1バス停単位で福岡を切り取る「バス停から愛」

将来貴重な史料になるか?「野方」バス停の記録【福岡市西区】

一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。連載111回目は、福岡市西区にある「野方(のかた)」バス停をご紹介します。

同じ写真も視点を変えると別物

 

本日は、涙雨のなかお送りします。

 

 

福岡市西区の「野方」です。壱岐営業所が併設されています。

 

このバス停行灯の写真は、1枚目の遠景と同じ場所から撮りました。100倍程度の光学ズームをかけています。次のバス停が3つ表示されていることを、正面から撮影したかったのです。

 

 

近くから撮ろうとすると、バス車道に出るか、運転士さんの自家用車駐車場に侵入するか選ばねばならず、どちらにしても不法行為になってしますので、はるか遠くから撮りました。

 

 

待合小屋の脇にも、もう1本野方バス停はあって、

 

 

そちらでも、似たようなものは撮れるのですが、こちらは「次は」と書かれつつも「前の」バス停になるので、

 

 

マニア特有の拘りを持って、遠くから

 

 

手ブレと闘いつつ、頑張って撮りました。

 

 

この写真で先ほど、「待合小屋の脇にも、もう1本」と述べましたが、

 

 

コミュニティバスを注視しているマニアからすると、予約制のバスである「のるーと」を意識されるでしょうから、

 

 

この写真に写っているバス停は、1本ではなく2本ということになります。

 

 

そして、のるーとのバス停を映し込むように意識したこの画角では、道路の反対側にもう1か所、2本のバス停が立っていて、

 

 

野方のバス停配置を意識する場合、このバス停の存在が大事になります。

 

この写真は

 

 

こちら、営業所構内のバス停ベンチ横から撮影しています。相互に非常に近いバス停ですが、野方(営業所)と、

 

 

野方(パチンコ店前)と区別されているため、パチンコ店前から乗って、営業所構内で降りることも可能です。

 

あるテレビ番組の調査によると、福岡市内の西鉄バスで最も近距離の区間なのだそうです。ただしどちらも野方バス停ではあるため、「名前の違う相互バス停での乗降」など、ルール設定次第では扱いが変わることもありえます。

 

そして先ほどから「パチンコ店前」と繰り返していますが、写真でお分かりのとおりパチンコ店は営業を終了して久しく、現在の公式アプリでは「野方(営業所外)」という無機質な呼び方をされています。「えいぎょうしょ(がい)」と読みます。「そと」ではありません。

 

 

 

と、延べ14枚の写真を掲載しましたが、7種類の写真しか使っておりません。それぞれの拘りによって「同じ景色に違うものが見える」のだとすれば、面白いことだと思います。

 

 

 

涙のワケは

 

そんな「面白い」野方の景色を、なぜ冒頭で「涙雨」と述べたかといいますと、

 

 

今回の主題が、毎年3月恒例の「ダイヤ改正」に於ける系統廃止、だからです。514番、515番の運行が終了となります。

 

一般的に運行時刻や本数の変更は、ダイヤ改「正」という言葉が使われますので、「より正しいものを作るのだ!」という気概を感じます。しかしそこで廃止される系統が出現すると、「今までこの区間を走らせていたのは誤りだったな」的反省が含まれての「改正」のような気がして、マニアは独り、寂寞の想いが増すのです。「改定」じゃ駄目なんですかねえ。

 

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

なくなるものは、せめて記録しておかねばなりません、という使命感のもと、「515」を撮影します。

 

 

日祝日は2本しかなく、撮影したものが最終便です。

 

 

514」は、先に郊外の生松台・野方台からの乗客を拾いに行き、

 

 

野方にいちど戻ってから、あらためて博多駅方面に走りますので、二度の撮影チャンスがあります。とはいえ同じ系統の同じバスなのに表示は大きく変わりますので、どちらを撮り逃しても後悔するという意味では、二度はチャンスではなく必須事項のような気もします。

 

 

514」は、最初に生松台方面へ向かう際のバス停は、営業所構内で、

 

 

次に博多駅方面へ出発するのは、

 

 

こちらのバス停からです。

 

 

待合室は営業所隣にありますが、バスの停車位置は一般道路上なので、こちらが営業所の中なのか外なのかは意見の分かれるところでしょうが、運用上は営業所内と扱われています。

 

 

待合室内の案内で、まず生松台野方台へ向かう514は、野方に戻ってくるため、野方にいるのに野方方面と表示されます8:32の項をご確認ください。

 

 

そして野方に戻ってから博多駅に向かう514が、8:48発です。

 

 

514も、日祝日は2本です。

 

 

 

将来、貴重な史料になるかも?

 

515の含まれる路線図と、

 

 

514の含まれる路線図も記録しつつ、

 

 

廃止系統とは関係のない路線図も、

 

 

将来的には貴重な史料になるかもしれない、という懸念があるため、撮っておきましょう。

 

 

偉そうに奨めてはおりますが、帰宅してから漏れを見つけて後悔することは頻繁にあります。意識は高く持ちつつも、済んでしまったことを笑って流す余裕も必要です。

 

 

系統廃止ではないのですが、514と同様に、「いちど生松台を経由してから野方に戻り、都心方面に向かう」という経路だった504も、生松台野方台を経由しなくなるため、これも惜しみます。

 

 

野方に戻ってから都心方面に向かう504は、改正後も走ります。

末永く元気でいてほしいです。

 

 

現状の全体時刻表を、野方から西に向かうものと、

 

 

東に向かうものと、それぞれ撮影し、

 

 

日祝日には2本しかない514も、

 

 

平日には通勤需要が多いからか、5本もあるのになあ

 

 

515も4本まとめて廃止されるのだなあ、と感慨に浸って、いちおうの記録に区切りをつけます。

 

 

 

尽きることのない、バスマニアによる妄想と新発見

しかし、

 

生松台を循環して野方に戻る循環部分が、現在は平日54便もあるのを見て、番号はなくならないながらも、廃止される区間の規模に改めて驚いたり、「115分として、54便で13時間半ということは、それだけで運転士2人分の労働軽減に繋がるな」と誰目線か分からない計算をしてみたり、いくらでも妄想は続くのです。

 

 

その後も、206に朝の1本だけ、天神が終点になるものの存在を見つけたり、

 

 

営業所構内に入らない系統の存在も、今回は言及できていないなあ、と反省したりしています。

バス停趣味って、奥が深いですなあ(どこか他人事)。

 

 

 

基本情報

バス停名:野方(のかた)

・住所:〒819-0043 福岡県福岡市西区野方1丁目22 [map]

・天神からの行き方例:
「天神北(3:フタタ前)(那の津方面)」から都市高504 野方行きに乗車。約24分、500円。

 

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バス路線探検家
沖浜貴彦
1972年生まれ・福岡在住。路線図に描かれた終点を想い、途中の狭い区間を苦心して走るバスに愛を注ぐ変態。ブログ「ほぼ西鉄バスの旅」を2008年に開設、日々愛を持ってバスを追いかけ続ける。毎月第二金曜・第四土曜日はバス趣味の現況を共有するサロン「バス路線探検家の会」を運営。

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