国指定史跡『鴻臚館』北館の東門や塀、地形の復元整備に2025年度着手

【経済・ビジネス短信@フクリパ】

国指定史跡『鴻臚館』北館の東門や塀等の復元整備が2025年度スタート【福岡市中央区】

福岡市は2025年度、国指定史跡『鴻臚館』北館の東門や塀、地形の復元整備に着手します。あわせて体験活用施設を整備し、鴻臚館展示館もリニューアルする予定です。

『鴻臚館』北館の東門と塀を長さ56メートル規模で復元

国指定史跡『鴻臚館』北館の東門や塀、地形の復元整備に2025年度着手鴻臚館整備イメージ(画像提供:福岡市)

 

福岡市は今年度(2025年度)に鴻臚館北館の東門や塀、地形などの復元整備に着手する。
福岡市議会経済振興委員会宛に20249月、福岡市経済観光文化局が提出した報告資料『鴻臚館整備・活用事業の進捗状況について』によると、「平成31年に策定した『国史跡鴻臚館跡整備基本計画』に基づき、市民が歴史に親しみ、来訪者の観光・集客の拠点となるよう、シンボルとなる鴻臚館北館の東門や塀、地形等の復元整備を推進するもの」と記している。

 

 

同計画によると、鴻臚館にあった北館エリアと南館エリアのうち、北館の東門と塀を復元していく。
東門は、直径40センチの柱12本による木造の掘立柱建ちとなり、本瓦葺きの八脚門、全高6メートル、幅10メートルの規模となる。
東門に接続する塀は漆喰塗の白壁で、直径30センチの柱22本による木造掘立柱建ちの瓦葺きで高さ3メートル。
塀の幅は東門の南北にそれぞれ23メートルとなり、東門も含めた東辺全体の長さは56メートルとなる。

 

 

同計画では、鴻臚館に海外使節が多く訪れた奈良期の風景をイメージし、周辺の地形も復元する。
また、北館エリアの範囲を再現するため、同エリアの北側と南側に区画塀も設置するとしている。

北館エリアの西側には、古代の饗宴(食・音楽・舞踊など)を再現した体験やワークショップ、講座なども開催可能な木造平屋造りの施設の設置も想定している。
あわせて、1995年に開館した鴻臚館跡展示館についても、蓄積された調査研究の成果を映像やデジタルコンテンツとして活用していくことで子どもや観光客らにも理解しやすいような展示へのリニューアルを検討している。

 

 

鴻臚館の復元整備は、2022年に検討に入り、2023年から鴻臚館復元整備の設計に着手。
文化庁復元検討委員会へ資料を提出し、復元整備の検討に着手した。
そして、2024年に文化庁復元検討委員会から復元に着手する了承を得ている。

 

全体計画平面図

出所:福岡市議会経済振興委員会報告資料『鴻臚館整備・活用事業の進捗状況について』(画像提供:福岡市)

 

 

体験活用施設を整備、鴻臚館展示館をリニューアル

令和7年度以降の予定

出所:福岡市議会経済振興委員会報告資料『鴻臚館整備・活用事業の進捗状況について』(画像提供:福岡市)

 

福岡市は2025年度当初予算において、鴻臚館整備・活用事業として、6億2,983万円を計上している。
福岡市経済観光文化局が20252月にまとめた予算関係資料『経済・観光・文化の一体的振興による活力と魅力あふれる都市づくり』によると、文化財の保存・活用について、「歴史文化の発信、観光・MICEの拠点としての活用を目指し、鴻臚館東門や塀の一部の復元整備等に取り組む」としている。

 

 

報告資料『鴻臚館整備・活用事業の進捗状況について』に記載された今後のスケジュールによると、東門と塀の復元整備工事、および地形等の復元整備工事は、今年度2025年度に着工する。
そして、東門と塀の復元整備、および鴻臚館展示館のリニューアルは2026年度に完了する予定だ。
さらに、地形等の復元整備、および体験活用施設の整備は、2027年度に完了するとしている。

 

 

国指定史跡である鴻臚館は、奈良後期~平安末期に存在した外交施設だ。
中国大陸や朝鮮半島からの使節団の迎賓館として使用する一方、日本の外交使節である遣唐使や遣新羅使の宿泊所としても使われた。
同様の施設として、京都(平安京)、大阪(難波)にも設けられていたものの、遺跡として確認されて国指定の史跡となっているのは、福岡市の鴻臚館のみだ。

なお、鴻臚館が歴史上で最初に登場したのは688年、『日本書紀』において「筑紫館(つくしのむろつみ)」と記されたこととされている。
平安期になって、中国・唐の外交を担当した『鴻臚寺』にならって、名称を『鴻臚館』に改称した。
鴻臚館は約400年間にわたり、対外交渉の窓口としての役割を担ってきたものの、1047年に起きた放火事件の記録を最後に歴史の表舞台から姿を消した。

 

 

施設概要:鴻臚館跡展示館

■住所:福岡市中央区城内1

■アクセス:福岡市地下鉄「赤坂駅」2番出口から徒歩約10分

TEL:092-721-0282

■開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)

■休館日:年末年始(12月29日〜1月3日)

■入館料:無料

■公式サイト:https://fukuokajyo.com/

 

参照サイト

福岡市『鴻臚館整備・活用事業』
https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/ds-suishin/shisei/kourokanseibikatuyoujigyou.html

 

福岡市経済観光文化局『経済振興委員会報告資料:鴻臚館整備・活用事業の進捗状況について』
https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/ds-suishin/shisei/documents/gikaihoukoku202409.pdf

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編集者兼ライター
近藤 益弘
1966年、八女市生まれ。福大卒。地域経済誌『ふくおか経済』を経て、ビジネス情報誌『フォー・ネット』編集・発行のフォーネット社設立に参画。その後、ビジネス誌『東経ビジネス』、パブリック・アクセス誌『フォーラム福岡』の編集・制作に携わる。現在、『ふくおか人物図鑑』サイトを開設・運営する。

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