今こそ福岡を旅しよう!食だけでない福岡観光の魅力

コロナの影響のなか、少しずつ旅行ができるようになった現在、国は「GO TO」キャンペーンを推進し、地域を支援するキャンペーンも盛んに行われています。この機会に改めて、私の本業である「ツーリズム」の観点で福岡の観光を見つめてみたいと思いました。福岡には「食」だけじゃない魅力がたくさんあるのです。コロナの影響が落ち着いた後の福岡観光について、予習をかねて参考にしてみてください。

にぎわいにあふれていた福岡のまちを取り戻す
繁華街・天神のビルの谷間に人々が集う屋台

福岡市における入込観光客数は2,141万人(2018年)で、7年連続で過去最高を更新していました (※1)。大きな学会やコンサートが週末にかかると、東アジアからの外国人旅行者ともあいまって、「宿泊施設がとれない」と悲鳴があがっていたものです。

昨年の10月には、ラグビーW杯の開催もあり、欧米豪を含め、いろんな国の方で賑わい街全体がもりあがっていました。

 

ところが、2020年は福岡だけでなく、日本全国がコロナによる自粛よって、人々の動きが止まりました。福岡市でも、2020年5月の宿泊施設の稼働率は一桁になる施設も続出。

この窮状を少しでも応援したい! と、(公財)福岡観光コンベンションビューローは、『福岡・博多「フク泊」応援プロジェクト』というクラウドファンディングを行いました。三笘和弘事務局長に取組の経緯とその結果についておききしました。


(公財)福岡観光コンベンションビューロー 三笘和弘事務局長

三笘事務局長

福岡市はいち早く飲食店の家賃補助、テイクアウト・デリバリー支援や宿泊施設の消毒経費支援を行ないました。
ビューローもテイクアウト支援をお手伝いしましたが、結果3,000店を超える申請があり、大変喜ばれましたね。

次はビューローの会員が多い“宿泊施設の更なる支援を”との思いで、でも資金はないことからクラウドファンディングを実施することに。5月下旬の飲食店支援の手続き終了から10日間くらいで、立ち上げました。

3,000円もしくは5,000円を寄付した方に、宿泊や飲食につかえるチケットがリターンされる方式にしたのは、福岡県が行う割引などのキャンペーンとも併用できると考えたからです。

また、募集期間は6月12日~28日の17日間と短かったのですが、その日程で募集を終了すると、8月上旬には集まったお金を参画施設に配布することができるから。とにかく困っている施設に、いち早く資金をお渡ししたいなとの思いでした。


ビューローが企画し実施したクラウドファンディング 『福岡・博多「フク泊」応援プロジェクト』
https://camp-fire.jp/projects/295301/activities/177423 ※現在は終了

6月4日から10日まで宿泊施設にお声がけし、30施設が参画されました。
参画施設には「安全・安心」の取組を必須とし,ホームページ等で発信してもらいました。
目標金額の1,000万円は、期間も短く高いハードルかなと思いましたが、夢と希望をもってもらいたくてトライ。結果は2,011,000円、117人の方に寄付をいただきました。

全体の76%が地元福岡県内で、そのほか九州、全国の方から応援をいただき、とても感謝しています。目標には及びませんでしたが、参画施設からも『何もしなかったらゼロ。よく企画してくれました』との声もあり、ビューローと施設との絆も強くなった気がします。これを機にさらに次の取組へつなげていきたいと思います。

全国各地でさまざまな取組が行われていますが、福岡市は、多くの同業者が顔見知りでネットワークがあり協働をすすめやすい都市

「新しい生活様式」をふまえながら、今福岡の観光で求められることは何でしょうか。
(※1) 出典 福岡市観光統計『福岡市の観光・MICE』2020 

 

今、注目のマイクロ・ツーリズム! 福岡市民が地元の価値を見つめ直す機会に

withコロナの旅行スタイルとして、「自然のなかで」と「プライベート(貸切)」とならんで、「マイクロツーリズム」が提唱されています。

地元の人が車で30分〜1時間で行ける範囲の地域内観光を楽しむことを指します。この際、福岡市民の多くが持っている「福岡は見どころが少ないから」という意識をガラリと変革したいと思っています。


赤坂駅近くにひろがる舞鶴公園の蓮の花。私が大好きな「福岡の夏の風景」でずーっとみていられます

そもそも、世界60エリア、日本全国を仕事やプライベートで旅した経験を経て、本当に心の底から思うのが、「日本ってどこも宝の山だ」ということ。

何気ない畑のこの季節の格別な美しさとか、名だたる観光地がなくても、地域の人々の暮らしぶりや料理、そして地元の人など、「日常が最高に面白い」

 

だから、今まで福岡で下記のような会話の場面に出くわすと、くやしくて拳を握りしめ、割って入ろうかと思うことが度々でした。

旅行者「福岡タワーにも行って、太宰府天満宮にも足を運んで、糸島もドライブしたし、屋台にも行ったし。もちろん、新鮮なお魚食べたし、ラーメン、モツ鍋、焼き鳥どれも美味しかったー 他に行くところありますかねえ」、
飲食店スタッフ「うちにも来てもらったら、コンプリートですね。福岡は観光でみるところそんなにないですもんね」…ああ、悲しい!


福岡のシンボルとして出てくるももちはまシーサイドエリア。都心からバスでも20分で到着できる、心地よさ100%の人工海浜です

実は地元の人にその価値をわかってもらうほど難しいことはないと常々思っています。だって、それは日常のあたりまえの風景だから。この際、福岡市民が市内をもっと「旅行者目線」で旅してみましょう。

知らないことは山ほどあるはずで、堅苦しくなく勉強してはいかがでしょうか。先出のビューロー・三笘事務局長は『旅育(たびいく)』ともおっしゃっていました。

 

地元の観光関係者や飲食店やスタッフ、市民の方が、地元の素晴らしさを理解し、お迎えした旅行者に「(福岡は)まるでパラダイスのように楽しいところですよ」と話すことがとても重要で、リピーター、ファンを増やす一番の近道です。

 

「住んでよし」90%超の満足がある日常を、ぜひ旅人に伝えてみてください。


博多の総鎮守・櫛田神社に干支恵方盤。 東アジアではイノシシが豚になっているそうで、そんな話をしながら外国人旅行者を案内するのも楽しいところです

 

 

旅行者にも市民にもおすすめ “私的福岡案内 ベスト3”

福岡が世界に名だたる食のパラダイスになる可能性については、以前この「フクリパ」でも触れました。食が魅力なのはもちろん誇るべきこと。『食都・福岡』『foodie paradise Fukuoka』は、すぐにでも世界にうってでることができると思っています。

 

今回はそれ以外で、私が大好きなエリアを3つ、ほんの概要を紹介します。折をみて、フクリパでも深掘りしていきたいと思います。

【1】博多旧市街エリア

博多駅から少し足をのばせばビルの谷間に寺社仏閣がたちならび、静寂の時間に身を浸すことができます。

櫛田神社、川端通商店街、キャナルシティ博多あたりまでゆっくりと一日歩いてまわることができます。博多人形絵付け体験やミニ提灯絵付け体験など伝統工芸にふれることもできますよ。https://yokanavi.com/hakataoldtown/


博多千年門〜承天寺は博多駅からも近いのでぜひ!


承天寺の庭にある「饂飩蕎麦発祥之地の碑(うどんそばはっしょうのちのいしぶみ)」。これだけではなくて、この庭の静寂、そして垣間見える石庭が素晴らしいのです https://yokanavi.com/spot/26915/


創業100年以上の老舗、門田提灯店でミニ提灯の絵付け体験ができます。8月お盆期間中などできないときもあるので、申込み時に要確認 https://suito.inboundhub.jp/ja/experiences/19

■承天寺 福岡市博多区博多駅前1-29-9

 

【2】大濠公園・福岡城址エリア

福岡市民憩いの場所で、ランやウォーキングを楽しむ人も多いこのエリア。武士のまちだった福岡の歴史的スポットがたくさんあります。以前紹介したHAKATA RIDEでもぜひ。

特におすすめはアジアの美術を全国に先駆けてコレクションした福岡市美術館です。https://yokanavi.com/route/29203/


福岡城址の天守閣があったと思われるところから。桜が満開のときはもっときれいです


ダリ、ウォーホルからアジアのモダンアートまで、収蔵品がすごいんです。 写真は新収蔵品のインカ・ショ二バレCBE«桜を放つ女性» https://www.fukuoka-art-museum.jp/collection/?q=modern


草間彌生の«南瓜»も1996年からコレクションに https://www.fukuoka-art-museum.jp/collection_highlight/2656/

 

福岡市美術館 福岡市中央区大濠公園1−6

 

【3】博多湾を囲むシーサイドエリア

TUKTUKのお話(https://fukuoka-leapup.jp/tour/202007.90)でも触れたように、福岡市は博多湾をぐるりと囲むようにひろがっており、その海岸線エリアが心身ともに開放される爽快感にあふれています。

 

西はPayPayドームのある地行浜〜ももちはま、能古島、東はアイランドシティ〜海の中道〜志賀島は今からの夏の季節に特におすすめです。


福岡市街を見渡すことができる能古島。「のこのしまアイランドパーク」では一年中花が咲いています。8月はひまわりが見頃!https://yokanavi.com/route/73939/ のこのしまアイランドパーク


一年中花いっぱいの海の中道海浜公園。写真は春の圧巻のネモフィラ!8月は週末限定でナイトデイキャンプもできます https://uminaka-park.jp/


PayPayドームのドームツアーでは、なんと写真よりも高い屋根、ルーフトップにのぼることができ、シーサイドが一望できますhttps://dometour.softbankhawks.co.jp/

■のこのしまアイランドパーク 福岡市西区能古島
■海の中道海浜公園 福岡市東区大字西戸崎18-25
■福岡PayPayドーム 福岡市中央区地行浜2-2-2

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もちろん課題はたくさんあって、グルメ以外の夜の楽しみとか、その魅力を体感する体験コンテンツがまだまだ足りないなど、挙げたらきりがないほど。

 

「また来たい」「この人に会いたい」「この心地よさをもう一度」とリピーターやファン(関係人口)を作ることは、やはり楽しめるコンテンツと触れ合う人を増やしていくことしかありません。

 

ビューローの取組として、観光コンテンツ開発や隠れた魅力を発掘するプロジェクトを進行しているとのことなので、また紹介をしていきたいと思います。

 

また、私が常々思っていることですが「九州はひとつ」の考えから、福岡は「九州のハブ」として、他のエリアへの旅行の拠点として機能すべきだと。

 

特に、ワーケーションやステイケーションで自然豊かな里山や田舎でゆっくりと長期滞在する方や海外からの旅行者に向けて、九州中の情報を流して提案し、旅の最後は心地よい福岡の都市空間でグルメやショッピングなどのシティリゾートを楽しんでほしいです。

 

これからもどんどん旅行者目線でのおすすめを紹介していきますので、お楽しみに。

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資料送付はえんホールディングスグループの一員である株式会社えんより行われます。
えんホールディングスグループはWEBメディア「フクリパ」の運営母体です。

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編集者
帆足 千恵
福岡のタウン情報誌の編集者として1990年代から海外30カ国、60エリアを取材し、世界の旅行情報を発信。2001年より外国人旅行者向けの編集制作や企画、調査、マーケティング、プロモーションを行い、九州インバウンドのパイオニア的な存在。2020年4月 海外旅行情報サイトを公開予定。

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