1バス停単位で福岡を切り取る「バス停から愛」

踏切近くでなぜ遠回り?バス停跡から当時を振り返る「井尻駅」バス停

一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡市のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。連載28回目は、福岡市南区にある「井尻駅(いじりえき)」バス停跡をご紹介します。

前回の「松田」バス停には、非常にたくさんの反響をいただきました。ありがとうございます。かつてそこにバス停があった名残、というのは懐かしさが感じられてよいものです。

>>前回記事はこちら:かつてそこにあったバス停の遺構を辿る。福岡市東区「松田」バス停

ということで、今回もバス停だった場所に注目します。

西鉄電車の線路沿いに、ひと区画だけくぼんだ場所があります。お気づきいただけますでしょうか。

場所は、井尻駅のすぐそばです。

現在、西鉄電車で福岡大橋方面から井尻駅に到着すると、改札の先にすぐ踏切があり、その踏切を渡った先に井尻駅西口バス停があります。

十数年前までは、駅の出口正面に、

井尻駅(踏切)バス停がありました。

それにしてもこの交差点、狭いですよね。
バスが左折しようとすると、内輪差で大きく膨らまないといけないですし、正面からだと踏切のほうに曲がるのは、特に危険が大きそうです。



ということで、近隣にこんなスペースが


西鉄さんもそういう判断をされたのか、踏切と反対側に方向転換の場所を設けて、遠回りの走り方をしていました。こういう特別な運用は、マニアの大好物です。

東側(図の左側)に広くて新しい道路ができるまで、井尻駅前のバス通りは線路沿いでした。バス停は線路沿いにあり、そのまま踏切方向に左折するのは危険と判断されたのか、いちど折返し場のほうへ右折してから、方向転換して踏切を直進していました。

昔のイメージ図。赤い矢印の方に曲がれないため、青い矢印のように動いていました


現在のバスのルートはこちら。新しい道ができたことで「井尻駅」バス停前の通りは通過しないルートに。


降車場から左を見た景色。

現在は、降車場となっている折返し場より東に「井尻駅東口」バス停があり、
そのまま直進して広い道を経由するようになっています。

この窪みを見て「バス停跡かな?」と推測することは可能かもしれませんが、上記のように複雑な経緯があったことを想像するのは無理です。けれども、「ここを走っていたバス路線はどうなったのかな?」と考えることはできると思います。

廃止されてしまったのか、路線が付け替わったのか、そもそもバス停跡ではないのか、いろいろな可能性があります。地元の人に聞いてみてもいいですし、お近くのマニア(笑)を探すのもよいかと存じます。

日常の生活圏でも、ちょっと遠出した出先でも、「この辺にバスは走っているかな?」と気にしてみると、暮らしが豊かになります、たぶん。

【基本情報】
バス停名:井尻駅東口(いじりえきひがしぐち)
・住所:〒811-1302 福岡県福岡市南区井尻1丁目36[map]
・天神からの行き方一例:
「天神大丸前(4) (4Aのりば)」から普通46-1番 キャナルイースト・博多駅・竹下・宮竹経由 西鉄井尻駅ゆき に乗車。約39分、360円

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バス路線探検家
沖浜貴彦
1972年生まれ・福岡在住。路線図に描かれた終点を想い、途中の狭い区間を苦心して走るバスに愛を注ぐ変態。ブログ「ほぼ西鉄バスの旅」を2008年に開設、日々愛を持ってバスを追いかけ続ける。毎月第二金曜・第四土曜日はバス趣味の現況を共有するサロン「バス路線探検家の会」を運営。

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