉光洋規企画課長

 倉光洋規企画課長

福岡市の人口は2040年頃にピークを迎える一方で、世帯数はその後も増え続け、2050年には1186,000世帯になると推計しています。
世帯数の増加については、核家族化や高齢化の進行によって、単身の高齢者世帯が増えていくことが大きな要因として挙げられます。

福岡市は、現在も人口が増え続けていますが、人生100年時代に誰もが自分らしく暮らせるまちを目指すプロジェクト『福岡100』の取り組みをしっかりと進めながら、将来的な人口減少社会の到来も見据え、新たなテクノロジーも活用して、社会全体で支え合う持続可能なまちづくりを進めていくことが大切だと考えています。

 

 

2025年度からの10年を示す次期基本計画を策定中

【画像】170万人@フクリパ

画像提供:福岡市

 

 

今回、福岡市議会に報告された新たな将来人口推計は、次期福岡市基本計画の策定に向けた基礎資料として提出された。

 

 

日本の自治体は通常、都市の将来像を描き、まちづくりや都市経営の方針を示した『総合計画』を最上位計画とし、総合的かつ計画的な行政運営を行っている。
福岡市総合計画は、『基本構想』~『基本計画』~『実施計画』という3層構造となっている。

 

 

福岡市は、それぞれの趣旨について、下記のように説明する。

◎『基本構想』:福岡市が長期的に目指す都市像
◎『基本計画』:基本構想に掲げる都市像の実現に向けて、まちづくりの目標や施策を総合的・体系的に示した10年間の長期計画
◎『実施計画(政策推進プラン)』:基本計画を推進するにあたって、福岡市が取り組む具体的な事業を示した4年間の計画

 

 

コロナ禍や価値観の多様化を受けて、新たな基本計画を市民とともにつくっていく

2013年度からスタートした現行の第9次基本計画は、昨今のコロナ禍もあって2年間延長した後、2024年度末で満了となる予定だ。
現在、福岡市では、2025年度から始まる次期基本計画の策定に向けた検討を進めている。

そもそも、なぜ次期基本計画を策定するだろうか? 
この問いに対して、福岡市総務企画局企画調整部の染井洋介企画課長は、次のように答える。

染井洋介企画課長

染井洋介企画課長

この10年間で、SDGsやカーボンニュートラルといった持続可能な社会への意識が浸透し、AIなどのテクノロジーが飛躍的な進歩を遂げるなど、社会は大きく変化しました。

また、次期基本計画の策定に向けて、幅広い市民のみなさんのご意見を募集する『みんなでつくる福岡市の将来計画プロジェクト』を通じて、市民の価値観が多様化し、ダイバーシティーやインクルージョンといった考え方がより重視されていることも強く実感しています。

こうした社会の変化や市民の声を取り入れて、市民のみなさんと一緒に新しい基本計画をつくっていくことは、福岡市の将来を考える上でとても大切なことだと考えています。

【画像】170万人都市@フクリパ

福岡市総務企画局企画調整部の染井洋介企画課長

 

 

日本で初めて基本計画を策定した福岡市は現行の基本計画で大躍進

日本の都市で初めて、基本計画を中核とした総合計画を採用したのは福岡市だ
1961年に福岡市が策定した日本初の『第1次総合計画』は、工業都市を目指す内容だった。
しかし、政令指定都市で唯一、一級河川を持たず、工業化に不可欠な水源が乏しいという福岡市の地理的特性から、1966年に策定した『第2次総合計画』では、商業地としての福岡・博多の歴史を踏まえて第三次産業を重視する路線へ舵を切った。

 

 

その後、第三次産業主体のまちづくりを進めた福岡市は1972年、政令指定都市となる。
山陽新幹線が博多駅に乗り入れた1975年に人口100万人を突破。福岡市は1979年、工業都市だった北九州市を人口で追い抜いた。
水不足というウィークポイントを踏まえた総合計画が、結果的に福岡市の成長を導いたと言える。

 

2012年12月には基本構想を四半世紀ぶりに改訂し、第9次総合計画を策定した。
『福岡市経済の概況』によると、現行の基本計画がスタートする前年である2012年度の福岡市内総生産(名目)69,500億円だった。
また、福岡市『財政のあらまし』によると、同時点の市税収入は2,697億円となっていた。

 

 

その後、コロナ禍解直前の2019年度における福岡市内総生産(同)は、12.09%増の7兆7,900億円になり、市税も27.73%増の3,445億円へと大幅に増やしている。
この間、201331日時点で1498,887人だった福岡市の推計人口は、2020年3月1日時点で7.10%増160万5,238人となっていた。

 

 

『みんなでつくる福岡市の将来計画プロジェクト』を次期基本計画に生かす

【画像】170万都市@フクリパ

出典:福岡市総務企画局『令和5年12⽉議会総務財政委員会報告資料』

 

福岡市総務企画局は今回、福岡市議会総務財政委員会に対して『みんなでつくる福岡市の将来計画プロジェクト』の実施結果も報告した。
報告によると、2023425日からの半年余りでオンラインによるアンケート調査には8,242件の回答が寄せられた。
また、高校・大学、企業や団体、市民サークルなどにおいて、40回のワークショップを開催して1,198人が参加した。

 

 

さらに民間主導の取り組みとして福岡地域戦略推進協議会が、まちづくり団体や経済団体などとのイベントやヒアリング結果を踏まえて提言を行った。

一方、福岡市内の小・中学生約12万人を対象にして、一人一台のタブレット端末を活用したアンケートも実施し、その結果をもとに小・中学生たち自身が取りまとめた将来への意見は、『福岡こども未来サミット』の場において発表されている。

 

 

【画像】170万都市@フクリパ

出典:福岡市総務企画局『令和5年12⽉議会総務財政委員会報告資料』

 

 

【画像】170万都市@フクリパ

出典:福岡市総務企画局『令和5年12⽉議会総務財政委員会報告資料』

 

 

多くの市民から寄せられた声は今後、次期基本計画の策定において、どのように生かされるのだろうか? 
この点について染井課長は次のように語る。

染井洋介企画課長

染井洋介企画課長

まちづくりの主役は市民であり、市民のみなさんの思いを何よりも大切にしていかなければいけないと考えています。
今回のオンラインアンケートでは、自由記述で3,315件ものご意見もいただきました。

市民のみなさんからのこうした貴重な声を、計画の『めざす姿』や『成果指標』などにしっかり反映して、「今日よりも明日が良くなっていく」と思えるような基本計画をつくり、市民のみなさんと一緒に魅力的なまちをつくっていきたいと考えています。

【画像】170万人都市@フクリパ

次期計画の策定スケジュール(出典:福岡市総務企画局『令和5年12⽉議会総務財政委員会報告資料』)

 

 

 

次期基本計画は将来へ向けた〝羅針盤〟であり、〝未来図〟となる

次期基本計画がスタートする2025年は、福岡市による将来人口推計によると、人口165万6,000人となり、世帯数は899,000世帯になっている。

 

 

各自治体における人口変動の要因である自然増減(出生・死亡)および社会増減(転出・転入)においては、各自治体の取り組みが大きく左右する。
そして、一連の積み重ねが、都市や地域の魅力づくりにつながっていく。
福岡市および市民にとっては、将来へ向けた〝羅針盤〟であり、〝未来図〟にもなり得る次期基本計画の策定動向について、関心を持ちながら、見守っていきたいと考える。

 

 

参照サイト

福岡市総務企画局『令和512⽉議会総務財政委員会報告資料』
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/105643/1/20231214_somu_hokoku.pdf?20231215161318

 

国立社会保障・人口問題研究所『将来推計人口・世帯数』
https://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/mainmenu.asp

 

福岡市総合計画の体系と内容(基本構想・基本計画・実施計画)
https://www.city.fukuoka.lg.jp/soki/kikaku/shisei/fukuokashikihonkosokihonkeikaku/sougoukeikakumain.html

 

福岡市『グラフで見る福岡市』
https://www.city.fukuoka.lg.jp/soki/tokeichosa/shisei/toukei/kankobutsu/index_graph.html

 

令和2年国勢調査人口等基本集計結果概要(福岡市)
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/87005/1/r2_fukuokacity_gaiyou.pdf?20231109102818

 

統計TodayNo.115「平成27年国勢調査(人口等基本集計)結果の公表―「初の人口減少」確定に当たって―(総務省統計局統計調査部)
https://www.stat.go.jp/info/today/115.html

 

福岡市経済観光文化局『福岡市経済の概況』(20239)
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/46140/1/keizainogaikyoR5.9.pdf?20231005101235

 

福岡市『財政のあらまし』(20239)
https://www.city.fukuoka.lg.jp/data/open/cnt/3/114094/1/zaiseinoaramasi4.pdf?20230914104617

 

 

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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