いきぬきどころ きんど

まるでジブリの世界観!隠れ家カフェ「いきぬきどころ きんど」【福岡市南区】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡にあるそんな「昭和レトロを感じられる喫茶店」や「ネオ喫茶」をご紹介していきたいと思います。

アクセスの難しさも「いきぬきどころ きんど」の魅力!

 

今回ご紹介する「いきぬきどころ きんど」の場所は福岡市南区南大橋。

「南大橋」と聞いてピンと来ない方も多いかと思いますが、大橋の南西部の住宅地の一角に位置しています。

それでは、最寄駅の「西鉄大橋駅」から徒歩での行き方をご案内します。スタート地点は西鉄大橋駅の西口とします。

大橋駅西口を出て、しばらく直進すると「西大橋交差点」があるので、角のコインパーキング横の道をそのまま進みます。

 

すると今度は「筑紫丘小学校入口交差点」が現れます。この交差点を渡り、さらに住宅街方面に直進していきます。

 

この道はかつて商店が立ち並んでいたエリア。いくつかの店舗を過ぎ、道なりにそのまま進みましょう。

途中からなだらかな坂道になっており、この辺りからだんだだん歩くのに疲れてきます。付近は完全な住宅地になっており、まわりにお店らしきものは皆無。

「本当にこのルートで合っているの?」と不安になってくるころ、道の色が赤に変わってきます。

 

赤い道をそのまま進んでいくと、左手にこちらの小さな看板と赤いポストが見えてきます。

なお、看板は営業日の金曜日と土曜日のみ出現します。

 

 

看板の先には木々が茂った森が現れ、その奥に向かって石の階段が伸びています。ここが「きんど」の入り口になります。

ここまで西鉄大橋駅より徒歩で20分弱でした。

ちなみに車で行くこともできますが、駐車方法がちょっと難しいので、詳しくは「きんどの公式サイト」で事前に確認されることをおすすめします。

まるでジブリ映画のワンシーンのようなエントランス

 

入り口の目印となるのは、傍の小さな看板のみ。とてもお店があるとは思えません。

両脇にうっそうと繁る木々を縫うように石の階段が奥へと伸びています。

まるでジブリ映画のワンシーンのような雰囲気です。

階段の途中でお地蔵さんが出迎えてくれます。

石段を登り切ると建物が現れます。案内板に目を向けると、右の矢印には「家族入口」、左の矢印には「きんど入口」と書かれているので、こちらで左折します。

はい、ようやく「きんど」に辿り着きました!

小さな森に隣接した、まさに「隠れ家中の隠れ家カフェ」です。

入店は縁側から入店。土足NGなので、味のある靴箱に脱いだ靴を預け、いざ店内へ。

 

個性的なアイテムで構成された唯一無二の店内空間

お店に入ると、手前には年季の入った一枚板のテーブル席があり、その横には年代物のレトロな冷蔵庫が鎮座しています。

 

その奥には2人掛けのテーブル席と、4人掛けのソファー席があります。

2階建てのご自宅の1階部分をリノベーションした空間。風通しと採光のために、天井部分は取り払われ、2階部分まで吹き抜け構造になっています。

こちらのテーブル席は、かつて小学校で使われていた椅子と跳び箱台を再利用したもの。

ソファー席の片側は跳び箱のマット部分を活用。このように昔懐かしいレトロ感のあるアイテムが随所に活用されています。

 

一角にある棚には個性的なオブジェや雑誌などが並んでいます。

寒い時期に活躍する薪ストーブ。冬になると店内を暖かくしてくれます。

 

縁側の反対側は小さな森になっており、名も知らぬ草木や、季節の花々が生い茂っています。

 

こちらはバケツを利用したランプシェード。至る所にアイディアとセンスが溢れています。

「いきぬきどころ きんど」の歴史

この「きんど」を営んでいるのは古庄さんご夫妻。

 

旦那様の和也さんは「居場所作家」という珍しい肩書きをお持ちの方で、福岡を中心に個性的なショップや住宅の建築やプロデュースといった「居心地の良い場所を作る」お仕事に携わられてきました。

 

それと並行して、以前は大橋で「可能性を売る店・みせ」という、様々な作家から持ち込まれた作品を販売する店をなさっていたそう。

 

「みせ」の閉店後、次は何をしようか考えていた時、自宅の裏手にあったお気に入りの「小さな森」をいろんな人に感じて欲しいとの思いから、ご自宅をセルフリノベーションし、「息を抜く場所=いきぬきどころ」として2007年5月にオープンされました。今年で18年目に入ります。

 

店名は文字通り「金曜日と土曜日だけ営業している」ことに由来しています。

 

現在は奥様の嘉美(よしみ)さんが主にお店を担当されており、きんどの営業と並行して多肉植物の販売事業「きんどのもり」を並行して営んでおられます。

 

縁側を出て奥に進むと様々な種類の多肉植物が販売されています。こちらもぜひ覗いてみてくださいね。

シンプルかつ心が温まるメニュー構成

きんどのメニューはドリンクとシフォンケーキだけの至ってシンプルな構成。

こちらの手書きのメニューは古庄さんの直筆。拙い個性的なフォントはなんとも愛嬌があります。

人気の「きんどフォンケーキセット」手作りのシフォンケーキに好きなドリンクがセットになっていてお値段は800円です。

シフォンケーキは数種類の中から毎週ランダムに作られており、どの種類が出てくるかは行ってからのお楽しみ。

オーダーを受けてから泡立てた生クリームを絡めていただきます。

ケーキも生クリームも、あえて甘さ控えめに作られているので、甘いものが苦手な方にもおすすめですよ。

南大橋の住宅地の小さな森の中に金曜日と土曜日のみ出現する「きんど」。

まるでジブリ映画に出てくるような独特の世界観や、場所の分かりづらさも含めて、福岡を代表する隠れ家カフェと言えるでしょう。

自然あふれるロケーションと、ゆるやかに流れる時間をぜひ満喫してみてくださいね。

いきぬきどころ きんど

住所:福岡市南区南大橋2-15-19

TEL:092-551-3872

営業時間:11:00〜19:00

営業日:金曜日・土曜日

喫煙:全席禁煙

公式サイト:https://kindo.ibasyo.in/

Instagram:https://www.instagram.com/kindnomori/

 

 

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ライター
久原茂保
2001年より福岡発のカフェ情報サイト「CAFE@TRIBE(カフェ・トライブ)」を開設。以来、20年以上に渡り福岡県を中心に数多くのカフェを訪れ、日々取材活動に励んでいる。近年はカフェアドバイザー業やカフェのリブランディング、カフェプロモーションなどカフェ業界の知見とネットワークを活かしたオンリーワンな事業を展開中。グラフィックデザインやWEBデザイン、広告コンサルも。

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