今回お縄になったのは、全国区のお茶の産地・八女にある空き家。
福岡県八女市100万円/古家付き/土地214㎡ のこちら。
ご覧の通り、渋い2階建ての古民家なんだけど、こんな旧家が普通に残っていて、しかも100万円ポッキリで買えちゃう八女の底力に驚きを禁じ得ない。
玄関は、2間(けん)つづきのガラガラ引き戸だから、おそらく元は商店だったはず。
だとすれば入ってすぐに土間があるはずで、一周まわった土間ブームが再来している今なら、鼻たかだかで周りに自慢できそう。
家の奥行きはかなり深め。おそらく1階手前がお店、1階奥と2階は住居になった町屋仕様と思われるので、職住近接の暮らしを実践したい。
見たところそれほど傷みも無さそうだし、あとは後付けっぽい右側の小屋を崩せば、光と風が取り戻せそうです。
めでたしめでたし・・・となりそうだけど、なりません。
理由は、これ。
この小屋の側面にある看板群だ。
地方だとよく見る看板なので、「あぁ、例のあれね!」で済ませる方が多いと思うのだが、世の中には看板コレクターが多数いて、特にマルフクなんて専門サイト (https://029.every-little.com/) を作ってるマニアすらいる。
一応解説しておくと、上から、
1)マルフク
NTTの電話加入権を担保にお金を貸してくれる消費者金融。全国をくまなく席巻していたが現在は廃業。
2)大木切ります!
文字通り、大木を切ってくれる「おおつかガーデンサービス」の看板。田舎に行くと必ず見るので全国区と思いきや、営業エリアは九州北部のみ(福岡県・熊本県・佐賀県・長崎県・大分県・山口県)。九州外の人には話が通じないので要注意。本社は福岡県嘉麻市。
3)樹木伐採
近年勢力を拡大している「高栁商会(たかやなぎしょうかい)」の看板。大木切ります看板とSETで見かけることが多い。本社は佐賀県みやき町。
ということで、九州の御三家が揃い踏みしたこの壁は是非とも残したいところ。
願わくば、このコレクションにキリスト看板(http://1010meguri.blog.fc2.com/blog-entry-234.html)とかいろいろ加えて、看板祭りで町の名物へと発展させるのが吉。
そんなマニアックな方面だけでなく、この物件の本質的な魅力はロケーションのすごさ。
なんと、目の前に天然記念物が鎮座しているのだ。
道を挟んで反対側にあるのが、天然記念物の「山内のチシャノキ」。
「え?こんな道ばたに??」と思うけど、県が指定する正真正銘の天然記念物(https://www.city.yame.fukuoka.jp/soshiki/4/6/31/4/1454651794474.html)
だし、樹齢はなんと600年で県内最大級の大きさだというし、毎日この木を拝んでいるだけでご利益がありそう。
そして極め付けは、これ。
実はここ、神社の参道沿いなのだ。
偶然なのか意図的なのかは分からないけど、ちょうど左右を守る狛犬のように配置されたこの家は、神のおぼしめしのような気がしております。
ということで、間違いなくありがたい立地に建つこの物件、運気が下がり気味な紳士淑女のみなさま、この機会におひとついかがでしょうか。
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福岡県八女市100万円/古家付き/土地214㎡
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▶︎空き家ポリス Vol.12 夢の〇〇付きマンション
▶︎空き家ポリス Vol.13 ロードサイドに宝は眠る
▶︎空き家ポリス Vol.14 錆びついた巨匠建築