還暦にもなるとね、いろいろと出来ないことがわかってくる。
そこそこの人生は、そこそこの能力だったからだと諦めもつく。
そうやって“広く、浅く、深いフリ”が功を奏して引き出しだけが増え続けた。
その無駄に多い引き出しを引け散らかして欲しいというご要望に応えてみることにした。
福岡の“仙台四郎”になりたいのだ!!
ワタシは、しがないプランナーである。
九州に名声が轟くような大した仕事もしていない。
企画書を書くのも見様見真似。
誰かに師事をしたこともない。
喰うために書き続けていたら書けるようになっただけである。マーケティングを学術的に学んできたわけでもない。ぜーんぶ受け売りである。
でも、なんとか喰っている。
いまもこうやってコラムなんかも書かせてもらっている。
ひとつだけ大事にしたことは、目の前の人にとって“福の神”であろうとし続けてきたこと。
これだけは、貫いている。福岡の“仙台四郎”になろうと思って28年が経つ。
仙台四郎の本名は、芳賀四郎。
明治時代に実在した人物で、東北の方ならみんな知っている「福の神」である。
7歳の頃に広瀬川に落ちて流され、意識不明になった時から脳に障害が残った。そのため、みんなから「しろばか(四郎馬鹿)」と呼ばれていた。
しかし、いつしか「しろばか」の立ち寄るお店は、必ず繁盛すると噂になり「福の神」と呼ばれるようになったという。
“仙台四郎”で、ぜひ検索いたたきたい。
その肖像写真は、堂々とご開チンである。
昔は、こういう異端を神様と呼んで受け入れる文化があったのである。
もはや企画費なんて欲しくない。
みんなから、お布施が欲しいのである。
奥様達から、おにぎりを分けて欲しいのである。