「歴史」をビジネスにする理由。
こうして始まったコテンラジオ。いくつかの偶発的な出逢いが重なり、今に至るようにも思えますが、そもそも、ただ歴史好き同士でわいわいくっちゃべるだけではなく、なぜビジネスにしようと考えたのでしょうか?
深井「歴史系のコンテンツって、大きくわけると3つあると考えています。一つはその人の気持ちがわかるような、人を軸にしたもの。もう一つは、社会的な構造がわかるようになるもの。そして三つ目は、思わず誰かにしゃべりたくなるようなトリビア的なもの。そして世の中に落ちている歴史系コンテンツって、どれもこのいずれかに偏っていると思うんです。でも、これをバランスよく織り交ぜることで、これって歴史をデータベースにできるんじゃないかと思ったんです。
僕たちは、思想を伝えたいわけでもないし、何かを証明したいわけでもないし、かといってただの雑学でもない。日本が良かった、悪かったとか、偉人の押し付けではなく、フラットな視点で語れるといいなと考えています。そしてそのためには、もとになるものが必要だと思うんですが、実はまだそれってとても少ないんですよね。こんなにも、おもしろおかしく語られ、ときに涙したり憤ったりするほどのものなのに。
ですから、“歴史をデータべース化する”という、人類がなしえていないものを作り上げることができたら、そこから無限にコンテンツが生まれるのではないかと思い、事業として取り組もうと考えました」。
つまり、コテンラジオはそんなデータベースをもとにした、3人なりの歴史コンテンツのひとつ、として展開しているという建付けということですね。