【経済・ビジネス短信@フクリパ】

サステナブル建築物、建築物環境配慮でもS評価の九州労金新本店ビルが10月完成!【福岡市中央区】

昨今、環境に配慮した建築物への関心が高まっています。このような状況下、福岡市・大濠公園エリアの一角において建設が進む九州労働金庫の新本店ビルは、国土交通省所管研究所や福岡市の建築物環境配慮制度で評価された建物です。今年・2023年10月に完成予定の新本店ビルのあらましをみていきます。

九州労働金庫本店敷地内に、環境にも配慮した新本店ビルを建設中

画像提供:九州労働金庫

九州7県に82店舗を構え、預金残高で2兆円余り(2022年3月末現在)の九州労働金庫。
同庫では、2023年10月の完成を目指して新本店ビルを建設中だ。

1978 年に完成した現行の本店ビルが旧耐震基準に基づく建物であり、築40年超を経過していた。
このため、本店敷地内において、現在の耐震基準に基づく新本店ビルを建設している。

新本店ビルは、地上 10 階・地下 1 階、高さ 約 40メートル、延床面積1万746平方メートルの規模。
免震構造や高潮対策などの防災機能を備える新本店ビルは、自然採光や自然換気などの省エネ仕様を採用しており、環境にも配慮した建物となっている。
また、旧本店ビルの地下部分の既存構造を利用して、新本店ビルの地下駐車場に造り変えることで〝減築〟という手法による省資源化も実現している。

本店ビルの建て替えプロジェクトにおいては、「人と人、人と情報、人と自然とのつながりを生み出す『共生創造BANK”スマートウェルネスバンク”』をコンセプトとして打ち出す。
その上で≪知的創造≫≪健康・快適≫≪エネルギー≫≪レジリエンス≫に取り組む。
そして、「地域に根ざした金融機関として魅力的なイメージ」を発信する本店ビルを目指すとする。

福岡市建築物環境配慮制度でS評価、国交省研究所も評価

画像提供:九州労働金庫

現在、建設を進めている九州労働金庫の新本店ビルについては、建築物の環境に対する取り組みレベルを評価する『福岡市建築物環境配慮制度(CASBEE福岡)』でも高い評価を得ている。
同制度の『CASBEE-建築』『CASBEE-ウェルネスオフィス』の両部門において九州労働金庫の新本店ビルは、最上位となる『S評価』を獲得した。

国土交通省所管の国立研究開発法人建築研究所では、九州労働金庫『九州ろうきん本店ビル新築工事計画』について、『サステナブル建築物等先導事業(省CO2 先導型)』と評価した。

令和2年度第2回事業において「適切」と評価した建築研究所では、「汎用性が高い省エネ技術に工夫を凝らし、建築計画・設備計画に取り入れた取り組みは先進的で、地方都市におけるプロジェクトとして波及性も期待できる提案と評価した」とコメントする。

【物件概要】

所 在 地/ 福岡市中央区大手門三丁目3-3
用     途/ 金融機関本店・金融機関事務所・駐車場
事業主体/ 九州労働金庫
階     数/ 地上10階+減築による地下駐車場
敷地面積/ 2,788.92㎡㎡
延床面積/ 1万746平方メートル
着     工/ 2021年2月
完     成/ 2023年10月
備     考 福岡市建築物環境配慮制度『S評価』、国立研究開発法人建築研究所『サステナブル建築物等先導事業(省CO2 先導型)』としての評価

【参照サイト】

九州労働金庫「本店ビルの新築について」
https://kyusyu-rokin.com/wp-content/uploads/2020/02/20200220_news.pdf
国土交通省令和2年度 第2回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)採択プロジェクト『九州ろうきん本店ビル新築工事計画』
https://www.kenken.go.jp/shouco2/pdf/ppt/R2-2/03taitaku.pdf
九州労働金庫『九州ろうきんとは』(ディスクロージャー)
https://kyusyu-rokin.com/company/about/
『建築研究所ニュース』(2020年12 月18日号)
https://www.kenken.go.jp/shouco2/pdf/souhyou/R2-2souhyou.pdf
 

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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