博多駅で、「完乗(かんじょう)」について考える。
私のバス停趣味は、1枚の路線図から始まっています。
今から45年ほど前、自宅にあった路線図を見て、「全部の終点に行ってみたい」と思ったことがきっかけでした。
路線図は今も、公式サイトで公開されています。興味がありましたらご参照ください。
>>西鉄バスHP「路線図・路線案内」
人間には「コンプリート」という欲求があるようで、鉄道やバスなど各方向に路線を張り巡らしているものがあると、「完乗」「乗りつぶし」と呼ばれる趣味が志向されるように感じます。
当方も病膏肓に入る類のバスマニアなので、西鉄バスの全路線を一度は完乗した(と思っている)のですが、今回はその難しさについて語らせてください。
博多駅筑紫口というバス停があります。
当たり前ですが、駅のそばです。
博多駅の両出口は、実方位的には「東口と西口」なのでしょうが、天神側から大博通りがそのまま海に繋がるせいか、あちらを「北側」だと思っている人もいます。そういう混乱を避けるために「博多口」「筑紫口」と呼ばれています。
郊外からやってきた人たちを博多駅界隈に届ける路線が主なので、次の博多バスターミナル終点のものが多いです。
ところが、同じ博多駅付近を終点とするものでも、バスターミナルまで行かないものがありまして、
こちらの行き先は「博多バスターミナル」と表示
こちらは、ここ筑紫口が終点です。
乗客の殆どは、バスターミナルを目指しているのではなく、「博多駅周辺のどこか」を目的地としているため、大きな支障はありません。しかし完乗を目指すのであれば、筑紫口ゆきに乗ってしまうと、「筑紫口」~「バスターミナル」間が未乗になります。
この2系統は、ちゃんと「博多バスターミナル」「筑紫口」と終点が明記されているため分かりやすいのですが、「天神」など「終着地のざっくりとした地域は表示されているけれど、どのバス停が終点なのか書いていない」もの、実はけっこう多いのです。
このあたりから、沼の片鱗が見えてきます。
そして、博多駅を経由地として西の郊外に向かう系統も、筑紫口に発着します。
茶山・福大方面の114番や、
飯倉・野芥方面の17番です。
114番は国体道路経由なので、次のバス停は博多バスターミナル内なのですが、17番は城南線(薬院駅のあたり)を通るため、「博多駅前B」というバス停に停車します。
すると、何が起こるかというと、
114番(=青色)、17番(=緑色)の経路はこちら。博多バスターミナルを過ぎるまでは同じ経路に見えるが…
同じところを通るようでいて、バスターミナル内に停車しない17番は、外の道路を通る!!!
博多バスターミナル部分にご注目。17番(=緑色)はターミナルではなく外側の道路を通るのだ。
「いやいや、ターミナルは構内だから、同じようなもんやん」と感じる方は、この部分を無視してください。こういう小さな経路の違いを気にするのが「マニア」と呼ばれる人種なのです。
完乗の難しさ、すこし感じていただけたでしょうか。「これだけの区間を乗車したら完乗と認める」といった公式見解が存在しないので、あくまで自身が気付いた部分で「完乗した(はず)」と決定する高尚な(笑)遊びなのです。
さああなたも完乗に、レッツトライ! 茨の道が待っています。
【基本情報】
バス停名:博多駅筑紫口(はかたえきちくしぐち)
・住所:〒812-0012 福岡県福岡市博多区博多駅中央街1[map]
・天神からの行き方一例:
「天神ソラリアステージ前(7)旧:天神コア (7Bのりば)」から普通44番 住吉 博多バスターミナル 諸岡 南本町経由 雑餉隈車庫ゆき に乗車。約24分、240円