- ライター
- 大内 理加
- 壱岐出身。福岡市内の編集制作会社を経てライターとして独立。現在は、福岡のweb、紙媒体を中心に食、カルチャー、地域活性など、ジャンルを問わずに執筆しています。趣味は、街ぶらと1人旅。妖怪と忍者、サメ・ワニ映画などのワードに飛びつく癖がありますが、話し出すと大体苦笑いに終わります。
ネット時代でも伸び続けている福岡発のローカルフリーペーパー「Otonari(おとなり)」の作り方
自宅の郵便ポストを覗いて、ふと気づいたことがあります。5年、10年前に比べて、フリーペーパーがほとんど入っていないのです。それもそのはず、ここ最近では発行部数数十万部超の冊子でさえ休刊が相次いでいる状況です。 減少の理由は、私たちのライフスタイルを見れば明らかです。情報収集といえば、もっぱらウェブやSNSがメインとなり、検索窓に探したいワードを入れるだけ。一見便利なようですが、大量の検索結果の波で自分が本当に欲しい情報を見失ってしまうこともよくあります。 第三者の視点で情報が読みやすく整理整頓され、しかも手元に置いておける無料の紙媒体。苦境に立たされているはずのフリーペーパーは、ウェブ全盛の世の中だからこそ光るのではないでしょうか。そんな可能性を信じて、2020年に新たに創刊した媒体があります。 2020年9月に創刊後、福岡市東区、大野城市、筑紫野市など県内12エリアで、合計14万部を発行する「情報誌Otonari」です。 リリースされたのがコロナ禍にも関わらず、創刊1年以内で早くも業績が右肩上がりとか。その好調な走りの理由は、街と向き合ってきたからこその経験と熱意にあるようです。 早速、「Otonari」編集部の鷲崎一(わしざきはじめ)さんと吉川友唯(よしかわゆい)さんにお話を聞いてみましょう。
“企業と伴走し成長を育む”西日本シティ銀行ならではの視点で行うクラウドファンディングの取り組み
「クラウドファンディングは単なる資金調達の手段ではありません」 今までの取材の中で、何度も耳にした一言です。金額達成よりも、むしろ自分たちの製品が世の中に必要とされていること、応援してくれるファンができたことの方が将来的な支えになってくれた。そう語る事業者は少なくありません。 支援する側も、事業者が挑戦する姿に励まされるのではないでしょうか。 こういった“モノ”だけではなく“ヒト”を見るクラウドファンディングにおいて、今回取材した西日本シティ銀行デジタル戦略部による「NCBクラウドファンディング」は、事業者にとって最も頼れる仲人役かもしれません。 地域経済に寄り添ってきた西日本シティ銀行が、新たにクラウドファンディングという形で企業支援に取り組む背景には、どのような狙いがあるのでしょうか?
前代未聞のプロジェクト!福岡の実力派明太子メーカー3社 島本食品・稚加榮・椒房庵が頂上決戦!?
2020年4月、福岡の食文化を盛り上げてきた明太子業界で画期的な試みが話題を呼びました。それが、今回お届けする「博多めんたいプロジェクト」。明太子メーカー「島本食品」の呼びかけから始まり、全国的にも知名度の高い「稚加榮(ちかえ)」と「椒房庵(しょぼうあん)」が参加。3社それぞれが持てる技術を尽くした最高の明太子を作って、その食べ比べセットを販売するというもの。しかも、セットの中で一番おいしい明太子を選ぶ人気投票まで開催したのです。 横のつながりが少なかった明太子業界で、見ているこちらがハラハラするほどのガチンコ勝負。このプロジェクトを仕掛けた背景には、どんな思いがあったのでしょうか。発起人の一人である島本食品常務取締役の外尾透さんに、当時と“その後”のお話をうかがいました。
“飲みニケーション”は時代を超えて進む。福岡市のブーム火付け役MEGUSTAが考える、立ち飲み文化の未来
まだ明るさの残る宵の内、白木戸をくぐれば見知った顔も初めての顔も盃を片手に陽気におしゃべり。実に自由で楽しい大人の時間がその店にはありました。 お店の名前は「MEGUSTA」。角打ち文化が根強い北九州出身の落水研仁さんが、福岡の人に「立ち飲み」の面白さを伝えたいと2015年にオープンしたのです。安くて気軽に通えるという本来の魅力に、スタイリッシュな雰囲気をプラスしたMEGUSTA流立ち飲み。その波が多くの人に届き、周辺に個性的なスタンディングバーが増えてきた頃、新型コロナウイルスが発生しました。飲食店の業態の中でも、カウンターがメインの立ち飲み店はどうしても人と人の距離が近くなってしまいます。しかも営業時間短縮や自粛の影響もあり、順風満帆とは言えない状況が続いています。それでも落水さんの目は静かに、そして情熱を秘めて“これから”を見据えていました。